英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『絶対零度~未解決事件特命捜査』  第2話「時効7日前の魔物」

2010-04-22 23:00:56 | ドラマ・映画
 初回より面白かったです。

 テーマは「逮捕するということは……」でした。

① 事件発生から15年経過して、新たな生活を築いている事件関係者。改めて、捜査をすることによって、家庭や当人の心に波風を立てることを主人公・桜木刑事は実感する、逮捕する(捜査する)ことの重みを知る。
② 犯人は「神の手」といわれるほどの外科医。彼を逮捕することは、今後、彼の手術を受け、助かるであろう命を見捨てることになるのではと思う。

 ①②によって、捜査する(逮捕する)のは、正しいことなのかと悩む。


①に関しては、被害者の恋人は、事件の当夜、約束の時間に遅刻したこと後悔し、彼女が彼を呼び出して何を話したかったのか、思い悩んでいた。
 捜査によって、真実を知り、元恋人は過去の呪縛から解放され、本当の再スタートを切ることができた。

②は、「いくら名医で、幾人の命を救おうとも、人の命を奪った罪は消えない。許されない」と結論を出し、逮捕する(手錠をかける)。


①に関連して、一見他人に厳しく思いやりのない被害者、自分の夢を捨て異性の気を引くことばかりを考える元恋人のように思えたが、人にやさしく、お互いに思いやる結構素敵な関係だったようで、心が暖かくなりました。
それだけに、被害者が若くして命を失ってしまったことは残念で、元恋人も15年間も心の呪縛が解けなかったと思うと、心が重いです。

②は、名医だったが人間的には非常に自己中心的で、罰せられるべき人物だったので、結論は出しやすかったですね。これが、もし、名医で人格者で、偶発的なアクシデントで人の命を殺めてしまい、ずっと懺悔の念に駆られていたとしたら、もっと重たい話になったと思います。
人間ドラマとしては、その方が葛藤が大きく、桜木刑事にはもっと悩んでほしかったです。


 とにかく、時効寸前の事件を捜査し、いろいろ悩み成長するという人間ドラマとしては、面白いのではないでしょうか。
 ただ、個人的には、桜木刑事のキャラには感情移入しにくいのと、ちょっとテーマが重たいので、毎週見るのはつらいかなあと思っています。
 まあ、普通のサスペンスでも、殺人事件ですから、このドラマに限らず、重たいテーマですね。しかし、最終的に明かされる殺人に絡む人間関係や感情は重いものでも、事件の謎解きや真相究明が主体となるので、軽いと言えるかもしれません。

 さて、第2回は、先のテーマを掘り下げた分、逮捕に漕ぎ着ける過程は強引でした。かなり端折られた分、突っ込みどころは少なかったです。

 強いて挙げるとすれば、
・血のついたカフスボタンの物証だけで起訴するのは難しいのではないか
・真相解明に至る過程が強引過ぎ(ホームレスに聴取するに至る過程等)
・ゴミ収集が趣味といっても、中身を開けずごみ袋のまま15年間も保管するというのは、あり得ない


 重なった紙の枚数によって、筆圧が変わり、それを解析することによって判読できるのですか、すごいですね。
 こういう時効寸前の事件は、どうしても当初の捜査が甘すぎると感じてしまいますが、これは仕方がないですね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする