英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『南極大陸』 第4話

2011-11-07 16:17:42 | ドラマ・映画
 今回の主題は、犬塚(山本裕典)の葛藤でした。
 それに付随する事象として、
①南極大陸に対する姿勢……主に星野(香川照之)が提唱
 ・生かしてもらう(征服しようとはしない)
 ・研究しよう、人のしないことをしよう
 ・南極憲法(手酌で呑む、死んではいけない)
②ベックの死
③家族との交信(らしきもの)


 犬塚は自分は中途半端に生きてきたと、自分に自信を持てない。
 倉持(木村拓哉)に背中を押され、オーロラの研究に取り組むが、機器も上手く使えず焦燥感を持つ。焦りながらも研究を進めようとするが、睡眠不足により、出火、カブースを観測器具もろとも全焼させてしまう。
 責任を感じて落ち込む犬塚を、倉持(木村拓哉)や内海(緒形直人)が励まし、さらに、倉持が提案した日本との交信(録音)で、父の「今度、ウチに帰って来る時は、胸張って堂々と帰って来い」という父が自分を認めてくれていると知り、立ち直る。

 いくつもの線が、犬塚の父の言葉に集約されて、私も父のその言葉を聞き、「よかったな、犬塚」と思ってしまいました。

 ただ、引っかかるのは、ベックの死。
 先週の最後に突然倒れ、休養が必要と診断されたものの、本人(本犬?)の強い意志でソリを引き、悪化(血便)。腎臓が悪いと診断され、基地で留守番中、容態が悪化、危篤状態。倉持がとんぼ返りで戻ってくると、最後の力を振り絞り、起き上がり彼を出迎え、力尽く。
 これには、感動しました。なんて健気なんだ。

 でも、今回の話の中では、単なるエピソード扱い。今週の最後の方では、もう、過去の出来事。
 ベックは健気でしたが、倉持は何もしていません。釣りをしていて、犬が騒ぐまで、ベックが倒れていることに気がつきませんでした。それまで(先週まで)に気づけるかどうかは簿妙な問題ですが、「気づいてやれなかった」と悔やむ様子もありませんでした。
 ベックの意志を尊重して、犬ぞりに参加させますが、悪化。この時も、異変に気づいたのは星野でした。
 で、特に看病するわけでもなく、自分の夢(使命?)を追っかけて予備調査に出かけ、危篤に駆けつけ、感動シーンです。
 あのシーンは感動しましたが、前後の流れを考えると、「とってつけた感」が強いです。

 犬塚に対しても、中途半端でした。背中を押してやるだけで、フォローはほとんどなしです。器具の扱いに苦労しているのなら、扱い方を教えるとか、大切なカブースに夜中一人で篭らせるなんて、危険です。倉持がちゃんとフォローしていれば、カブースに消火器の粉が散乱していたのに気づくはずです。
 感動シーンはいいのですが、前回も書いたように、倉持があちこちで活躍させようとするので、無理が生じ、さらに、犬のエピソードまで盛り込むので、ストーリーが中途半端で未消化です。

 犬塚が立ち直ったのは良かったですが、余りにも失ったものは大きいです。南極で観測や研究するための準備、礎となるのが目的ですが、カブースと観測機器を失ったのは痛すぎるのではないでしょうか?
 星野が修理したオーロラ観測の器具だけでチャラにしていましたが、犬塚を責めても何も戻ってこないとは言え、皆さん人間が大きくて感動しました。

 不注意で予備の食料を流してしまったのですが、釣りによる補給とは考えました。しかし、今までの迂闊さを考えると、岸壁に一列に並んだまま、氷が剥離して、隊員全員沖に流され、「終」の文字が浮き出てくるシーンを想像してしまいました。
 とにかく、厳冬期が迫っていて、先週、猛スピードで基地を設営したはずですが、本格的な厳冬期は訪れず、気候は穏やかでした。穏やかなうちに、釣りなどして食料を補給しなくて言いのでしょうか?しっかりしているのは、設営の二人だけです。えらいぞ!

 越冬隊は越冬するのが第一目的だったんですね。次の観測隊のための観測機器の調整や予備研究するために越冬を決めたのかと思ったのですが、食事しながら、「研究してはどうですか?」って、のん気過ぎます。いえ、泰然自若と褒めるべきなのでしょうか?

 おかしいな、レビューを書いているうちに、どんどん辛口になってしまいました。
コメント (2)
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