英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『鼠捕り』 中田章道七段作 解答

2011-11-29 16:33:45 | 詰将棋
11月26日記事「『鼠捕り』 中田章道七段作」の解答です。


 初手は▲2二銀成が浮かびますが、△1三玉(失敗図1)とかわされると

捕まりません。初手▲2二桂成や▲2二飛打も同様です。

 初手は攻撃の軸となりそうな飛車を捨てる▲2二飛成(途中図1)が正解です。
 
 この手は詰将棋としては常套手段なのですが、3手目が見えないと視野に入らないかもしれません。
 この手には、△2二同金(途中図2)と応じる一手です。

 ここで▲2二銀成としてしまうとやはり△1三玉で失敗しますが、この局面を向かえると次の一手は容易に見えてくるかも知れません。しかし、初手で▲2二銀成や▲2二桂成や▲2二飛打に囚われてしまっていると、見えないかもしれません。
 もし見えない方は、参考図をご覧ください。

 初級者を卒業し中級者にステップアップされたぐらいの方なら簡単ですね。途中図2はこの参考図の変形バージョンです。違いは1三の地点に歯止めがあるかどうかです。

 この歯止めがないので、3手目が見えにくいのです。特に初手で▲2二銀成や▲2二桂成や▲2二飛打に囚われた方は、「1三玉に逃げられ捕まらない」という経験が正着発見の妨げになった可能性が高いです。

 もうお分かりですね、3手目は▲1三飛(途中図3)です。

 これに△1三同金なら▲2二成銀(変化図1)で詰みます。(▲2二桂成でもよい)
 そこで△1三同玉と取ります。今まで散々1三に玉を逃げられて失敗してきて、しかも強力な飛車を打ち捨てるのですから、盲点になりやすいですね。
 さて△1三同玉と強引に玉を吊り上げましたが、金を2二に呼んであるので▲2二銀不成(途中図4)が幸便の一着になります。

 △2四玉と逃げますが、取った金を▲2五金と打って詰みます(詰め上がり図)。

 2二の銀が3三の地点を押さえてあるのが嬉しいですね。
 ▲2二飛成△同金▲1三飛△同玉▲2二銀不成△2四玉▲2五金までの7手詰。

 新聞紙上のヒントに「金の取り方が問題」とあるのは3手目に▲2二銀成とせず、1三に玉を吊り上げ▲2二銀不成とするのが肝心ということなのでしょう。
 3手目が見えれば、後は簡単なので「5分で2級、10分で4級」という棋力設定ですが、この設定よりは難しいと思います。
 実戦でこの局面を迎えたら、詰みを逃す自信があります(笑)。

 餌(飛車)を二枚与えて、無理やり上部に呼び込み、出てきた頭を押さえるというイメージで、勝手に『鼠捕り』と名付けました。
コメント (2)
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