英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『家政婦のミタ』 第9話

2011-12-08 20:30:17 | ドラマ・映画
 ミタさん怒る
 アンドロイドのように感情を見せなかったミタさんでしたが、今回、初めて怒りました。涙も流しました。まあ、怒ったというより、大声を出してお願いしたという感じでもありました。
 そこから、堰を切ったように、家政婦をしている真意を語ります。
 過去の呪縛から感情を持てなくなり、ロボットのように命令されるまま動くしか出来なくなった。自ら命を絶とうともしたがそれも出来ず、「死ね」という命令が出されるのを待っていたというのだ。まさに長女・結(忽那汐里)が心配していたように、ミタは破滅を待っていたのだ


 阿須田家を去ったミタが、隣の皆川家の家政婦となったのは、夫の不倫という爆弾を抱えており、ヒステリー気味の真利子(佐藤仁美)が、破滅への命令を出すという期待があったからだった。
 阿須田家の子どもたちの愛により、放火殺人、焼身自殺寸前で止めることができ、「一緒に食事をしない」「笑わない」などという条件で再び阿須田家の家政婦となった。



 アンドロイドのように感情を見せず、何でもこなしてしまう家政婦・ミタという設定。
 初回の記事でどのようにストーリーが展開していくかを考えました。
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 ①問題を抱えた家庭、或いは、家族のひとりひとりが、ミタと関わり合い、解決し立ち直っていく
 ②感情を亡くしたミタが、家族と関わっていくうちに、心を取り戻していく

 大きく分けると、この2つです。①では、主に家族の話(トラブルや悩み)を中心にストーリーが展開し、ミタの行動が結果的にその助けとなる。②では、ミタの行動にスポットが当たり、その行動に対して家族が反応し、彼女の行動の謎(普段の生活や過去など)を考え、彼女の心の奥にあるものが明らかになっていく。
 この他のパターンとして、彼女が1週ごとに対象家庭を破壊していくというコミカルな線もありかなと思いましたが違いました。
 序盤から中盤にかけて①が中心で、ラストに向かって②に移行していくと予想していました。
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 予想が当たったと自慢するつもりはありません。おそらく、多くの人がこういう流れだと予想したと思いますから。
 しかし、ミタさんに人気や関心が集まったので、ミタさん中心の展開(過去や感情の回復)に路線変更したのではないかと考え方もできる。
 けれども、①だけあるいは①の繰り返しが予定だとしたら、初回で母親の遺品を燃やすまで進めてしまうのは展開が早過ぎであろう。あの頃は、恵一(長谷川博己)の不倫や母(妻)の死の真相が明らかになっていなかったので、余計、展開が早く感じたのかもしれないが、あのシーンを初回にして見せられるとはと驚いた。
 それに、前回の告白シーンからミタさんの感情があふれ始め、急展開のような印象がありますが、それまでにも時折、ミタさんの微妙な変化が出てきている。養子問題への恵一の態度を子どもたちに聞かれ言葉を濁したり、恵一の落とした「お父さんの石」を頼まれもしないのに探し出したりと。
 今回を含めたラスト3話を「ミタ編」としてよいのだろう。そう言えば、オープニングが若干変わっていた。製作者はこの「ミタ編」こそ、描きたい核なのではないだろうか?
 ベタな表現だが、果たしてミタは人間の感情の喜怒哀楽を取り戻すのだろうか?……今週は取りあえず「怒」「哀」が突き上げた。

 今後は「喜・楽」と繋がっていくのだろうが、うらら(相武紗季)がキーとなるのだろう。今週、ミタに「恵一を好きだ」と告げたのは、ミタへの嫉妬と牽制のためか?たぶん、そこまで意識していないと思う。
 「阿須田家を去って!」と懇願するのかと一瞬思ったが、そこまで言わないのがうらららしくてホッとした。

 あまりにも悲しい破滅のための家政婦の日々だが、私は破滅のためだけに家政婦となったのではないと思いたい。人とのつながりを断つ生き方でなく、家政婦の道を選んだのは、心の奥底で赤の他人であるが家庭の傍らにいたい。命令される(=人に頼られる)ことで、生きる価値や心の充足を得たかったのではと思うのは、うがち過ぎだろうか。

その他の突っ込みなど
①ミタが去った阿須田家に、うららがしゃしゃり出てきて夕飯を→大失敗というのはいつものパターンだったが、ここで疑問が。
 結城家の食卓はどうなっているのか?いつも外食や出前、弁当で済ませているのか?それとも、いつもあの有様なのか?それとも、義之(平泉成)が「なかなか難しいナリ~」と言いながら作っているのか?
 毎日、うららが炊事しているのなら、もっと上手なはずだよね。
②「空気を読め」ととうとう言われてしまったうらら。しかも義之に!
 義之さん、すっかり丸くなったね。
③おそらく、大多数の人が焼身自殺しようとするミタさんを子どもたちが止めようとしているシーンで「ろうそくの火を早く消すんだあ!」と思ったに違いない。
④今週は冴えに冴えていた長女の結(忽那汐里)だったが、ミタえもんのかばんに、「ご主人と息子さんの写真ある?」って、無神経すぎだろう。脚本家の見えない力が働いたか?
⑤二度のフェイント、三田タミ恐るべし。
 「家政婦のみたでぇすぅ」と脱力系?
 阿須田家の面々に露骨に嫌な顔をされ、気の毒。
 うららが、2回のうちどちらかに絡むかと思ったが、外された。

今週のミタさん
・浮気調査もお手のもの。
 「不倫相手の方と『いやんバンカー、今日は君にホールインワンだ』などと、くだらないギャグを飛ばしながら…」
 「くだらないギャグ」としっかり主観を入れていた
・ミタえもんのかばん……とげ抜き
  次男・海斗(綾部守人)に「頭良くなる薬」とリクエストされたが、「そんなものはありません」と。「そんなもの」という冷たい言い回しだった。(確か、のび太化した恵一にもそんな言い回しだった)


【ストーリー(公式サイトより)】
 壮絶な過去を告白して、三田(松嶋菜々子)は阿須田家から去っていった。恵一(長谷川博己)と子供たちは三田の消息を追うものの、見つけられない。すると、紹介所の晴海(白川由美)から「三田は別の家で働くことが決まった」と伝えられる。

 三田が派遣された家は、なんと隣の皆川家だった。恵一と子供たちは、あ然とする。子供たちが「帰ってきてほしい」と必死に訴えても、三田は「私はもう、みなさんとは何の関係もない」と冷たく突き放す。

 一方、三田が辞めたことを知ったうらら(相武紗季)は、阿須田家にやって来て「これからは私が毎日食事を作りに来る」と張り切る。しかし、いつもの調子でドジをやらかし、父・義之(平泉 成)に「少しは空気を読め」と連れて帰らされる。

 そんな中、三田の雇主となった真利子(佐藤仁美)から「夫を尾行して」と指示された三田は、夫の功が不倫をしていて、結婚したことを後悔していることを突き止め、真利子に報告する。ヤケになった真利子は「一家心中するから家ごと燃やして」と三田に命じる。

 翌日、皆川家の長男・翼の誕生日を親子3人でお祝いしていると、その横で三田が灯油をまき始め、火をつけようとする。本当に一家心中になりそうな光景を目の前にして、パニックに陥った真利子は三田に、「平気で人を殺そうとするなんて・・・あなたが死ねばいい」と口走る。
コメント (6)
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