英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

不思議な採点 パトリック・チャン

2011-12-12 23:16:54 | スポーツ
 フィギュアスケート、グランプリファイナルが終了しました。
 このシリーズ、6カ国を転戦しその獲得ポイントの上位6名がファイナルに進出するというシステムで、選手も主催者もテレビ局もなかなか大変なのではないだろうか。視聴者も全部見るのは大変で、NHKが放送していた頃は、シングルだけはなくペアやアイスダンスも放送してくれたので、もっと大変だった。(テレビ朝日は、ペアやアイスダンスはフィギュアスケートではないと思っているらしい)
 今年になって、参加選手の規定が変更されたようで、前年までは1大会の参加者が12名だったが、それが10人に減った。理由は知らないが、多くの選手を見たいので残念な変更だ。
変更はもう一点あり、前年度の世界選手権の6位までの入賞者には3回出場することが可能になったらしい。参加選手が10人に減らされ、有力選手には出場機会が増えるという不公平な変更だ。
 もともと、このポイント制には問題点がある。演技の点数ではなく、順位による獲得ポイントによってファイナル進出を争うので、高得点を上げて順位が3位と皆が不調、或いは有力選手が少なくて(主催者が調整すると思うが、それでもバラつきが生じる)、得点が低くて1位とでは、1位の方がポイントが高くなってしまう。
 今シリーズ、女子シングルでは、コストナーとレオノアが3回出場の権利を行使した。3回出場してその良い所取り(良い結果2つを合計すればよい)なので、かなり有利である上、大会のレベルに偏りが生じる可能性が増す。昨年までは、前年度世界選手権の上位6人をシード選手として、抽選で均等に割り振っていた。実際に、出場3回目のロシア大会に2位に入った
レオノアがファイナルに進出している。

 と、またしても前置きが長くなってしまいました。
 正直、どんな大会もシステムも不備が生じるのは仕方がない。しかし、規定を変更するのに改悪になってしまうのはいただけない。今回の変更はテレビ局の意向が働いているのではないかと疑ってしまう。(参加選手を絞って有力選手を多くしたい)
 さて、そんなグランプリファイナルも終了し、男子シングルはパトリック・チャンがショートプログラム、フリー共に最高点を出し優勝した。
 ここで、話は遡ります。
 私のブログ師匠のnanaponさんがブログ『即席の足跡』「知らん振りシリーズ」という記事でフィギュアスケートの話題(キム・ヨナと浅田真央の得点に関する熱烈ブログの紹介)で、私に振ってきたのでコメントをさせていただきました。(よそ様のブログでも、長々とコメントしています)

 
【11月26日コメント】===========================
 私の場合、フィギュアスケートの技術的なことは良く分かりません。ジャンプの高さや回転が足りているか、着氷の滑らかさ、ステップの切れや、スピンの軸のぶれなど、ある程度見ているつもりですが、ジャンプ時のエッジの違いやステップの難易度は分かりません。
 参考にするのはシーズンベスト。シーズン序盤では当てになりませんが、シーズンの終盤になると、シーズンベストと言うのは、その選手のプログラムのベストの90%の出来と想定して、現在の演技がプログラムの何%をこなしているかで、シーズンベストより5点マイナスなどと予想して観ています。
 得点発表前の選手の表情も参考になります。

 キム・ヨナ選手の採点には疑問を持っていますが、チャン選手の採点もかなり疑問を持っています。
 バンクーバー五輪の時、相当ひどい出来で、本人も相当しょげていましたが、発表された得点を見て、にっこり。

 その後も、彼の点数は高過ぎの状況が続いています。 そもそも、プログラム全体の演技を5つの観点から評価するPCS(Program Components Score)は理解不能な採点方式です。

スケート技術 (Skating Skills)
要素のつなぎ (Transitions)
実行力/遂行力 (Performance/Execution)
振り付け (Choreography)
曲の解釈 (Interpretation)

 非常に抽象的な要素で、これが得点の半分を占めているのは変です。
 つい熱くなって、長くなってしまいました。
========================================


 ショートプログラムでは壁に激突し転倒(連続ジャンプの出来が良く飛び過ぎただけで、しっかり着氷はしていたので、転倒の減点はあるがジャンプの減点はないという考え方もできる)フリーでは手を突いたりよろめいたり、とても最高点を出すような内容ではないと思ったが、両方とも最高点だった。とても不思議。
 これだけ疑問の採点が続くと、何かあるのではと思ってしまう。確かに、彼のスケーティング技術は優れていると思う。ただ、あれだけミスが多いと、それだけでは補えないと思う。
 パトリック・チャンの採点だけに言及してきましたが、他の選手の得点にも疑問を感じることは多い。しかし、パトリック・チャンに関してはずっと毎回その疑問が生じてしまう(しかも、はっきりと)。
 もちろん、私には分からないもの凄い技術を駆使したスケーティングということもあるだろう。だが、各国のコーチや、テレビ解説者が採点について疑問を呈しないというのも不思議で、パトリック・チャンの技術が秀逸な証しか、それとも、大人の事情があるのか……

 で、私の上記の判断基準の登場だ。
 今シーズンの彼のベストはカナダ大会の253.74点。今回のファイナルでは260.30点。
 シーズンベストを基準に考えると、ファイナルの得点は実に不可解ということになる。しかし、カナダ大会の彼の演技もグダグダだったので、ファイナルの彼の得点も極めて妥当なのである。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする