英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『家政婦のミタ』 第10話

2011-12-16 22:10:15 | ドラマ・映画
 ミタさん泣く
 ミタ(松嶋菜々子)の心を覆う氷が、阿須田家の面々の温かい心などによって徐々に融かされていく。
 しかし、今回、急ぎ過ぎというか、強引というか……ミタの心の変化を描くために、阿須田家の面々がその道具になってしまっていた。
 もちろん、海斗(綾部守人)の宿題の母親への感謝状のエピソードは秀逸で、毎回、核がしっかりしていて、感動してしまう。
 けれども、「一緒に食事しよう」とか希衣(本田望結)のランドセル購入につき合あってとか、「授業参観に来て」とか、「入学式に来て」とか、「耳かきして」とか、「勉強教えて」とか、ミタのダウンジャケットやキャップや腕時計について尋ねたりとか、ミタの心情にお構いなく、ズカズカ踏み入るような事ばかりする。前回、ミタが念を押したこと(食事する、出かける)さえ、お願いする。しかも、「念を押したはずです」とミタが言い、「念を押すって何?」と希衣が訊ねて、「約束すること」と結(忽那汐里)が説明したのにである。恵一(長谷川博己)も、「約束は守らないとダメだぞ」ぐらい諭さないと
 それに、ミタが渋ると呪文「業務命令(でいいから)」を唱える阿須田一家。「業務命令」というと柔らかい響きだが、結局「命令」だよね。
 それでなくとも、家政婦として阿須田家の世話をしたり、阿須田一家の団欒を見ることは、ミタが封印していた亡き夫と息子との思い出を呼び起こすことになるというのに。阿須田家の面々はまったく無頓着。


 ここまで先送りしてきた「自殺した母」「うららの恋心」のピースをここではめ込んできたか!
母への感謝状
 自分たちを残して自殺した母に、子どもたちは「捨てられた」という思いを抱えていたが、海斗に「母への感謝状」が出たことで、真正面から向き合うことになった。
 そういう気持ちから、素直に感謝状を書けないでいる海斗や他の兄弟に、「あれは事故です。母は後悔したはずです」と諭す。自殺した理由にするには苦しい説明で、自殺しようとした事実は変わらないが、母親の後悔したという気持ちを信じ、「事故」だと思うということでいいんじゃないかと思った。
 海斗の作文は素晴らし過ぎ!次に読む子がかわいそうかも。
 こっそり、花丸と「大変よくできたと思います」と書いておいたミタさん、なかなか乙である。私も嬉しくなってしまった。それに、こっそり廊下に来ていたし。

ヤケになるうらら
 恵一を諦めるために見合いをするが、やけくそ状態で見合いの席で悪態を突く。
 義之もうららの恵一への思いを察するが、複雑だろうねえ。

「あたしなんかいない方がいいんだって、みんなのために」
「あなた(見合い相手)の言うとおりにします。自分から何かやると、ろくなことないし」

 以前、結がミタとうららが入れ替わっている夢を見たが、上の台詞のうららの心境はまさにミタ状態。
 そんな中でも、うらららしさを発揮!……見合いの席のグラスには口紅がついていて、コースターがグラスから離れないし、結に見つからないよう柔道部のランニングに紛れ込んで身を隠そうとするが、なぜか突然、彼らが屈伸運動(笑)。
 自分をコースターに例え「いつも踏みつけにされて、必要じゃない時は付いてくる」……うまい!

 そんなうららも、恵一に自分の気持ちを告白(どこが良いんだろう?)

★融かされていくミタの心
思い出の遊園地で、いつものようにランチをテーブルに並べ…呟く
「ごめんね。二人とも責めてるでしょ、わたしひとりだけが幸せになるなんて。
あの人たちを愛してしまいそうで怖いの。
私が愛したことで、あの人たちが不幸になるのが怖いの。
だから、早くそっちに連れてって!」

涙をこぼすミタ。

 そこへ突然、阿須田家の子どもたちの姿が!(さすが、忍者(義之)の孫)
「自分を責めるのはやめて!」
「これからは、俺たちがこれ、全部食べるから」
と、みんなで無理やり食べ尽くす。
 なくならないランチをずっと見続けてきたミタの呪縛を解く様に、ランチが消えていく……

涙をぽろぽろ流しながら
「お願いですから、これ以上優しくしないでください(1オクターブ高い声)。
わたくしは、主人と息子が死ぬ前の私には戻れないんです。戻ってはいけないんです」

「私たちは、ミタさんに愛されても、絶対死なない。どんなに辛いことがあっても、絶対幸せになる。だから、一緒に帰ろう、ミタさん」

泣けますね……


 一段落して、阿須田家の一幕

業務命令で「笑って」とお願いするが、やはり、拒否されるが、
「笑う以外なら、何でも聞いてくれるんだよね」と切り出す。
「私にできることなら」とミタ。
なかなか交渉上手だ。
そこで、希衣の奥の手、「ミタさんの石」を出し
「私のお母さんになって」と。

「承知しました」………え?

その他、突っ込みなど
①「母の死は事故だった」と気持ちに決着をつけた子どもたち、しかし、恵一も「もう、過去の事をぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ後悔するのは止めます。……これから、子どもたちと一緒に今と未来だけを見つめて生きていきたいんです。……」
 あんたは過去を背負って生きなきゃいかんだろ!
②隣のおばさんは、最後までひどい奴だった。少しは反省するかと思ったが。人に「死ね」と言ったのに、自分は全く悪くなく、全部人のせいにする、ある意味「幸せな人」である。
③海斗の担任は教師を辞めるべき。母親を亡くしたばかりの児童がいるのに、あんな宿題、しかも授業参観の日に発表させるなんて。書くのはもちろん辛いし、皆の発表を聞くのも辛いだろう。

今週のミタさん
・人間だった……ぼんやりしたり、赤い血を流した
・ゴルゴでもなかった

今週のミタえもんのカバン
 しょうが湯、ばんそうこう、ライター


【ストーリー】(番組サイトより)
 再び阿須田家で働くことになった三田(松嶋菜々子)は、亡くなった夫と息子の幻覚をたびたび見るようになる。三田は激しく動揺する。

 海斗(綾部守人)は、授業参観で母親への感謝状を読むことになった。自殺した母への思いを書くのをためらう海斗に三田は声をかけそうになるが・・・

 一方、恵一(長谷川博己)への思いを断ち切りたいうらら(相武紗季)は、やけになって見合いをする。阿須田家の人々は不思議に思う。うららの真意を知っている三田は、思わず自分から口を開こうとする。三田の中で何かが変わり始めていた。晴海(白川由美)は「言いたいことがあったらあれすれば?人間らしさを取り戻そうとしているのよ」と、三田を励ます。

 海斗は、納得できないながらも父親への感謝状を書き始めていた。三田は、海斗から書きかけの作文を取り上げて破り捨て、「お母様への感謝状を書くべきだ」と初めて自分の意見を言う。

 阿須田家の人々への愛情が深まる三田。海斗は母への思いを作文に書いた。恵一は三田に「授業参観に行ってほしい」と頼むが・・・

 そんな矢先、夕食の準備をする三田を手伝おうとした希衣(本田望結)が火傷を負ってしまう。やはり自分が周りの人を不幸にするという呪縛から逃れられない三田は遊園地へ赴く。

 死んだ夫と息子の幻覚と向き合うために…。
コメント (6)
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『科捜研の女』 第9話「警察犬vsDNA鑑定 アリバイ崩しの誤算」 【追記あり】

2011-12-16 17:21:49 | ドラマ・映画
新メンバー加入
 物理研究員・乾健児(泉政行)が、前話、東京にいる父の看病のため退職した。その前のエピソードの時、多少の前振りがあったが、かなり唐突。前話で父とのことで悩むいぬいが描かれていたが、最後の方までやめるような雰囲気がなかったので、ラストで「えっ、辞めちゃうの?」という感じだった。
 代わりに加入したのが、相馬涼(長田成哉)。思ったことをストレートに口にし、行動もマイペースで、一緒に仕事をするのは遠慮したいタイプだ。
 しかし、榊マリコ(沢口靖子)に遠慮がちな他の所員が言えないことをマリコに対しても発言したり(口走ったり)、彼の無頓着な言動に過激に反応する吉崎泰乃(奥田恵梨華)の様子が面白かった。
 また、民間の嘱託指導員・神林彩(森田彩華)と嘱託犬で柴犬のハナが可愛い。特に登場のシーンは微笑ましかった。

無理がある犯人の行動
 犯人の匂いを追うため、警察犬担当の香坂怜子(伊藤かずえ)がハリーが出動し容疑者を突き止めるが、アリバイがあり、失敗?
 玲子のハリーを信じる心と、事件の真相を科学で突き止めようとするストーリーであった。時間が経過しており、ハリーの老化?と疲労、柴犬・ハナの愛らしさと頼りなさで、ハラハラの展開だった。
 しかし、その展開にするために、犯人の行動が不可解なものになってしまった。
 二人が組んで犯行を行うと言っても、実際は単独行動で、実行しない方は何の助けもしていない。普通の単独の引ったくりとどこが違うのかが分からない。それなのに、奪った金は山分けなんて、どう考えても不合理。
 今回、岩谷修司(宮崎吐夢)が引ったくりを実行して、その結果、殺人まで犯してしまった。コンビのもう一人の金田陽一(松尾諭)に相談するが、普通、関わりがない、自分とは関係ないと突き放すのではないだろうか?
 それなのに分け前をもらうなんて、間の抜けた話だ(その1万円札が共犯の証拠となってしまう)。

 ハナの活躍により、岩谷を突き止めたが、大騒ぎになり岩谷に気づかれてしまう。挙句の果てに、「岩谷だ!」と大声で叫び(逃げろと言ったようなもの)、逃げられてしまう。
 ここで、しっかり彼を確保しておけば、彼は殺されずにすみ、金田も殺人を犯さなくてすんだのに。大失態だと思う。土門(内藤剛志)さんも、しっかりして欲しい。

 ハリーの失敗か?というドキドキ感を出すため、犯行を歪なものにしてしまった点は残念だ。

【ストーリー】(公式サイトより)
京都市内の路上で、男性がひったくり犯に刺されて死亡する事件が起きた。被害者・沢村大輔(真鍋拓)は婚約者の梓麻衣(小野真弓)とデート中で、麻衣のバッグをひったくった犯人を捕まえようとして、刺されてしまったらしい。

現場に急行した榊マリコ(沢口靖子)たち科捜研メンバーは、刑事と押し問答している若い男を見てビックリする。彼こそ、その日から科捜研に物理研究員として配属された相馬涼(長田成哉)で、相馬はなぜか科捜研に顔を出すより先に捜査一課に挨拶に赴き、そこで第一報を聞いて現場までついて来たという。

「まずは科捜研に行って、所長の指示を仰いで」というマリコの言葉も聞かず、相馬は勝手に検査機器を持ち出して現場近くの血痕を捜索、犯人が落としたらしい手袋を発見する。

まもなく、逃亡した犯人の足跡を追うべく、警察犬のハリーと鑑識の警察犬担当者・香坂怜子(伊藤かずえ)が出動してきた。ハリーは相馬が発見した犯人の手袋の匂いを追跡、宅配便のアルバイト・金田陽一(松尾諭)に向かって吠えたてる。ところが、金田の顔を見た麻衣は、彼は犯人ではないと否定して…!?

【ゲスト】伊藤かずえ 森田彩華 小野真弓
【脚本】櫻井武晴
【監督】伊藤寿浩

-追記-
 ハリーが現場から匂いを追って金田にたどり着きましたが、岩谷と金田が接触し、その時に付いた匂い、あるいはひったくりの分け前の1万円札に、ハリーが反応したことになる。
 ということは、岩谷の逃走経路にたまたま仕事中の金田がいた時、匂いを追跡中のハリーが出会わしたことになり、相当不自然な偶然である。
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