英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ストロベリーナイト』 第1話「シンメトリー」 【補足あり】

2012-01-11 20:06:14 | ドラマ・映画
 他の方のレビューが非常に好評なので、私の感性が変なのではないかと戸惑っています。いえ、面白いと思うのですが、引っかかりを感じることも多いです。
 私は「その他の突っ込み」というような題で、事細かに突っ込んでいますが、これについては、軽い突っ込みというようなつもりです。時には、本気で突っ込んでいる時もありますが、メモ書きみたいな感覚で書いて、誰かがうなづいてくれたり、「それは実はこうなんじゃないか」と教えて下さればいいかなあと思っています。
 基本的には、記事の前半部分が主題なのです。

 プレドラマと今回を観て、「おもしろい」と思った。映像の造りが上手いのかな、それに、登場人物の描き方も巧み(ヒロインについてはやや違和感を感じる)だ。事件や捜査の展開のさせ方もソツがない。
 班のメンバーの描き方は『ハンチョウ』を、事件や捜査の展開は『BOSS』を思いだす。『ハンチョウ』よりわざとらしさがなく、『BOSS』より無理やり感がない。
 例えば、居酒屋での食事は、捜査課の部屋での会話より、各々の個性が出て面白い。玲子が事件を考え、推理するシーンがあるのも良い。『BOSS』なんか、ほとんど「後出しジャンケン」だった。

 しかし、気になる点も多かった。
①CMの挿入頻度が偏っていた
 ドラマ開始50秒後、提供(15秒)
 ドラマ開始より 1分05秒…ドラマ再開 (11分40秒)
 ドラマ開始より12分45秒…CM    ( 1分30秒)
 ドラマ開始より14分15秒…ドラマ再開 ( 6分30秒)
 ドラマ開始より20分45秒…CM    ( 1分30秒)
 ドラマ開始より22分15秒…ドラマ再開 ( 3分20秒)
 ドラマ開始より25分35秒…CM    ( 1分30秒)
 ドラマ開始より27分05秒…ドラマ再開 ( 3分20秒) 
 ドラマ開始より30分25秒…CM    ( 2分00秒)
 ドラマ開始より32分25秒…ドラマ再開 ( 1分40秒)
 ドラマ開始より34分05秒…CM    ( 1分45秒)
 ドラマ開始より35分50秒…ドラマ再開 ( 5分00秒)
 ドラマ開始より40分50秒…CM    ( 1分30秒)
 ドラマ開始より42分20秒…ドラマ・予告(23分40秒)
 ドラマ開始より66分00秒…CM    ( 3分00秒)

2回目のCMからは細切れ状態。私は気になって仕方がなかった。

②「勘」で片づけて欲しくない
 葉山(小出恵介)「近所にいると思う根拠はなんですか?
 玲子(竹内結子)「勘」
勘で片を付けてしまっては、何でもありになってしまう。「勘」は実戦の積み重ねで形成されるので、馬鹿にしてはいけない。今回も「犯人は現場に戻る」という経験則からの判断で、ある程度納得している。ただ、プレドラマ、第1話の流れからすると、今後も玲子の勘が働くような気がする。ドラマでは、あまり、勘を頼りにして欲しくない。

③唐突な情報
・駅員の徳山和孝(滝藤賢一)の当時の行動の目撃者・多田(事故の被害者)がいる事をどうやって知ったのか?
・動物の残虐死の情報はどこから

 この2つの情報は、非常に唐突だったような気がする。私の見落とし?


その他の突っ込み
・ガンテツの部下の話は何だったのか?(単に玲子に邪見にされただけ?)
・事故後辞めた徳山の手描きのポスターが未だに張られているのは、おかしい。
・刺した後、線路に遺棄したのであれば、解剖でそういう所見が出ると思ったが、列車に轢かれたのでは、そういう痕跡も残らないか(と自己完結)
「何かが足りない」という台詞の後に、もっとその場面を見せて欲しかった。

【補足】
 上述したように、ストーリーに疑問(特に③の情報の唐突さ)を感じたので、検索してみたところ、検索の目的とずれていますが、『ミステリ通信 創刊号』さんに気になる記事がありました。
 「連続ドラマ「ストロベリーナイト」第1話「シンメトリー」(1月10日放送)ネタバレ批評(レビュー)」の文章をそのまま引用します。


==============================
第1話にして、原作からかなり改変を加えてきました。
犯人こそ同じですが、犯人を取り巻く環境やその精神性まで変えてきました。
徳山を猟奇殺人犯にしちゃってますね……。

これは原作『シンメトリー』を読んだ身としては、かなりショック……。
原作は徳山視点の物語。
徳山は挨拶を交わしていた実春を妹のように想い米田への復讐を決意。
列車転覆事故の際に失われた自身の右腕の代わりに「シンメトリー」であることに執着し、米田のみを殺害します。
かなり、切ない犯罪者です。

だが、ドラマ版の徳山は身勝手な男が身勝手なままに犯行を繰り返すことに。

これはショッキングな展開ではあるものの、原作の良さを活かしたとは言い難いかなぁ……。
正直、今回については改悪だと思う。
なぜ、変更したのか分からない。

小川殺害を加えたことで何かメッセージ性が生まれたとも思えないし。
本当に首を捻る。
『シンメトリー』は原作自体が完成度も高く、原作通りにすべきだったのではないだろうか。
===================================


 原作を改変するのは、基本的には反対だが、テレビドラマには「視聴率」という足かせがあり、より視聴率の取れるように改変するのは仕方がないことかもしれない。
 この「より視聴率が取れるように」というのが、「より面白いものにする」「より質の高いものにする」に合致するのならよいが、「より視聴者の興味を高める、気を引く」という趣旨の改変が多いような気がする。
 今回の場合、犯人を取り巻く環境やその精神性まで変え、猟奇殺人犯にしてしまったのは、原作を蔑ろにしているのではないだろうか。原作者は了承しているのだろうか?

 ドラマ視聴者として、原作とは違っている点を知っていた方がよいと考え、ブログ作成者さんの了解をいただいて、ご紹介しました。(いちいち原作にこだわらず、ドラマだけを楽しめばいいと言う考えも、否定しません)



【ストーリー】(番組サイトより)
警視庁捜査一課第十係の姫川玲子(竹内結子)以下“姫川班”のメンバーが本庁で待機していると事件が発生。10年前に100人以上の死傷者を出した列車転覆事故を引き起こした米田靖史(北上史欧)が事故と同じ場所でれき死したのだ。死体は、左右対称真っ二つになっており、自 殺と他殺両面で捜査が始まる。

玲子たちの聞き込みで、いつものように居酒屋で飲んだ米田が店を出た後、れき死体で見つかるまでの時間が短いことが判明したことから、他殺だとすれば計画的な犯行の線が濃くなる。また、米田が居酒屋で「(鉄道会社、被害者、遺族への)賠償金の支払い義務が8億6千万円ある」とわめいていたとの証言も取れた。
米田に賠償を求める“被害者と遺族の会”会長、小川睦男(村上かず)の長女、実春(藤本泉)は、10年前の列車事故でひどい死に方をしていた。

玲子たちは実春が車両につぶされる直前、必死で彼女を助けようとした徳山和孝(滝藤賢一)という駅員がいたことを知り、調べ始める。すると新たな事件が発生し…。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする