英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

レジェンド『ストロベリーナイト』

2012-01-10 19:43:48 | ドラマ・映画
「ストロベリーナイトレジェンド~すべてはこの猟奇殺人事件から始まった!!ついにスタートの本格刑事ドラマその原点がここに!!」
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 1月10日から始まる『ストロベリーナイト』の導入ドラマとして1月6日に放映されましたが、上記のフレーズは当日の新聞の番組欄のものです。
 力、入っているな~……金曜9時の番組枠『金曜プレステージ』なので、ここで助走を付けて、連続ドラマ突入か、と思いました。
 でも、実際は、捜査課の部屋での新収録はありましたが、ほとんど再放送(2010年11月)と言って良いモノでした。私はその時見ていなかったので、結果的にはラッキーだと思うのですが、騙された気分がします。番組欄のフレーズでは再放送だと読み取れませんでしたし、放映中も「これは2011年放映されたものを新収録を加えて再編集してあります」というような告知もなかったと思います。
 まだ、本編を見ていないので良く分かりませんが、ドラマタイトルが『ストロベリーナイト』になっていますが、このエピソードと関係があるのでしょうか?番組欄のフレーズも「この猟奇殺人から始まった」とありますが、これは正確な表現なのでしょうか?
 ただの客寄せフレーズだとしたら、今後の本編ドラマも信用できないと思いました

 さて、このプレ・ドラマですが、途中までは面白かったですが、終わってみるとがっかりでした。

主人公・姫川玲子警部補(竹内結子)
 過去に暴行されたトラウマを持ち、それに屈しない正義感で、女性ながら若くして捜査班長になる腕利き、やや強引で熱くなりやすく負けず嫌い……どこかで観たような設定であるが、設定自体は似ていても構わないと思う。ドラマの冒頭(新収録)で、上司に注意をうけ憤り、目をむいて怒るさまに、見るのを止めようかと思った。ビルの屋上で怒るのなら許容できるが、部下たちの目の前でその姿をさらすのはダメなのじゃないのかな。
 多少、頭は切れるみたいだが、ノンキャリアで女性で出世するほどの力量を感じられなかった。
 正直言うと、竹内結子さんは好きじゃない。『ランチの女王』(2002年)のヒロインがあまりにもひどく(演技ではない)、その印象を引きずっているのかもしれない。
 今回の姫川玲子役は、冒頭を除けば好感が持てた。悪いイメージが払拭されるかもしれない。

犯人(犯行グループ)がしょぼい
 途中、「暴力団が傍観するほどの巨大な黒幕」のように匂わせて、警察幹部のドラ息子の北見刑事(林遣都)&義父に肉体関係を強要され心に深い傷を持つ少女(「F]と呼ばれていた)だった。
 しかもヒロインの忠実な部下だったというありがちなパターン。か弱そうな少女が殺人鬼のFだったというのもありがち。
 もちろん、「ありがち」というのも即否定されるものではないが、ヒロイン像も含めて、これだけ「ありがち」なものが多いと、興醒めしてしまう。
 「ありがち」が続いても、説得力があればOKだと思うが、黒幕が上記のふたりで、それ以外のメンバーが全く顔を出さないし、「ストロベリーナイト」の運営組織の前身がただの悪ガキ集団では、説得力はない。
 さらに、Fが狂気に陥り殺人を犯すというのはそれなりの理屈かもしれないが、肉体的能力は人並み以下のはずで、北見がFを神格視していた理由も薄い。(それだけ見事な、喉の切り裂きっぷりだったのだろうか)

理解できないストロベリーナイトの異常心理
 人が死んでいく様(さま)を見て、自分が生きているという実感を得られるという心理は理解できないでもない。しかし、その秘密クラブのメンバーから無作為に生贄が選ばれるシステムならば、生を感じると同時に死の恐怖も味わうはずで、普通は恐怖の方が大きいのではないか。それとも、自分が選ばれないという根拠のない確信が異常の中で生じてしまうのだろうか。
 でも、死から逃れるため、この秘密クラブを明らかにして死から逃れようとする者も必ずいると思うのだが。

その他の突っ込み
①あれだけきちんと死体を荷造りするのなら、死体を沈めるのも他人に任せないで自分で遺棄した方が確実。
②“ガンテツ”こと、勝俣警部補(武田鉄矢)が玲子の推理の穴を指摘したが、麗子の言い逃れの推理の「連絡ミス」が真相だったなんて……
③菊田刑事(西島秀俊)がデスク(事務処理担当)で、最後に活躍。今泉係長(嶋政宏)
は、「エースを温存していた甲斐があった」と悦に入っていたが、初めからエースを使っておいた方が率が良いはず。野球じゃないんだから。まあ、ドラマ的には盛り上がるけれど。
④北見が玲子を殺そうとしたのは、わざわざ自ら尻尾を出したようなモノ。ガンテツと菊田が、組織の正体に近づいてはいたが、それには気づいておらず、真相に到達しそうな玲子を始末すれば、大丈夫と思ったのだろう。捕まるという危機感は全くなかった。
 保身を図るとしたら、まずFを始末すべきだと思うが、Fを神格視していたからか?
⑤ガンテツのキャラが登場時とドラマ終盤では別人?

 30%の期待と70%の疑念を抱かせるプレドラマであった。



【ストーリー】~番組サイト(2011年)より~ (非常に詳しいです)

捜査一課の姫川玲子警部補(竹内結子)が監察医の國奥定之助(津川雅彦)に相談をしていると、姫川の携帯が鳴った。現場の元水公園に直行すると、部下の菊田和男巡査部長(西島秀俊)や大塚真二(桐谷健太)らがいた。植え込みの上にブルーシートの包みがあり、遺体が入っており、ヒモで6ヶ所、ガッチリ結んであった。「玲子ちゃん!」という声が聞こえ、振り向くと、かつて世田谷の帳場でコンビを組んだ井岡がいた。井岡博満巡査長(生瀬勝久)は所轄の署に異動となっていた。井岡と同じ署の北見昇(林遣都)も姫川にあいさつをする。

捜査本部会議室。今泉春男係長(嶋政宏)によると、被害者の死亡推定時刻は一昨日の午後7時から10時で、切創は下顎骨左下から咽頭上部に抜ける形で一直線、胸には食い込むように多数のガラスの破片が刺さっており、みぞおちから股関節に達する切創は死後につけられたものだという。

班長の姫川は菊田がデスクであると、今泉係長から告げられ、不満を爆発させる。夜、姫川が居酒屋で部下たちと飲んでいると、北見が東大出のキャリアで、新米にして警部補、父親は第三方面本部長の北見克好だという話で盛り上がる。大塚は北見がキャリアだと知らず、タメ口をきいていたことを恥じる。

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翌日。被害者が歯形から、事務機器リース会社、大上商会社員の金原太一(34)と判明する。大上商会で部下の小沢が相手にされないような大企業に次から次へと営業をかけ、むちゃをするようになったという。金原の妻によると、金原は先月の第二日曜日より前から、毎月第二日曜日の夕刻から深夜近くにかけて外出をしていたそうだ。

姫川は橋爪管理官に「ホシが殺害後に腹部を切り裂いた理由がわかりました」と詰め寄る。遺体を遺棄現場近くの 内溜に沈めるためだというのだ。ただ沈めただけでは、体内にガスがたまって浮力となり、時間が経てば水面に浮かぶが、腹部を切り裂けば、ガスはたまらず確実に沈められると力説する。さらに、姫川は、植え込みは遺体の受け渡し場所で、誰かが夜中に遺体を運び、別の誰かが明るくなる前に内溜に投棄する…と推理を披露する。そして、監察医の國奥から送ってもらった深沢康之という男の死体検案書を見せる。深沢は先月7月17日にネグレリアフォーレリという珍しい寄生アメーバに感染し死亡し, 感染したのは死亡の約1週間前で、7月の10日前後、第二日曜日も含まれている。深沢は保護観察中で、あの内溜で感染したことが濃厚だ。姫川は、深沢があえて内溜に入る必要があり、感染した、そして、内溜には腹部を切り裂かれた別の遺体が沈んでいるはずだと主張する。
.内溜を捜索するとブルーシートの包みが見つかった。首と腹部の切創は同じだった。だが、姫川の推測が正しかったことに異を唱えるものが現われた。姫川の天敵、“ガンテツ”こと、勝俣健作警部補(武田鉄矢)だ。勝俣は姫川の手法を非難し、姫川の忘れられない過去の傷に触れる。

内溜の遺体の身元が割れた。大手広告代理店・白広堂クリエイティブディレクター、滑川幸男(38)。滑川の後輩によると、一昨年にCM大賞をとった後、スランプ状態になっていたが、今年になってハイテンションになっていたという。さらには、今年に入って、滑川が毎月第二日曜日の夜、どこかに出かけていたことが判明する。

大塚が滑川の大学時代の友人から、今年の4月に滑川と会い、滑川が「ストロベリーナイト」がどうのこうのと言っていたのを思い出したという。大塚が怪しげな掲示板の書き込みを見ると、普通の検索では見つからない「ストロベリーナイト」という隠れたサイトがあって、本当に殺されている風の映像の後に、血文字で「ストロベリーナイト」と現われるというのだ。

「ストロベリーナイト」の意味とは?そして、「ストロベリーナイト」を巡り、さらなる被害者が…。「ストロベリーナイト」の真相に向け、火花を散らす姫川玲子と“ガンテツ”勝俣警部補。果たして、姫川は「ストロベリーナイト」の謎に迫り、事件を解決できるのか。そして、姫川が刑事となるきっかけとなった心の傷とは…?
コメント (2)
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