英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ストロベリーナイト』 第4話「過ぎた正義」

2012-02-03 17:25:08 | ドラマ・映画
 今回は、少年法や心神喪失などによる責任能力の無いことによる無罪や刑の軽減に関する不条理が根底にある。
 ただ、これをテーマとするのなら、姫川班が事件を「こんな美味しいヤマ」と表現したことに、どうしても引っ掛かりを感じてしまう。

 それはさておき、今回も前後編モノ。どうも、この前後編モノというのは、ストーリー展開のバランスが難しい。前ストーリーは、前編で解決したかのように見せかけて、実は違っていたというパターンで、無理やり誤った捜査をさせたという点、フェアに情報を開示したため真犯人が見え見えで、後編が間延びしてしまったとういう欠点が出てしまった。かと言って、後編に新たな新事実をどんどん出していくのも、後出しジャンケンで騙された気分になってしまう。
 そして、今回のように、導入部分を丁寧に描いて全容を明らかにしないで、後編に持ち込むパターン。この方が、トータルで見た場合、面白いと思うが、どうしても前編は物足りなくなってしまう。

 今回は、3ヶ月前にさかのぼり、時間の経過や姫川班の動きなどを丁寧に描かれていた。特に、なんども少年刑務所に足を運ぶ玲子(竹内結子)であるが、うまく『右では殴らない』事件の右手のけがを見せられ、ニヤリとしてしまった。
 とは言え、なかなか進展にはじれったさを感じてしまった。ただ、その経過の中で、葉山(小出恵介)の刑事としての背景を描いていたのは上手いと思った。
 事件(ストーリー)全体については、後編を待つとして、感じたことを少々。

①やはり、勘で捜査する玲子
 以前も書いたが、「勘」を馬鹿にしてはいけない。長年の仕事や行動の積み重ねによって形成される勘は、かなり信用できるものだと思う。もちろん、その仕事や行動自体が正しいものでなければならないという条件がつく。
 ただ、玲子の場合、「勘」ではなく「直感」といったほうがよい場合が多いような気がする。國奥(津川雅彦)から提示された不審死(交通事故死が不審死と言うのも抵抗があるが)に事件性を感じたのはともかく、倉田修二(杉本哲太)が純粋な正義のためだけに、3人を殺したんじゃなく、自分を追い詰めるために3人を殺した。自分の手で罪を犯した息子に罰を与える決心が鈍らないためだったという根拠が全く示されず、非常に疑問を感じてしまった。
 角で立ち止まる倉田を見た時に「一度でも会ってしまったら、息子を許してしまうから面会しなかった」と確信するなんて、玲子はサイコトメラーなのかと思ってしまった。

②いつの間にか主任を認めていた……いつの間にかって?
 主任が女性であることに不満を持つ葉山に対し「でも、いつのまにか俺は、主任のこと認めちゃってたんだよなぁ・・」と菊田(西島秀俊)は語るが、「いつの間にか」って何だよ?なにか、はっきりとしたきっかけがあるんじゃない、普通。

③ガンテツ(武田鉄矢)、あんたも似たようなもんだろ!
「倉田みたいな野郎とは、俺は関わりになりたくねぇ。アイツはいかれちまってる。被疑者の口の中に撃鉄起こした拳銃突っ込むような奴だ。おまけに、しゃらっとした顔して、「人殺しは原則、死刑でいいですよね?」なんてほざきやがる」
 倉田について語るガンテツだが、人の事は言えないだろう、あんたも!

④倉田の息子の事件について何も情報がないのは、後出しジャンケンぽい
 なんで調べないんだろう?

【ストーリー】番組サイトより
姫川玲子(竹内結子)は在庁勤務時、少年刑務所をたびたび訪れていた。目的は、収監されている英樹(石黒英雄)と面会することと、彼の父、倉田修二(杉本哲太)に会うこと。何回目かの訪問時、英樹には相変わらず面会を断られたものの、帰り道に倉田と接触する…。

3か月前、玲子は監察医の國奥定之助(津川雅彦)から一通の手紙とファイルを受け取る。ファイルには連続した2件の不審死が報告され、國奥は事件性を疑っていた。1人目は女子高校生を監禁殺害して捕まったが心神喪失で無罪となった男で、交通事故で死亡。2人目は女子児童暴行殺人で捕まり2年で出所した男。こちらは薬物中毒での死亡が報告されている。その時、事件発生の連絡が入った。


アパートで老人が刺されて死亡。姫川班は3人の少年を逮捕する。事件は解決したが、少年たちが短い刑期で社会に戻ってしまうことを憂慮する刑事たち。玲子は國奥のファイルが気にかかり、死亡した男たちの周辺を調べ始める。すると心神喪失で無罪になった男は、図書館で精神疾患の知識を得ていたことが判明。薬物中毒死した男は、出所後すぐに少女を暴行しようとしていたことが分かった。

玲子たちは軽い刑で出所あるいは無罪となった者たちの近辺を追跡。そんな中、今度は女子中学生を監禁殺害したが2年で出所した男が転落死。共通点を探る姫川班は3人が同じ捜査員、倉田修二に逮捕されていることを突き止めた。

玲子はガンテツ=勝俣健作(武田鉄矢)に倉田のことを聞く。ガンテツは、倉田と一緒に捜査をしたことがあった。すると、ガンテツは倉田とは関わりたくないと言い出す。被疑者の口に銃口を突っ込んだこともあるらしい。また、倉田は、人ひとり殺したら原則死刑で良いと平気で口にしたと、ガンテツも毛嫌いしていた。また、玲子はガンテツから倉田の息子、英樹が人を殺してしまったことも教えられる。


英樹の事件を調べ始めた玲子は、さらに悲しい出来事を知ることになった。なんと倉田の妻が、英樹が殺害した娘の父親に殺されていたのだ…。

こうして捜査の傍ら、少年刑務所を訪ねて3か月。ようやく、玲子は倉田と会うことが出来たのだ。3件の不審死について玲子は倉田に意見を求める。自分が疑われていることを感じる倉田だが、証拠がないことを理由に取り合わない。だが、玲子は殺害の動機を引き合いに出す。全ては殺人を犯した英樹に罰を与える決心を鈍らせないために行った犯行ではないかと。倉田は、真っ向から否定はしなかったが…。玲子が今泉春男(高嶋政宏)からの事件発生の連絡を受けていると、倉田は去って行ってしまう。
コメント (8)
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