英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ストロベリーナイト』 第8話「悪しき実2」

2012-02-29 13:42:45 | ドラマ・映画
「確信」ではなく「確証」を挙げろ
 今回のエピソードのひとつのテーマである。

 玲子(竹内結子)は直感重視でそれに突き進む捜査、日下(遠藤憲一)はすべての事象を調べ上げその事実を総合的に考え結論を導き出す捜査。前回(前編)では、互いに認め合っているフシや、逆を実行するような傾向が見られたが、今回は真っ向から対立。
 対立と言っても、日下は玲子の手腕を認めつつ、その捜査方法の危険性を危惧している大人の態度、対して玲子は「大嫌い」という感情剥き出し。日下に言い負かされて、部下の前であれまくる始末でお嬢様っぷり。さらに、屋上で騎士・菊田(西島秀俊)に慰められるお姫様ぶり。


 事件の真相は、ほぼ先週の予想通り。細部については暴力団の背景は日下が補足、岸谷(松田賢二)の心情については美津代(木村多江)の告白で補完。
 岸谷と美津代の心の機微については、半身の死後硬直の差から玲子が推測したぐらいで、ほとんどは美津代の告白のみ。まあ、この二人の心情とそれを玲子が聞き出すのがこの話の見せ場だと(無理やり)思えば(木村多江さんだし)、仕方がないと思うが、ほぼ予想通りの真相で2週間またがられるのは、つまらなかった。

★「確信」ではなく「確証」を挙げろ!と言われたのに
 玲子は「確信」と言い切るだけの確証がない。つまり、調べてないと日下に指摘されていたが、まさにその通りである。
 玲子が(推理以外で)捜査したことと言えば、美津代の告白を引き出したことと、美津代の居所を「勘(直感)」と「運」だけで突き止めたことだけ。
 写真の秘密は現場資料の鬼と言われる林さんに聞いただけ。せめて、この部分を掘り下げてくれれば、見どころがあったと思うが……。
 玲子の考える「確証」というのは美津代の証言だけのようで、凶器の拳銃など、岸谷の犯行の証拠を挙げようとはしない。

 結局、被疑者死亡でこれ以上の捜査はしないということらしいが、未解決の9件の殺人はどうなるのだろうか?それらを立件するのが玲子の使命だと思うのだが。
 岸谷の犯行を立証しても、被疑者死亡で不起訴になるらしいが、起訴できなくても、立件しなければ、過去の未解決事件は宙ぶらりんのまま。被害者や被害者の遺族が浮かばれない。

★悩める日下
「あいつは明らかに俺を嫌っている。その理由が分からん。判断するにも、その材料がない」
 いえ、日下さん、あれだけ理詰めで正論で言い負かせば、そりゃ嫌われますよ。

★「悪しき身」
樒(しきみ)……常緑小高木・高さは2m~10m、杖や葉を切ると一種の香気がある。本州、四国、九州、沖縄、台湾、中国に分布する。この木の皮や葉を乾燥し粉末にしたものを仏前の焼香や線香等に用いる。抹香臭いという言葉はこのシキミの香りの事でぁる.仏前や墓に木を供え、寺院の境内等にも植えられ、「コゥノキ、(香ノ木)」、「ハナノキ」と呼ばれるが、これは花が美しいのではなく、墓前や仏前に供花するからで、上代から日本人の 間で親しまれてきた木である。 
  果実には毒成分があり、和名の「シキミ」は悪しき 実の意味で“ア”が略され「シキミ」になったと言われている。材は念珠、洋傘の柄、寄木、木象験に使用される。
 3月から4月にかけ、直径3cm前後の淡黄色の花を葉のつけ根につける。果実は袋果で扁平で2~2・5cmになる。外部柔かく秋に熱してそれぞれ内側から裂開し黄褐色で光沢のある種子を勢いよくはじき出す。

              『百話@木のこかげ』より

【疑問点】
①長時間添い寝したのなら、その痕跡は残ると思うが、ここはスルーしないとドラマにならない。
②未解決の事件が今回の他に9件。これがすべて射殺だとしたら、今まで捕まらなかったのが不思議である。拳銃が凶器だと、なおさら足がつきやすいし。
 


【ストーリー】(番組サイトより)
姫川玲子(竹内結子)は、岸谷清次(松田賢二)の私書箱にあった写真を特設現場資料室で照会。春川美津代(木村多江)以外、13枚の写真に映る人物はいずれも射殺された暴力団関係者であることを知る。アパートに残されていた13個の木片と併せて、岸谷が殺し屋であったと踏んだ玲子は、今泉春男係長(高嶋政宏)に暴力団組長連続射殺事件の捜査本部に加えて欲しいと頼む。しかし、今泉は証拠が薄いといぶかしむ。それでも玲子が食い下がっていると、話を聞いていた日下守(遠藤憲一)に確信ではなく確証がなければ捜査にならないと一蹴されてしまった。今泉からも推測ではなく、もう少しネタを埋めろと忠告され、玲子たち“姫川班”は連続射殺事件の捜査本部に加えてもらえなかった。

玲子は美津代の身柄を確保することを姫川班のメンバーに命令。また、私書箱にあった美津代の写真背景に注目し、その場所に行かせて欲しいと今泉に持ちかける。今泉は手ぶらで戻って来るなと、玲子を送り出した。

玲子は菊田と一緒に写真の温泉街へと向かい、間もなく美津代を探し当てるのだが…。
コメント (2)
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