英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『平清盛』 第8話「宋銭と内大臣」

2012-02-26 20:52:46 | ドラマ・映画
「そなたの料簡(了見)を知りたかっただけじゃ。これだけの証拠を突き付けられながら、ひるみもせず、詫びもせず、それどころか、法を罵り、浅はかな考えにて、国の仕組みを変えよと求める。
 私はこれより、そなたのようなものを粛正するべく、法を整え、政(まつりごと)を行う」(藤原頼長(山本耕史))
「言い返さなかったのではない。言い返せなかったのじゃ。言えば言うだけ、おのれの青臭さ、浅はかさを、思い知らされそうな気がして。何かを変えたいという思いだけでは動かぬこともある。
 あのような男とやり合うには、俺はまだまだ力が足りぬ」(平清盛(松山ケンイチ))
「(清盛の料簡を見極めるため)違いますな!たとえ、偽の院宣であったとしても、院は平氏をお咎めにはなりませぬ。今や、平氏の財は、院にとって欠くべからざるものです。それほどまでに院は、いや、王家は乱れ切っておる。それをあなた様は、見抜いておいでだ」(高階通憲(阿部サダヲ))


 この3人の言葉が、今回の内容を端的に表している。(3人を並べて挙げると、通憲も「星飛雄馬・花形満・左門豊作」の左門の様な立ち位置に思われるが、そうではなく、彼は常に、清盛の思想を具体的に表現したり、補足したりするために、脚本家に利用されているだけのよう)
 ライバル・頼長、登場!
 サブタイトルは「宋銭と内大臣」であるが、「宋銭」は貿易や商売を自由に行い民が潤い、生き生きとした面白き世の実現の清盛の思想の象徴で、「内大臣」は、貴族が潤う世の維持しようとするために、平氏やそういう思想を抹殺する頼長の粛清の意志を表している。
 ただ、「内大臣」というのは役職なので、「宋銭」とは対比させるのは、いまひとつピンとこない。
 それはともかく、頼長は、切れ者で手強く、清盛のライバルとして申し分がない。ライバルも光らないと主人公も輝かない。それにしても、証拠品を並べ、アリバイを吟味する頼長、刑事ドラマみたいだ。

 今回の騒動、院宣を偽るのは、密貿易より大罪だと思うし、忠盛(中井貴一)や一族も迂闊で、更に、それを露見させてしまう清盛はもっと迂闊。
 ただ、通憲が明かしたように、院内における平氏の実質的な権力は揺るがないものになっていたようだ。それに、頼長の言葉には、清盛の度量の大きさを認めているようなニュアンスも感じられる。

 あと、清盛が、急にやたら大人になって「何かを変えたいという思いだけでは動かぬこともある。あのような男とやり合うには、俺はまだまだ力が足りぬ」と謙虚なことを述べるのには、違和感を感じた。「言い返さなかったのではなく、言い返せなかったのじゃ」だけでいいように思う。


長男の奔放さのしわ寄せを喰らう次男
 長男が奔放な分、長男が担うべき責任や期待を背負わされてしまう家盛(大東駿介)は、素直で優しいだけに、気の毒だった。

帝にもモテル、モテ男
 文武両道の男前の佐藤義清(藤木直人)、帝(井浦新)の寵愛も受け、ヤキモチまでされてしまう

そのころ、もう一人のライバルは?
 父に心配を掛けない為、見栄(嘘)の手紙を読むだけ(実質、台詞なし)、その分、「ひとりコント」の由良御前(田中麗奈)が奮闘……と、父が申しております!

今週の璋子(檀れい)VS得子(松雪泰子)
 璋子の好きな水仙を菊に植え替えさせた得子。しかし、もともと水仙と菊では、咲く時期が違うのでは?

【ストーリー】(番組サイトより)
 保延2年(1136年)、宋から運ばれてきた貴重な品々が並ぶ博多の市に清盛(松山ケンイチ)たちはやってきた。
 大宰府を通さなければならないはずの宋との取り引きが自由に行われていることに驚く清盛。
 家貞(中村梅雀)は忠盛(中井貴一)が朝廷を通さず密貿易をしていることを清盛に明かす。
 一方、藤原忠実(國村隼)の次男・藤原頼長(山本耕史)は内大臣に昇格する。なにごとにも妥協をゆるさない頼長が内大臣となったことで、混乱した朝廷がさらにかき乱されていくことになる。頼長は、都の市で清盛の配下の海賊・兎丸(加藤浩次)が宋の品々を商売していることから平氏が密貿易をしているのではないかと見抜き、清盛を屋敷によびつける。頼長の問い詰めに清盛は、この国の仕組みが間違っている、と言い、宋銭を見せながら、豊かな宋を手本にするよう進言する。
コメント (2)
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