英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『平清盛』 第7話「光らない君」

2012-02-20 17:20:11 | ドラマ・映画
 「光らない君」と緩やかに時子(深田恭子)は称したが、「汚い」は言い過ぎかもしれないが「汚れた君」は言っても良いと思う。もう少し小奇麗にしたほうがいいぞ、清盛(松山ケンイチ)。

今回のメインは清盛の恋愛話。
 明子(加藤あい)には、一目で魅かれたようで、もう一度会いたいと神頼みをしていた。
 明子も清盛に悪くない印象を持ったよう。特に、海や船の話への食いつきは良かった。しかし、身分の違いと父の自分への思いを負担に感じ、清盛への思いを封じ込めた。
 明子の父・高階基章は格式の低く貧乏貴族だったようではあるが、平氏とは身分の差を感じさせるほど、平氏は武士ではありながら破格の出世をしていたらしい。
 武士と言っても、ドラマでは平氏と源氏しか出てこないが、当時はどのくらい武士がいてその身分はどのようなものであったか、また、貴族も身分の差があって、どのような暮らしぶりであったのか、番組の最後に解説して欲しい。名所や史跡の案内もいいけれど。

 清盛も明子の気を引こうと、親友?の佐藤義清(藤木直人)に歌の代筆(代作)を頼んだが、つれない返歌をもらう。
 返歌の内容が、やんわりとしかもすっぱりと切って捨てる内容で面白かった。こういう振られ方なら、あとくされがないかも。当時の貴族は生産活動をしないので、もっぱら故意の駆け引きをしていて、このくらいの返歌にはめげないものかもしれない。(最初はつれないそぶりをするものというのが、慣わしだったとも)
 清盛もめげず、自分らしく面と向かって心をぶつける。

「見くびるでないぞぉ!! 俺は、そなたと会うたとき、なんと清げなる女かと思うた! そなたの夕餉を食い、毎日食いたいと思うた! 海賊や唐船の話に目を輝かせているそなたを見て、生涯、俺のそばにいてほしいと思うた。
 俺は俺の心に従い、そなたを妻にしたいと申しておるのじゃ!」


 いいねえ、ストレートの真っ向勝負。女心は良く分からないけど、心にズシンと響くよね。身分や父の思いで作られた篭を、清盛の直球が打ち破って、明子の心は大海・大空に放たれたよう。海や船の話に魅かれたのも、解き放たれたかったからかもしれない。

 ところで、この時、清盛は何歳だったのか?海賊討伐の時が17歳だったようなので、20歳にはなっていなかったのだろう。非常に即決だったように感じるが、当時の平均寿命からすると若過ぎるということはなかったのかもしれない。
 演じる松山ケンイチの実年齢の関係もあるかもしれないが、主人公の年齢はドラマを観る上で大事な要素なので、明示して欲しい。


 一方、源氏物語の世界にあこがれる時子(深田恭子)は、便意を堪える清盛に最悪の印象を持つ。
 しかし、清盛の明子への一途なプロポーズを目の当たりにして、自分は恋にこがれていたけなのだと悟る。

璋子(檀れい)の犠牲者その2
 さすがに学習したらしく鳥羽上皇(三上博史)は璋子に近づかないご様子。その代わり、得子(松雪泰子)が血祭りにあげられていた。

明子との結婚は平氏一門に新たな波紋をもたらすらしい
 更なる出世を望む忠盛(中井貴一)であるが、清盛の気持ちを尊重し、明子との結婚を許す。しかし、その背中には落胆が漂っていた。
 忠盛の弟・忠正(豊原功補)は、兄の気持ちを思い、口には出さないが不満げにその場を立ち去る。他の家臣も複雑な表情。

文章をしゃべった!
 藤原家成(佐藤二朗)は清盛に格式ある家の娘の縁談を持ってきた。
 そうか、宗子(和久井映見)と従兄弟だったのか。台詞が短くて、何を考えているのか分からなかった彼だが、今回初めて文章を話したような気がする。

台詞と言えば、平維綱(尾美としのり)は……
「家盛(大東駿介)の守役として、彼の我慢する姿を見守る」という説明見出しが付いている彼だが、ほとんど台詞がない。と言うより、主題歌時の登場俳優の字幕で「尾美としのり」の名を見て、「尾美さん出るんだ?でも、どんな役?」と頭をひねる。彼が話しているシーンが記憶にないんだけど。好きな俳優さんだけに、ちょっと気の毒。
 「家盛の我慢する姿を見守る」とあるので、今後も台詞は少ないかも。

【ストーリー】(番組サイトより)
 犠牲は出したものの海賊を討伐した平氏一門。清盛(松山ケンイチ)の乳父・平盛康(佐戸井けん太)は亡くなったが、清盛は生前の盛康に、漁師出身の鱸丸(すずきまる:上川隆也)を養子にするよう頼んでいた。晴れて鱸丸は武士となり、平盛国と名乗ることとなった。
 源氏物語の世界にあこがれる貴族の娘・時子(深田恭子)は、琵琶の稽古に向かう途中も光源氏のようなすてきな男性との出会いを夢みる。そこで偶然、粗暴な清盛と最悪の出会いを果たす。この時はまだ、平家一門を担う夫婦になるとは、二人とも知る由もなかった。
 海賊退治の戦功で、清盛は従四位下の位を授けられたが、棟りょうである忠盛(中井貴一)は念願の公卿(くぎょう)にひきたてられなかった。御所に挨拶に出向いた清盛はその帰り道、雨でぬかるむ道で転んだ父子を助けた。下級貴族・高階基章(たかしなのもとあき:平田満)とその娘・明子(加藤あい)であった。基章はひとめで清盛のことが気に入り、娘を妻としてくれないかと申し出る。清盛はとまどいながらも明子に心を奪われていた。
 御所では得子(なりこ:松雪泰子)が鳥羽上皇(三上博史)の娘を産んだ。璋子(たまこ:檀れい)は周囲の思いをよそに、大量の産着(うぶぎ)を持って得子のもとへお祝いに行き、赤子を育てる苦労を語った。璋子の邪心のない悠然とした態度が許せない得子は、鳥羽上皇を「皇子を産みたい」とたずねる。
このころ、佐藤義清(のりきよ:藤木直人)は歌の才により、崇徳天皇(井浦新)からも一目置かれる存在になっていた。清盛は義清に明子のことを相談しようと訪ねるが、義清には既に妻がいると聞かされて驚く。
 一方、父の暴走にとまどう明子は、琵琶の弟子であり、親友の時子に相談すると、時子はまるで源氏物語の「明石の君」のような良縁と明子に進言、明子を連れて神社で縁結びを祈ろうとする。そこでふたりは、明子との再会を祈る清盛と出会う。時子は明子の相手が以前会った下品な男と知って落胆する。明子は思わず立ち去るが清盛は追いかけ、明子に海の話や大きな夢を語る。明子は清盛にひかれながらも身分違いの縁だと気後れしていた。
 そのころ、藤原家成(佐藤二朗)は宗子(和久井映見)をたずね、清盛に格式ある家の娘を嫁にとるよう勧めていた。家成はいとこである宗子が、血のつながらない清盛を育てる気苦労を案じていた。
 ある日、明子に清盛から文が届く。義清が清盛に代わって恋の歌を贈ったのだ。しかし明子から届いた返歌は断りの内容だった。あきらめきれない清盛は明子を訪ねて真意を問う。明子はこの身分違いの縁は、父のすがる住吉明神の力によるものにすぎないと改めて断った。しかし、清盛は明子への思いは自分自身の心によるものであると率直な思いを語った。明子はやがて涙とともに清盛を受け入れるのであった。
 清盛は忠盛の館に基章と明子を連れて行く。家格の違いから一門は結婚に反対するが、清盛の純粋な明子への思いを聞いた忠盛はふたりの結婚を認める。だが、この結婚は平氏一門に新たな波紋をもたらすのである。
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