英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

新谷仁美選手、引退

2014-02-02 10:05:25 | スポーツ
 新谷選手が引退した
 引退の記者会見は1月31日だったが、「引退」の報が流れたのは26日か27日だったと思う。「中井女流LPSA退会」「永井一郎さん死去」と相前後して知り、衝撃を受けた記憶がある。できれば、心変りして「引退」を「休養」に切り替えてくれないかと思ったが、彼女の性格から、それはないだろうと。

 彼女の引退については、「やはり」という感が強い。
 昨夏の世界選手権でメダルを取れなかった(5位)時のインタビューで、「メダルを取らなければ、プロである私の存在価値はない」という主旨のコメントをしており、その言葉やその表情を見て、≪やめちゃうんじゃないだろうか≫と感じた。
 【記者会見記事】(『中日新聞』・中日スポーツ「新谷仁美が現役引退を発表」記事より引用)
直接の原因はロンドン五輪後に患った右足足底筋膜炎だった。「手術をしても治るのは五分五分と言われ、そこで初めて(13年モスクワの)世界選手権にすべてを懸けようと思った」という。その世界選手権では9500メートルまでアフリカ勢を相手に先頭を走ったが、力走及ばず5位。“プロ意識”が強く「プロとしてメダルを取ることが使命だと思ったが取れず、プロとして失敗した以上ピリオドを打つしかないと思った」と決意を固めた。自身の決断については「やっとこの舞台から降りられると思った。手術してまで陸上を続けたいかと自分に問い掛けたら、すぐ返事は出た」と未練がないことを強調した。

 体脂肪率3.1%……極限にまで絞り込んだ肉体、
 1km3分3秒(1周73秒)ペース……アフリカ勢を振り落とし、且つ、自分が最も速く10000mを走ることができるペース

(参照:「2013世界陸上 その1「新谷無念、絶望のラスト1周」(2013年8月12日記事))

 悲壮感さえ感じさせる彼女の走りであった。
 極限の走りをするために、ぎりぎりまで体を絞り込み、過酷いや過酷という言葉さえ生易しく感じさせるようなトレーニングを積み重ね、これしかないというレース戦略を練り、そして、それをほぼ実行した。
 それにもかかわらず、5位に終わる。しかも、力の差を感じさせられたラスト1周……失意、絶望…………


 世界選手権からほぼ半年、考え抜いての結論であろう。
 女子長距離界は退潮傾向で、特にここ2、3年はそれが顕著になってきており、今回の新谷選手の引退で更に拍車がかかりそうだ。
コメント (2)
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