英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015~16 順位戦C級1組最終局 ……≪この投了図は、ないんじゃない?≫と思ったが…「その2」

2016-05-08 22:53:50 | 将棋
「その1」の続きです。

浦野八段の順位戦での戦いぶりを振り返ろう。
第1戦 対金井恒太五段戦

 6手目の浦野八段の△3三角に、金井五段が▲同角成と反応。△3三同金と阪田流向かい飛車模様から、▲6八玉に△6五角と筋違い角を放った局面。
 このように、浦野八段は力戦型、手将棋に持ち込む手法を多用しているようだ。

 お互い手探りの難解な戦いが続き、

 後手玉のコビンを狙う先手に対し、飛車角を軸に8、9筋を突破を目指し△8六歩と突き、いよいよ険しさが増す。
 この手を境に、8筋を中心に左辺が主戦場となり、攻め込む後手・浦野八段に対し、強く応戦する先手・金井五段の図式となった。


 ここが、ポイントの一つとなった局面。
 第3図では、△8七ととすれば後手有望だったようだ。▲8七同金△9九香成▲同飛△8七角成▲9一飛成△9二金▲8二竜△同金▲4一飛△5一香が一例。
 実戦は△8八と▲同金△7六桂▲5七玉△8八桂成▲同飛△8七歩▲8九飛△9九香成▲同飛△5六香▲同銀△同角▲8五香△9八歩▲同飛△8九角成▲8二香成△9八馬と進む。
 飛車が振り替わったが、この取り引きは先手に利がありそう。

 さらに少し進んで第4図。

 この少し前の▲3一飛が▲7一角までの1手詰と4四の金取りを見た手。後手は先手玉を攻めて形を決めると同時に、合駒を強要し持駒を消費させてから5二の金を4二に寄せて詰めろを外した(5二に玉を逃げる余地を作った)ところ。
 ただ、これでは手順に▲3一飛成と銀を取らせ、更に4二の金取りとなってしまう。窮余の一着か?
 第4図以下、▲5一角△4二玉▲3一飛成と進み後手玉の命は風前の灯と思われた。
 △4一金打!

……受けながら角の入手を図り、後の△1五角に望みをつなぐ。
 図以下、▲4二角成△同金▲4五歩(詰めろ)△1五角▲2六歩△同角▲6八玉(▲4八金打が手堅かった)と進む。

 ここで、実戦は△4七銀不成としたが、素直に▲同金と応じられ、△2八龍の追撃には▲6九玉と引かれて、先手玉に詰みはなく、後手玉には詰めろが残っており、あとは一手一手となった。
 第6図では、△6七香▲7八玉△4五金とすれば、先手の勝ちではあるが、相当難解であったらしい。


 終局時刻は0時49分。消費時間は▲金井五段5時間58分、△浦野八段5時間59分。

 こんなに詳細に書くつもりはなかったのですが……(需要はあるのでしょうか?)
「その3」に続く。
コメント
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