英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015~16 順位戦C級1組最終局 ……≪この投了図は、ないんじゃない?≫と思ったが…「その1」

2016-05-07 22:35:50 | 将棋

 20時7分、浦野八段が投了し、中村のB級2組への昇級が決まった。


 最終局を前に、昇級争いは8勝1敗の中村太地六段(2位)、斎藤慎太郎六段(9位)、北島忠雄七段(31位)と7勝2敗の船江恒平五段(6位)の4棋士に絞られていた。記述した順に有力で、50歳の北島七段がここまで8勝1敗は“大健闘”だが、中村六段と斎藤六段の両棋士に勝たれてしまうと、北島七段は勝っても昇級ならずという状況であった。
 しかし、午後8時7分という早い時刻の決着で、昇級枠のひとつがあっさりと決定してしまった。
 早い投了時刻もさることながら、本格的な戦いが繰り広げられることもなく、銀桂両取りの飛車打ちが炸裂しての42手の投了は、あまりにも不甲斐ないと感じた。これでは、天運を信じて必死に戦っている北島七段が気の毒だ……
 そういう怒りに近い感情で記事を書き始めたが、そんな短絡的なものではなかった。



 この将棋、先手の浦野八段が奇策を用いた。
 これまでも、浦野八段が力戦や手将棋に持ち込むが、それが空振りに終わって大差で敗れるという将棋を何回か観た記憶があり、この将棋も“一発狙い”の奇策が失敗し、あっさり土俵を割ったのではないかと思った。
 42手の短手数、終了時刻も早い……しかし、よく見ると、消費時間は▲浦野5時間4分、△中村3時間2分、浦野八段の残り時間は1時間を切っている。第1図の▲9七角にも1時間6分考えている。
 これは、“淡泊な指し方”と決めつけるのは早計かもしれない。そこで、浦野八段のこの期の将棋を並べてみた。

「その2」に続く
コメント
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