絶対に勝ちたい一戦の対韓国戦、1-3で落としてしまった。
26-28、17-25、25-17、19-25
競った第1セットを落とし、第2セットは終盤は完全に崩れ、第3セットは奪ったものの、第4セットは韓国に圧倒されてしまった。
このゲームの流れだけ見ると、力負けしたように思えるが、勝てた試合だったように思う。
采配さえよければ……
疑問の采配
1.木村負傷時の対応
第1セットは絶好の出だしだった。
キム・ヨンギョンを島村がブロック、さらに、古賀がスパイクを2本決め、3-0。この間、キム・ヨンギョンのスパイクを決めさせなかった。
その後、荒木のブロックが決まり、6-2と快調。しかし……
この荒木のブロックしたボールが横で手を伸ばしていた木村の右手小指を直撃。伸ばした小指にほぼ垂直(やや後ろ)にぶつかり、その指を捻じ曲げながらボールは韓国コートに落ちた。木村の顔が一瞬歪んだが、チームメートに心配を掛けまいと平気な顔をするが、かなり指を気にしていた。
ここで、劣勢になった韓国がタイムアウト。良いタイミングでタイムアウトを取ってくれたと思ったのだが、眞鍋監督は……
「ミウ(長岡)、後ろ頑張って。来るよ必ず、ディフェンス、ディフェンス。
……沈黙………。 ……沈黙………。 ……沈黙………。(9秒間の沈黙)
さあ、もう一回攻めるぞ。もう一回行くよ」
木村の手の様子を確かめるどころか、異変に気づいてもいない様子。
この後、ベンチレポートの大林素子氏が、
「チームドクターに氷を要求していたが、テーピングを巻かないので、とりあえず今は、大丈夫みたいです」
テーピングする時間の余裕はないと思うが……。実況は少なくとも4度「左手の小指」と言っていたし……
タイムアウト明け、ラリーになり、木村のオーバーハンドトスを長岡がブロックアウトを取り、7-2。かなり距離のあるオーバーハンドトスを綺麗にあげていたので、大丈夫かなとも思ったが……
古賀のサーブがオーバーし、7-3。その次のプレーで、不十分なトスをプッシュアタックがアウトとなり、7-4。(ここで、大林氏の「ベンチでは8点取ったらテーピングする準備ができています」というレポート)
さらに、キム・ヒジンがノータッチのサービスエースで7-5。
そして、次のプレーで、木村がスパイクを決め、ようやくテクニカルタイムアウト(8-5)。
眞鍋監督は木村に声を掛けることなく、攻撃の指示を与え掛けるシーンで、コマーシャル挿入。
タイムアウトの際、テーピングは行わず、木村はそのままコートに。
韓国のアウトオブポジションで日本の得点、9-5。
荒木のサーブミスで、9-6。
ラリー後、キム・ヨンギョンがスパイクを決め、9-7。
木村のスパイクがブロックに掛かり、9-8。
ラリー中、韓国のダブルコンタクトがあり、10-8。
韓国のヤン・ヒョジンが決め、10-9。
キム・ヨンギョンのスパイクで10-10……ついに追いつかれてしまった。
この後、木村は普通にプレーをするが、やや精彩を欠いた。
一進一退の攻防が続く。日本は長岡のスパイク、チームのレシーブ力。韓国はスパイクサーブと要所でキム・ヨンギョンが決める。
韓国リードの場面もあったが、どちらかというと、日本が得点を先行。終盤は、日本23-22韓国、23-23、24-23、24-24、25-24、25-25、26-25と経過。セットポイントを迎えるが、あと1点が取れない(サイドアウトは長岡の快打で取るが)。
26-26。古賀のスパイクが拾われ、キム・ヨンギョンがブロックの上から叩き込まれ、逆にセットポイントが韓国に。
ここで、眞鍋監督、タイムアウト。(遅いよ)
「いいよいいよ、次次次次、気合入れて。行くよ行くよ……さあ行くよ、もっとフォロー入れよう。行くぞ、集中集中集中集中。ここからここから…」
26-27、韓国のサーブ。サーブレシーブがAパスになり、セッター・宮下はバックセンターの長岡のバックアタックにトスを託す。
長岡、渾身のスパイクだが、これを待ち構えていた韓国のブロックがシャットアウト。26-28。韓国が逆転で第1セットを奪った。
大林氏のテーピング云々のレポートが入ったのが7-4の時だったので、韓国がタイムアウトを取った時に木村が指を痛めたことは把握したのではないだろうか?
だとしたら、木村がオーバーハンドトスを上げたプレーで7-2となった時に、タイムアウトを取って状態の確認をすべきだった。そして、故障の程度に係わらず、ベンチに下げ治療をするか、休ませるなどして、悪化を防ぐのが第一である。
木村を出し続けたため、他のメンバーは木村の状態が気になったり、不安を感じてしまったのではないだろうか?セッターの宮下も、木村にトスを上げるか迷ったはずだ。
ポジションによるフォーメーション・システムの関係もあるかもしれないが、石井や迫田が好調なので、交代させてもよかったはずだ。
それにしても、眞鍋監督はセットを通じて木村の怪我を気に掛けなかった。真っ先に異常に気付かなければならないのに。
韓国は立ち上がりミスも多く、キム・ヨンギョンのスパイクも不安定だった。7-2の時点で、チームのプレーのレベルを下げなかったら、少なくとも第1セットは取れたはずだ。
2.タイムアウトの監督の指示
(もしかしたら、CM挿入時に的確な指示をしているかもしれないが)ほとんど何も指示していないような気がするが……
第1セット、最終盤のタイムアウトでさえも、ほとんど、精神面のことだった。
サーブレシーブの指示(誰がどこまでカバーするか)、Aパスが上がった時は誰を使うか、サーブレシーブが乱れた時は誰を使うかとか、指示があってもいいはずだが。
それに、最終盤にタイムアウトを取るなら、セットポイントを握っている時に、誰をサーブで狙うか、誰をマークしてブロックを跳ぶかなど、指示できないものなのか。
3.選手の起用法
故障した木村の起用の他にも、不調の古賀(ワールドカップで活躍できたのはノーマークだった可能性もある)のスタメン起用……迫田や石井、あるいは山口の起用(フォーメーション的な点で難しいのかもしれないが)
鍋谷の長時間の起用も疑問。確かに、鍋谷が1点目を決め、怖いほど気合の入ったガッツポーズは沈滞ムードを一転させた。(第3セットは、木村と古賀をベンチに下げ、石井と鍋谷を起用)
しかし、良いトスが上がった時しか決められないので、長くプレーをさせる選手ではない。一歩譲って第3セットは良いとして、第4セットも起用したのは納得できない。
迫田の起用についても疑問。
第3セットは、長岡のピンチサーバーとしてのみ。第4セットも、そのパターンでの起用だったが、ラリーになり、迫田がバックアタックを決めたので、そのまま起用し続けた。その後もバックアタックが決まったので、前衛に回ってきても、迫田をコートに出し続けた。
迫田も好調で、長岡に匹敵する活躍をしたが、長岡と迫田が同時にコート上にいたら、もっと強力な攻撃陣になったはずだ
個々のプレーで気になったこと
1.キム・ヒジンのスパイクサーブにやられた
強力なサーブだった。それにしても、リベロの佐藤はスパイクサーブが苦手だ。
その他のサーブでも乱され、課題が残った。
2.サーブが弱かった
逆に、日本がサーブで韓国を崩すシーンがほとんどなく、連続ポイントが少なく、ゲームの主導権を奪えなかった。
荒木と古賀のサーブミスが目立った。本来良いはずの島村、宮下のサーブで崩せなかった。迫田のサーブが一番効いていた。
3.その他
・第4セット、宮下のトスが不安定だった。
・日本のレシーブはここまで対戦したチームの中では最高。
強打に対するレシーブ、シャットアウトを食らったスパイクのフォローや、難しいこぼれ球を繋ぐプレーは見事だった。
レシーバーとしてプレーする座安のレシーブも素晴らしかった。
韓国に敗れたのは悔しくて、痛い黒星だったが、気持ちを切り替えて、残る4戦戦って欲しい。
26-28、17-25、25-17、19-25
競った第1セットを落とし、第2セットは終盤は完全に崩れ、第3セットは奪ったものの、第4セットは韓国に圧倒されてしまった。
このゲームの流れだけ見ると、力負けしたように思えるが、勝てた試合だったように思う。
采配さえよければ……
疑問の采配
1.木村負傷時の対応
第1セットは絶好の出だしだった。
キム・ヨンギョンを島村がブロック、さらに、古賀がスパイクを2本決め、3-0。この間、キム・ヨンギョンのスパイクを決めさせなかった。
その後、荒木のブロックが決まり、6-2と快調。しかし……
この荒木のブロックしたボールが横で手を伸ばしていた木村の右手小指を直撃。伸ばした小指にほぼ垂直(やや後ろ)にぶつかり、その指を捻じ曲げながらボールは韓国コートに落ちた。木村の顔が一瞬歪んだが、チームメートに心配を掛けまいと平気な顔をするが、かなり指を気にしていた。
ここで、劣勢になった韓国がタイムアウト。良いタイミングでタイムアウトを取ってくれたと思ったのだが、眞鍋監督は……
「ミウ(長岡)、後ろ頑張って。来るよ必ず、ディフェンス、ディフェンス。
……沈黙………。 ……沈黙………。 ……沈黙………。(9秒間の沈黙)
さあ、もう一回攻めるぞ。もう一回行くよ」
木村の手の様子を確かめるどころか、異変に気づいてもいない様子。
この後、ベンチレポートの大林素子氏が、
「チームドクターに氷を要求していたが、テーピングを巻かないので、とりあえず今は、大丈夫みたいです」
テーピングする時間の余裕はないと思うが……。実況は少なくとも4度「左手の小指」と言っていたし……
タイムアウト明け、ラリーになり、木村のオーバーハンドトスを長岡がブロックアウトを取り、7-2。かなり距離のあるオーバーハンドトスを綺麗にあげていたので、大丈夫かなとも思ったが……
古賀のサーブがオーバーし、7-3。その次のプレーで、不十分なトスをプッシュアタックがアウトとなり、7-4。(ここで、大林氏の「ベンチでは8点取ったらテーピングする準備ができています」というレポート)
さらに、キム・ヒジンがノータッチのサービスエースで7-5。
そして、次のプレーで、木村がスパイクを決め、ようやくテクニカルタイムアウト(8-5)。
眞鍋監督は木村に声を掛けることなく、攻撃の指示を与え掛けるシーンで、コマーシャル挿入。
タイムアウトの際、テーピングは行わず、木村はそのままコートに。
韓国のアウトオブポジションで日本の得点、9-5。
荒木のサーブミスで、9-6。
ラリー後、キム・ヨンギョンがスパイクを決め、9-7。
木村のスパイクがブロックに掛かり、9-8。
ラリー中、韓国のダブルコンタクトがあり、10-8。
韓国のヤン・ヒョジンが決め、10-9。
キム・ヨンギョンのスパイクで10-10……ついに追いつかれてしまった。
この後、木村は普通にプレーをするが、やや精彩を欠いた。
一進一退の攻防が続く。日本は長岡のスパイク、チームのレシーブ力。韓国はスパイクサーブと要所でキム・ヨンギョンが決める。
韓国リードの場面もあったが、どちらかというと、日本が得点を先行。終盤は、日本23-22韓国、23-23、24-23、24-24、25-24、25-25、26-25と経過。セットポイントを迎えるが、あと1点が取れない(サイドアウトは長岡の快打で取るが)。
26-26。古賀のスパイクが拾われ、キム・ヨンギョンがブロックの上から叩き込まれ、逆にセットポイントが韓国に。
ここで、眞鍋監督、タイムアウト。(遅いよ)
「いいよいいよ、次次次次、気合入れて。行くよ行くよ……さあ行くよ、もっとフォロー入れよう。行くぞ、集中集中集中集中。ここからここから…」
26-27、韓国のサーブ。サーブレシーブがAパスになり、セッター・宮下はバックセンターの長岡のバックアタックにトスを託す。
長岡、渾身のスパイクだが、これを待ち構えていた韓国のブロックがシャットアウト。26-28。韓国が逆転で第1セットを奪った。
大林氏のテーピング云々のレポートが入ったのが7-4の時だったので、韓国がタイムアウトを取った時に木村が指を痛めたことは把握したのではないだろうか?
だとしたら、木村がオーバーハンドトスを上げたプレーで7-2となった時に、タイムアウトを取って状態の確認をすべきだった。そして、故障の程度に係わらず、ベンチに下げ治療をするか、休ませるなどして、悪化を防ぐのが第一である。
木村を出し続けたため、他のメンバーは木村の状態が気になったり、不安を感じてしまったのではないだろうか?セッターの宮下も、木村にトスを上げるか迷ったはずだ。
ポジションによるフォーメーション・システムの関係もあるかもしれないが、石井や迫田が好調なので、交代させてもよかったはずだ。
それにしても、眞鍋監督はセットを通じて木村の怪我を気に掛けなかった。真っ先に異常に気付かなければならないのに。
韓国は立ち上がりミスも多く、キム・ヨンギョンのスパイクも不安定だった。7-2の時点で、チームのプレーのレベルを下げなかったら、少なくとも第1セットは取れたはずだ。
2.タイムアウトの監督の指示
(もしかしたら、CM挿入時に的確な指示をしているかもしれないが)ほとんど何も指示していないような気がするが……
第1セット、最終盤のタイムアウトでさえも、ほとんど、精神面のことだった。
サーブレシーブの指示(誰がどこまでカバーするか)、Aパスが上がった時は誰を使うか、サーブレシーブが乱れた時は誰を使うかとか、指示があってもいいはずだが。
それに、最終盤にタイムアウトを取るなら、セットポイントを握っている時に、誰をサーブで狙うか、誰をマークしてブロックを跳ぶかなど、指示できないものなのか。
3.選手の起用法
故障した木村の起用の他にも、不調の古賀(ワールドカップで活躍できたのはノーマークだった可能性もある)のスタメン起用……迫田や石井、あるいは山口の起用(フォーメーション的な点で難しいのかもしれないが)
鍋谷の長時間の起用も疑問。確かに、鍋谷が1点目を決め、怖いほど気合の入ったガッツポーズは沈滞ムードを一転させた。(第3セットは、木村と古賀をベンチに下げ、石井と鍋谷を起用)
しかし、良いトスが上がった時しか決められないので、長くプレーをさせる選手ではない。一歩譲って第3セットは良いとして、第4セットも起用したのは納得できない。
迫田の起用についても疑問。
第3セットは、長岡のピンチサーバーとしてのみ。第4セットも、そのパターンでの起用だったが、ラリーになり、迫田がバックアタックを決めたので、そのまま起用し続けた。その後もバックアタックが決まったので、前衛に回ってきても、迫田をコートに出し続けた。
迫田も好調で、長岡に匹敵する活躍をしたが、長岡と迫田が同時にコート上にいたら、もっと強力な攻撃陣になったはずだ
個々のプレーで気になったこと
1.キム・ヒジンのスパイクサーブにやられた
強力なサーブだった。それにしても、リベロの佐藤はスパイクサーブが苦手だ。
その他のサーブでも乱され、課題が残った。
2.サーブが弱かった
逆に、日本がサーブで韓国を崩すシーンがほとんどなく、連続ポイントが少なく、ゲームの主導権を奪えなかった。
荒木と古賀のサーブミスが目立った。本来良いはずの島村、宮下のサーブで崩せなかった。迫田のサーブが一番効いていた。
3.その他
・第4セット、宮下のトスが不安定だった。
・日本のレシーブはここまで対戦したチームの中では最高。
強打に対するレシーブ、シャットアウトを食らったスパイクのフォローや、難しいこぼれ球を繋ぐプレーは見事だった。
レシーバーとしてプレーする座安のレシーブも素晴らしかった。
韓国に敗れたのは悔しくて、痛い黒星だったが、気持ちを切り替えて、残る4戦戦って欲しい。