英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

世にも奇妙な物語「夜の声」

2017-10-19 22:40:12 | ドラマ・映画
 今回はパラレルワールド(並行世界)がテーマ。
 最後のストーリーについて考えてみる。

 
 主人公(藤原竜也)とその彼女の両者が望んだ生活、そして、選択した現実のズレがあり、悲劇が起こる。
 その悲劇の後、各々の選択を後悔する………
 ………最後に浮浪者仲間(小市慢太郎)が見たふたりの楽しそうな姿は、一体?………

 このラストシーン、どう解釈すればいいのだろうか?



主人公と彼女の気持ちを整理すると、

 主人公 非常な企業経営者……現実
     浮浪者生活……空気のように透明な存在(夢、現実逃避、安らぎ)→彼女と暮らすようになり、楽しい時間

 彼女  浮浪者のおじさんとの同居……幸せ
     社長秘書……おじさんに勧められたから(極言すれば“義務”)

ふたりの結婚生活は?
 主人公……「現実の裕福さ+ふたりの生活」なので楽しいはず
 彼女……あまり楽しくない、おじさんと一緒に居たい


 主人公にとって、浮浪者生活は休憩の場で、現実が主。現実の世界で彼女を幸せにしたい。彼女が慕うおじさんの正体は自分なのだから、彼女の恋心が満たされ、生活も金銭的に満たされるので、彼女は幸せになるはず。
 彼女にとっては、借金に追われて窃盗までしていたた生活に比べると夢のような金持ちになったが、おじさんがいない生活は楽しくない。社長夫人の生活は窮屈。彼女にとっては、おじさんとの生活が主だった。



【解釈・その1】
 現実的に考えると、社長を刺してしまった彼女はその罪を逃れる為、逃避行を続け、おじさんの棲家には近づかない。主人公は死亡したので、当然、棲家には行くことは出来ない。
 となると、仲間が見たのは幻。ふたりの楽しかった思いの残像。主人公の強い思いが籠もった手紙を持っていたので、その残像を見ることができた。

【解釈・その2】
 ≪社長夫人にならなければよかった≫、≪おじさんとずっと一緒にいればよかった≫……そんな後悔とおじさんに会いたいという強い思いが、おじさんと一緒に過ごすことを選択したパラレルワールドに迷い込んだ。そのパラレルワールドが一瞬だけ、こちらの世界と繋がり、主人公の強い思いが籠もった手紙を持っていた浮浪者仲間がそれを見た。

【解釈・その3】
 おじさんの≪彼女が好き≫、≪あの生活は楽しかった≫、さらに≪彼女を幸せにしたい≫という強い思いが、自分を刺してしまったことによる逃避行の彼女を、一緒に暮らしているというパラレルワールドに連れて行った。主人公の強い思いが籠もった手紙を持っていた浮浪者仲間がそれを見た。


 その3だといいなあ。
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相棒 season16 第1話(初回拡大スペシャル)「検察捜査」

2017-10-19 17:35:41 | ドラマ・映画
検察官・田臥(田辺誠一)が手強い!
(今回の感想は、この一言でもいいような気がする。あとの部分は……)

 鋭い観察眼を持ち、客観的に分析し、的確に判断し、緻密な策略で特命係を追い詰めていく。
 しかも、人当たりは良いが、冷静で心の内を明かさない。
 それでいて(今のところ)黒い部分はなさそうで、まっとうに職務を果たす。味方にすれば心強く、敵に回すと厄介である。


 この「特命係vs田臥・日下部」のエピソードは続くのだろうか?
 “平井(中村俊介)事件”は次回で終了するにしても、ゲスト扱いに成ってはいるが、再登場してほしいキャラである。


 この特命係包囲網は緊迫感と危機感があって面白かったが、田臥のキャラを立たせるため、平井事件が田臥の聴取による回想となってしまい、臨場感に欠けてしまった。重々しさ、ジワジワ感を出そうとしたせいか、ストーリー全体として冗長感が強かった(そういえば、前シーズンの初回も冗長感が強く、「退屈極まりなかった」と書いている。今回はそこまでではなかったが)。
 この特命係包囲網を敷くに当たって、関係者の特命係への評価や思惑が描かれていた。特命係の立ち位置の「おさらい」という意味もあったのかもしれない。

 そんなわけで、平井事件の描かれ方が残念なものとなり、せっかくの中村俊介が勿体なかった。
 捜一コンビに誘導されて、「取り調べの録音・録画拒否の上申書」を書かされたのも、平井のキャラとしては迂闊すぎであるし、意味深だった「脅迫に対する告訴」も腹立ちまぎれの行為だとしたら、「特命係vs田臥・日下部」を発動させるための脚本の便利キャラである(今のところ)。


 今回、なぜか中途半端な90分枠。先に述べた冗長感に加えて、完結しないモヤモヤ感が残る。
 完結しなかったため、現段階で判明している材料でレビューするのは書きづらい。
 残念な初回スペシャルであった。

 


【ストーリー】番組サイトより
連続殺人犯が右京と亘を脅迫罪で告訴
権力者の陰謀が特命係を追い詰める!


 自身の妻を相次いで殺害した連続殺人事件の容疑者である大富豪の平井(中村俊介)が、弁護士の慶子(中村ゆり)を通じて警視庁を告訴した。自分は無実で、右京(水谷豊)や亘(反町隆史)らの脅迫によって自供を迫られたというのだ。
 特命係に敵意を抱いている法務事務次官の日下部(榎木孝明)は、旧知の検察官・田臥(田辺誠一)に、東京地検で告訴状を受理するよう指示。狙いは、脅迫罪の立件ではなく、「特命係を違法捜査で立件する」というものだった。密命を受けた田臥は、特命係を訪れると共に、美彌子(仲間由紀恵)や幸子(鈴木杏樹)にまで事情を聞き、ジリジリと包囲網を狭めていく。
 いっぽう、その状況を知った副総監の衣笠(大杉漣)は、かねてから敵視している峯秋(石坂浩二)を、特命係もろとも葬り去ろうと謀略を巡らせていた。

特命係を潰すために動き出した権力者たち
組織内で孤立無援となった右京と亘は
包囲網をくぐり抜け、連続殺人事件の真相を解明できるのか!?


ゲスト:田辺誠一 中村俊介 中村ゆり 芦名星

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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羽生王座失冠に思う その4

2017-10-19 01:09:19 | 将棋
「その1」「その2」「その3」 の続きです。


 図は羽生王座が7八の金を6八に寄せて5筋に利かせたところだが、見た目同様、完全に受け切ってはいないようで、△3六角や△1四角や△4七角が厳しそう。さらに、△8四角の攻防手もある。やはり▲8四角と打ったほうが良かったのではないか……
 中村六段が長考に沈む……30分、40分………有力手がたくさんあり、比較しているのだろう。時間もたっぷりあり、ここは腰を据えて考えるところだろう。……
 ………1時間39分後に指された手は、上記のどの手でもなく△7一歩だった。


 局後の感想では「△8四角をやりたかったのですが」とある。
 △7一歩と埋めることにより、先手の▲7一飛を消している。やはり▲7一飛の飛車打ちは後手にとってはかなりの脅威で、その手を消しておいて次に攻めようという手だ。それに、飛車の王手による合駒(角か金か銀)を消費させられることもなくなった。
 しかし、▲6八金(完全な受けではないが5筋をカバー)と△7一歩(飛車打ちを消した)と互いに守りの手を指したが、どちらがより効果的なのかは微妙だが、2手前の局面と異なる点がある。それは先手の詰めろが一応解消されていること(かなり危険な状態ではあるが)。△7一歩は実戦的な手だが、最善手ではなかったようだ。

 ▲9五角と先手に攻めのターンが回ってきた。
 △7三銀に▲8二銀の追撃で、先手に風が吹いてきた感があるが、強く△9四歩と攻めの根元の9五の角を攻められると忙しい。先手玉が危うい状態なので、安易に角を切ることができない。角を逃げる余裕もなさそうだ。
 以下▲7一銀成と詰めろで迫るが、△4一玉とかわされて、継続手が難しい。

「以下▲2二桂成△同金▲2三歩成(▲3二銀からの詰めろ)に△3七角と打診する手がある。そこで▲3八玉なら△2六桂の王手で先手の飛車筋を止める」(棋譜中継解説より)←▲3八玉ではなく▲5八玉と逃げるのは、以下△2三金▲2四歩△2二金▲8六角△2八歩で先手が苦しい)

 戻って、▲8二銀のところ、巷(elmo)では▲5五銀で先手も頑張れると言われていたようだ。

 ▲5五銀は△5五同銀と取らせて(銀が先手玉から離れる)、その間に攻めようという手だ。しかし、放置して△4七角や、△3七角とか△4七金と決めてから△5五銀と手を戻される手もあり、どう指されてもやや苦しそうで、ちょっと指す気になれない。5五に銀を打つ発想さえ浮かばないかもしれない。“人の手”ではなく“コンピュータの手”である。

「その5」に続く)
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