初恋の女性、おたつを失い、悲しみ、荒み、復讐心に駆られる官兵衛
父・職隆、祖父・重隆から説教を受け、旅に出て見聞を広め、人間的に大きくなる
官兵衛の荒んだ心を表すイベントとして、櫛橋左京進の心無い言葉に掴み掛る官兵衛。番組サイトの人物相関図では、官兵衛に対して「反目」の関係が示されており、この関係は今後も続くらしいが、あまりな「憎まれ役」で気の毒。(信長の母・土田御前も、台詞が「お前は、鬼か」だけなので気の毒)
★父の教え(説教)
怒りはまた喜ぶべく
憤りはまた悦ぶべきも
亡国はまた存ずべからず
死者はまた生くべからず (「孫子」より)
………怒りや憤りが喜びに変わることはあっても、滅んだ国はもとに戻らず、死んだ者が生きかえることもない
「一時の怒りや憤りで戦を起こしてはならぬ。死んだ者が再び生き返ることもない」
(いくら悲しんでも死んだ者は生き返らない。だから、一時の怒りや憤りで戦を起こしてはならない)
★祖父の教え(説教)
おたつの覚悟を官兵衛に伝える。
怒りにまかせている官兵衛を諌め、さらに「戦って命を落とすなら、本望です」という官兵衛に
「たわけっ!命を無駄に使うものではない!お前は命の使い方を分かっておらぬ」
「あのおたつが、仇討を望んでいると思うか。
官兵衛、お前はまだ若い。世の中を知らぬ。
こんな小さな播磨が、世のすべてではないぞ。
世界は広い。己が何を成すべきか、世の中を視て、よおく考えるんじゃ」
そんな祖父の言葉を受けるかのように、
★堺への旅でいろいろ学ぶ
・荒木村重との出会い
・戦が悲しみを生み。悲しみが、更に憎しみを生み、新たな戦を生む。戦のもたらす悲惨さや、戦の空しさを知る。
・生き生きとした堺の街を目にする。しかし、その堺の栄華は、戦の道具を売って得られたものだった。(金さえもらえば、誰にでも一撃で人を殺せる鉄砲を売る)
・キリスト教の教えのひとつ「我が身を思うが如く、隣人を大切に思うのです。隣人を許し、自分のように慈しむのです。そうすれば、この世から争いはなくなるでしょう」
戦の空しさ、戦によって栄華を築く堺、そして、今まで考えもしなかった異国のキリスト教の教え(考え方)を知り、世界の広さを知り、怒りにまかせて仇を討とうとした自分の小ささ、愚かさを知った官兵衛であったというお話。
それと、次に記す竹中半兵衛や織田信長のエピソードも半兵衛、信長の人生観を上手に表現し、巧みな構成の一話だった。
☆竹中半兵衛の活躍と人間性
稲葉山城主・斎藤龍興の家臣の身で、謀反を起こし、城を乗っ取った。
しかし程なくして、半兵衛は美濃半国を与えるという信長の誘いを蹴り、追い落としたはずの主君にあっさり城を返してしまう
この際、信長は半兵衛を
「利に釣られ、城を譲るなら、それも良し、だが、
義に拘り、儂の誘いを断るなら、もっと面白い。
義に生きる男など、この乱世、めったに居らぬ」
と、評価。
半兵衛の意図は、酒色に溺れた龍興を諌めるためであった。
半兵衛の知略(信長が攻略に苦戦した稲葉山場を、たった17人で落とした)と人間性を表したエピソードであった。と同時に、信長の考え方を示すうまい脚本だった。
しかし、
「古びて世を成さず、腐りきったものすべてを叩き壊し、新たな世を創る。
それがワシの義だ」
の言葉はいただけない。「義」の解釈を変えてしまっては、先の言葉の意味が壊れてしまった。
それはともかく、このシーンで、信長は今話の官兵衛と対照的な言葉も言っていた。
義理の父・斎藤道三が裏切られ殺された無念晴らして欲しいいうお濃の言葉を
「仇討などくだらぬ」と一蹴。
☆要らない微妙な出演者への配慮
①「命の使い道」というタイトルは、内容にピッタリ合致していない。
父や祖父からの教えはいろいろあったが、その主軸は「戦の空しさを知り私怨で戦を起こす愚かさ、未知の世界の大きさに対して、私怨で動く自分の小ささ」である。
「命の使い道」は祖父・重隆役の竜雷太の台詞である。この回で退場する氏への配慮か?
②脈絡もなく会合衆の今井が織田信長が鉄砲を買い入れたという情報を話し、「今のこの堺の栄華が、戦の道具を売ることによって成り立っているのは、何とも因果なものですな」と木下藤吉郎の言葉も伝える。
本来なら、誰にでも鉄砲を売るという今井の態度から堺の栄華の裏にあるものを気づくべきである。これも、藤吉郎役の竹中直人氏への配慮では?と考えてしまう
☆ちょっとした疑問や感想
・「おたつは、私の腕の中で死んでいったのです。仇を討ってやらねば、おたつが……」
と、官兵衛は悔やんでいた。自分の腕の中で死んでいったからこそ、官兵衛の悲しみは大きくなったが、おたつにとっては、官兵衛に看取られて死ねたことは救いだったのではないだろうか
・会合衆のひとり、今井宗久を演じた小西さんだが、隠れ里の忍者の棟梁にしか見えない。肌の色、黒いし。
【ストーリー】番組サイトより
政略結婚の宴席を宿敵・赤松家が急襲し、官兵衛(岡田准一)はおたつ(南沢奈央)を失ってしまう。
怒りと絶望のあまり復しゅう心にかられる官兵衛だったが、祖父・重隆(竜雷太)に「命の使い道を考えろ」と諭される。
ふさぎこむ息子を見かねた職隆(もとたか・柴田恭兵)は、官兵衛を堺への旅に送り出す。その道中、官兵衛は荒木村重(田中哲司)という浪人に出会い、先進商業都市・堺を案内される。
一方、美濃では信長(江口洋介)が攻めあぐねていた稲葉山城に異変が起きていた。稲葉山城主・斎藤龍興の家臣、竹中半兵衛(谷原章介)が謀反を起こし、城を乗っ取ったのだ。
しかし程なくして、半兵衛は美濃半国を与えるという信長の誘いを蹴り、追い落としたはずの主君にあっさり城を返してしまう。
父・職隆、祖父・重隆から説教を受け、旅に出て見聞を広め、人間的に大きくなる
官兵衛の荒んだ心を表すイベントとして、櫛橋左京進の心無い言葉に掴み掛る官兵衛。番組サイトの人物相関図では、官兵衛に対して「反目」の関係が示されており、この関係は今後も続くらしいが、あまりな「憎まれ役」で気の毒。(信長の母・土田御前も、台詞が「お前は、鬼か」だけなので気の毒)
★父の教え(説教)
怒りはまた喜ぶべく
憤りはまた悦ぶべきも
亡国はまた存ずべからず
死者はまた生くべからず (「孫子」より)
………怒りや憤りが喜びに変わることはあっても、滅んだ国はもとに戻らず、死んだ者が生きかえることもない
「一時の怒りや憤りで戦を起こしてはならぬ。死んだ者が再び生き返ることもない」
(いくら悲しんでも死んだ者は生き返らない。だから、一時の怒りや憤りで戦を起こしてはならない)
★祖父の教え(説教)
おたつの覚悟を官兵衛に伝える。
怒りにまかせている官兵衛を諌め、さらに「戦って命を落とすなら、本望です」という官兵衛に
「たわけっ!命を無駄に使うものではない!お前は命の使い方を分かっておらぬ」
「あのおたつが、仇討を望んでいると思うか。
官兵衛、お前はまだ若い。世の中を知らぬ。
こんな小さな播磨が、世のすべてではないぞ。
世界は広い。己が何を成すべきか、世の中を視て、よおく考えるんじゃ」
そんな祖父の言葉を受けるかのように、
★堺への旅でいろいろ学ぶ
・荒木村重との出会い
・戦が悲しみを生み。悲しみが、更に憎しみを生み、新たな戦を生む。戦のもたらす悲惨さや、戦の空しさを知る。
・生き生きとした堺の街を目にする。しかし、その堺の栄華は、戦の道具を売って得られたものだった。(金さえもらえば、誰にでも一撃で人を殺せる鉄砲を売る)
・キリスト教の教えのひとつ「我が身を思うが如く、隣人を大切に思うのです。隣人を許し、自分のように慈しむのです。そうすれば、この世から争いはなくなるでしょう」
戦の空しさ、戦によって栄華を築く堺、そして、今まで考えもしなかった異国のキリスト教の教え(考え方)を知り、世界の広さを知り、怒りにまかせて仇を討とうとした自分の小ささ、愚かさを知った官兵衛であったというお話。
それと、次に記す竹中半兵衛や織田信長のエピソードも半兵衛、信長の人生観を上手に表現し、巧みな構成の一話だった。
☆竹中半兵衛の活躍と人間性
稲葉山城主・斎藤龍興の家臣の身で、謀反を起こし、城を乗っ取った。
しかし程なくして、半兵衛は美濃半国を与えるという信長の誘いを蹴り、追い落としたはずの主君にあっさり城を返してしまう
この際、信長は半兵衛を
「利に釣られ、城を譲るなら、それも良し、だが、
義に拘り、儂の誘いを断るなら、もっと面白い。
義に生きる男など、この乱世、めったに居らぬ」
と、評価。
半兵衛の意図は、酒色に溺れた龍興を諌めるためであった。
半兵衛の知略(信長が攻略に苦戦した稲葉山場を、たった17人で落とした)と人間性を表したエピソードであった。と同時に、信長の考え方を示すうまい脚本だった。
しかし、
「古びて世を成さず、腐りきったものすべてを叩き壊し、新たな世を創る。
それがワシの義だ」
の言葉はいただけない。「義」の解釈を変えてしまっては、先の言葉の意味が壊れてしまった。
それはともかく、このシーンで、信長は今話の官兵衛と対照的な言葉も言っていた。
義理の父・斎藤道三が裏切られ殺された無念晴らして欲しいいうお濃の言葉を
「仇討などくだらぬ」と一蹴。
☆要らない微妙な出演者への配慮
①「命の使い道」というタイトルは、内容にピッタリ合致していない。
父や祖父からの教えはいろいろあったが、その主軸は「戦の空しさを知り私怨で戦を起こす愚かさ、未知の世界の大きさに対して、私怨で動く自分の小ささ」である。
「命の使い道」は祖父・重隆役の竜雷太の台詞である。この回で退場する氏への配慮か?
②脈絡もなく会合衆の今井が織田信長が鉄砲を買い入れたという情報を話し、「今のこの堺の栄華が、戦の道具を売ることによって成り立っているのは、何とも因果なものですな」と木下藤吉郎の言葉も伝える。
本来なら、誰にでも鉄砲を売るという今井の態度から堺の栄華の裏にあるものを気づくべきである。これも、藤吉郎役の竹中直人氏への配慮では?と考えてしまう
☆ちょっとした疑問や感想
・「おたつは、私の腕の中で死んでいったのです。仇を討ってやらねば、おたつが……」
と、官兵衛は悔やんでいた。自分の腕の中で死んでいったからこそ、官兵衛の悲しみは大きくなったが、おたつにとっては、官兵衛に看取られて死ねたことは救いだったのではないだろうか
・会合衆のひとり、今井宗久を演じた小西さんだが、隠れ里の忍者の棟梁にしか見えない。肌の色、黒いし。
【ストーリー】番組サイトより
政略結婚の宴席を宿敵・赤松家が急襲し、官兵衛(岡田准一)はおたつ(南沢奈央)を失ってしまう。
怒りと絶望のあまり復しゅう心にかられる官兵衛だったが、祖父・重隆(竜雷太)に「命の使い道を考えろ」と諭される。
ふさぎこむ息子を見かねた職隆(もとたか・柴田恭兵)は、官兵衛を堺への旅に送り出す。その道中、官兵衛は荒木村重(田中哲司)という浪人に出会い、先進商業都市・堺を案内される。
一方、美濃では信長(江口洋介)が攻めあぐねていた稲葉山城に異変が起きていた。稲葉山城主・斎藤龍興の家臣、竹中半兵衛(谷原章介)が謀反を起こし、城を乗っ取ったのだ。
しかし程なくして、半兵衛は美濃半国を与えるという信長の誘いを蹴り、追い落としたはずの主君にあっさり城を返してしまう。
一方で申し訳ないのですが、何かついていけません。展開のご都合主義に。祝言の最中に見張りを怠って本拠地を攻め落とされてしまう戦国大名はいないと思いますが、そこはスル―しましょう。でも、
①官兵衛と太兵衛が、赤松を挟んで反対側にいた(前回はそう説明していた)浦上の戦場跡に回り込んで出現して、悲嘆にくれた後また戻る(どこでもドアか?!)
②大金を持って武器調達に行く官兵衛一行が、大した備えも偽装も無く夜盗に襲われ、偶然の出会いによって助かる(こんな間抜けが軍師になれるのか?まあ、ここで荒木村重を登場させるのはいい)。
駆け足で秀吉との遭遇に持って行きたいという意図がミエミエ。爺さんもタイミング良く死んじゃうし。軍師を描くドラマなのに、戦いの場面が雑なのが気になります。
確かに、ご都合主義的な場面が多いです。
何しろ、初回冒頭、幼子が戦で蹴散らされる衝撃シーンから入ったかと思うと、降伏説得の時は、官兵衛には弾や矢が全く当たらない漫画的なシーンが展開されました。
これって、部分部分のご都合主義よりも性質が悪いと思います。描く姿勢がぶれるのは許されないです。
①については、赤松、浦上、黒田(小寺)の位置関係は三角形の位置関係(浦上は赤松に近い)なので、前回の説明が変だったのでしょう。
②については、偶然が過ぎますが、たまもさんのおっしゃるように荒木村重を登場させるためと考えて、目を瞑りました。
あと、官兵衛がおたつのもとに駆け付けた時、「我ら二人では犬死です。援軍を待ちましょう」という武兵衛の言葉は、間が抜けていたと思いました。
先を急ぐあまり、齟齬が出てきていますが、登場人物に観てみたい武将が多いので、もう少し観てみたいと思います。
今回は、それ以外の構成やテーマは評価できると思いました。
見落としは少ないのですが、
今回の『軍師 官兵衛』は、司馬遼太郎さんの
『播磨灘物語』で昔知っている道を
なぞるようなものなので、
結構「ぼー」っと見ています。
「えっ・・・・、爺さん死んじゃったのか・・・・?」
ナレーションでは、確かそんな事を
言っていたような感じはしたのですが、
実社会では、爺さん(笑)滋賀県の長浜で
官兵衛関係の
なんかで訪れていたような事を、
ネットで見たので、
こんなに早い退場なのか・・・・と、
驚いております。
さてと、今回の官兵衛は傷心旅行編でしたが
・・・・
『有名人と会いすぎ』やろ。
(後、荒木村重さん。詳しすぎるやろ、
当時の情勢に。
『説明的なセリフ』混じってたよ・笑)
まさか、あのルイス・フロイスさんまで持ってくるとは
思わんかったぞぉ~~~~。
荒木村重さんが言っていた「敷居の高そうな」
今井宗久さんにも、播磨の田舎大名の使い
にしては、無茶あっさり会えたし・・・・。
気にいった、このドラマ!!
今後も『突っ込み専用』で、(評価してないのかよ・笑)見たいと思います。
個人的には、毛利の大軍と対峙する
『上月城』の攻防戦が気になってますので、
そこまでは絶対に見ると思います。
(秀吉さんが病気で、今までの大河では
ほとんど見ていない、
四国遠征も、見られるかどうか、ちょっと
気になってますけど・笑)
ではではっ。
>「えっ・・・・、爺さん死んじゃったのか・・・・?」
私も、「えっ?」と思いました。焼き魚食べているシーンだったので、意表を突かれました。
>荒木村重さん。詳しすぎるやろ、当時の情勢に。
>『説明的なセリフ』混じってたよ
お濃にも、半兵衛の真意を語らせちゃっています。
「立っているものは親でも使え」という諺?がありますが、「登場した人には何でもさせろ」という趣です。
>荒木村重さんが言っていた「敷居の高そうな」今井宗久さんにも、播磨の田舎大名の使いにしては、無茶あっさり会えたし・・・・。
ええ、ここ、拍子抜けでしたね。
あ、それと、「敷居が高い」は誤用っぽいですが、どうなのでしょう。
もともと、「相手に不義理をしてしまい、行きにくい」という意味ですよね。