英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ハムラアキラ ~世界で最も不運な探偵~ 第4話「濃紺の悪魔」

2020-02-17 11:10:41 | ドラマ・映画
2月3日記事「2020年1~3月期ドラマ雑感」
《 気怠く、ハードボイルドな女性探偵・葉村晶(シシド・カフカ)。
 不可思議な展開と推理も楽しめるが、ドラマ性もあり、もしかしたら今クール一番面白いかもしれない》
と述べた『ハムラアキラ ~世界で最も不運な探偵~』……その第4話。

 第1話「トラブルメイカー」(脚本:黒沢久子)は不条理感が強くて脱落しそうになったが、第2話「静かな炎天」(脚本:黒沢久子)、第3話「わたしの調査に手加減はない」(脚本:木田紀生 )は非常に面白かった。
 第4話「濃紺の悪魔」(脚本:黒沢久子)も面白かったが、謎が多すぎて、かなりの消化不良に陥ってしまった。


とりあえず、私の考えを整理するため、謎や疑問点を列挙してみる。
①フラワースタイリスト・松島詩織が受けた誹謗中傷(詩織の親友によるもの)やネズミの死骸など嫌がらせ宅配(元恋人による)は、詩織本人による手配だったのだろうか?(元恋人に届けられた宅配の送り状の筆跡は詩織のもの)
②植木鉢を落としたのは誰なのか?
③村木(池田成志)の部下の襲撃は、操られたものなのか?
④なぜ、アケミ(大後寿々花)は予定していた映画を観に行かずにシシケバブを食べたくなったのか?
⑤村木の重傷は“濃紺の悪魔”(野間口徹)によるものなのか?
⑥“濃紺の悪魔”は、晶の姉・珠洲(MEGUMI)の自殺の理由を知っていたのか?
⑦“濃紺の悪魔”・小宮山の一連の行動の理由・真意


キーポイントは「ほんのちょっとの力なんですよ。人から悪意を引き出すなんて」という“濃紺の悪魔”小宮山の言葉。
 悪魔の力かどうかは不明だが、小宮山には悪意を増幅させる力があったのだろう。それが催眠術なのか、人の心理を読み取り誘導する心理術や話術の巧みさなのかわわからないが……
 詩織の親友や元恋人は《本人の依頼だから》という動機付けから行動を起こし、背徳行為の魅力に憑りつかれてしまった。
 村木の部下の調査員も「私を死ぬ気にさせてください」という詩織の手紙を所持していた。その手紙と詩織のわがままな態度がきっかけ。そして、詩織の怯えるさまが悪意を増幅させたのかもしれない。
 詩織の自虐行動(送り状や依頼の手紙)は、自殺の理由付けを欲しがっていた詩織の心理を見抜き、誘導したと考えられる。(詩織は叔父によって病院に収容されるが、逃げ出して車にはねられ死亡)


“濃紺の悪魔”の正体や真意が重要なカギ(④と⑤の真相は不明)
 “濃紺の悪魔”(野間口徹)は元裁判官で、児童虐待やDVの裁判を扱ううちに、人の悪意に絶望し心が壊れてしまっていた。
 今回、詩織やその親友や元恋人などが、ちょっとしたきっかけで悪意に染まってしまうことを再確認し、地獄(この世)から脱出する(自殺する)決意をする。
 しかし、その一方で、人間の善意を信じたいという気持ちもあり、何らかの経緯で晶の姉・珠洲の事件を知り、晶の善意に懸けてみようと思った。
 (小宮山は珠洲の自殺の理由は知らなかったと思うが)《晶が欲望(珠洲の自殺の理由を知りたい)と善意(アケミや村木の命)のどちらを選ぶか?》で晶の選択や、晶の《自分は偽善者だ》という旨のセリフに満足したような表情を見せたが、晶の目の前でビルから飛び降りてしまう。
 おそらく、晶の行動や言葉で、小宮山は絶望からは救われたが、生きる意欲は亡くしたままだったのと自分の犯した罪を償う気持ちもあり、自ら命を絶ってしまった。自分の最期を晶に見届けてほしかったのかもしれない。

 晶はいい迷惑だったが、まあ、「世界で最も不運な探偵」なので、これで良いのだろう。

 

【ストーリー】番組サイトより
 セレブなフラワースタイリスト・詩織(武田梨奈)を2週間ボディーガードするよう依頼された葉村晶(シシド・カフカ)。
 「誰に狙われているのか、なぜ2週間なのか」と問い詰める葉村に詩織は「悪魔に自分を殺して、と酔った勢いで依頼してしまった」と話す。そんな馬鹿なことと思う葉村だったが、次々と事件が起こり、結果的に詩織は死んでしまう。
 そんな時、「姉・珠洲の真相を知りたくないか」という連絡が謎の男(野間口徹)から葉村のもとに届き・・・。

KEY PERSON:謎の男(野間口徹)

原作:若竹七海
脚本:黒沢久子

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