英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ポリス・ストーリー2 九龍の眼(1988年公開)

2024-12-10 17:20:53 | ドラマ・映画
【概要】
 爆弾を使用した凶悪犯グループと警察の死闘を描いたシリーズ第2作。序盤は前作の仇役チュウや部下たちが繰り広げる復讐の物語が展開するが、中盤から、爆弾テロを楯に巨額の金を要求する凶悪犯の物語へと展開がシフトする。
 終盤辺りに花火工場で爆弾犯と乱闘するシーンは恋人のメイも一緒に戦うなど1作目よりエンターテインメント性が強くなった作品。邦題の九龍は香港の地名である。

【ストーリー】
 麻薬王チュウ・タオの逮捕で功績を上げたはずのチェン・カクー刑事(ジャッキー・チェン)だったが、署長(ラム・コーホン)や上司(トン・ピョウ)からは、祝辞どころか捜査の過程で多くの公共施設に損害を与えたことを咎められ、結局交通課へ異動となった。
 加えて、病気を理由にチュウは釈放され、チェンと恋人のメイらに陰湿な嫌がらせを始める。さらにチェンとメイは、チェンの激務のせいですれ違いが続き、次第に疎遠になってしまう。
 そんな折、デパートに爆破予告の電話があった。偶然店内に居合わせたチェンは、とっさに非常ベルを鳴らして客を外へ避難させたが、結局何も起きないまま悪戯と思われ、客たちが帰ろうとした矢先にデパートが爆破された。しかしそれは、これから起こる大事件の序章に過ぎなかった。
(以上、ウィキペディアより)


 ジャッキーのアクションが凄いのは言うまでもないが、やられ役や恋人役の痛められぶりも凄い。
 ジャッキーに蹴り飛ばされ、窓を破り、そのまま外に背中から落下……大丈夫なのか?と思いつつ、次から次へ格闘が続くので、心配する間もない。終劇の後、NGシーンが流され、ジャッキーがその役者の後頭部などから細かいガラス片をピンセットで取り除くシーンが流れた。やっぱり、ただでは済まないんだなあ。
 チェン刑事の恋人メイ(マギー・チャン)も、逃亡中、敵が大きな陸上競技のハードル状のモノを蹴り倒し、それがドミノ倒しのように、彼女に襲い掛かる。劇中では彼女は何とか逃げおおせるが、NGシーンでは、ハードルに追いつかれ、それが後頭部を強打!必死に介抱するジャッキー。ジャッキーもそういう激痛シーンが何度もあったようだ。


 本作は、前作のチェン刑事の活躍(騒動)がひとまず終わったところから始まる。
 いい気分のチェンだったが、捜査の過程で多くの公共施設に損害を与えたことを咎められ、結局交通課へ異動となる。
 その時の署長の言葉が、ジャッキー映画への自虐ネタ!
 ショッピングモールで電飾を破壊しながら降りたアクションに対し「なぜ階段を使わなかった!?」と叱責!……確かに(笑)

 とにかく、この映画もジャッキーにアクションを発揮させる為のストーリーが進む。
 仇敵のチュウの手下が、ジャッキーや彼女に嫌がらせ(暴行)を仕掛けるが、これ自体は事件とは関係がなく、ジャッキーのアクションを演出するためのモノ。(チェンと彼女が仲違いする一因となり、意味はある)
 また、劇の最後の方で、チェンが勘違いしチュウのところに殴り込むというシーンも、爆破事件とチュウは無関係と知っている視聴者にとっては、意味のないシーンである(チュウが仮病で保釈されたわけではなかった事は判明)

 爆破グループの正体をつかむための捜査や尾行など、割と気合を入れて描いているが、捜査全体を通して視ると、穴だらけではっきり言って、“無能”に近い。
 そもそも、爆破グーループのアジトを突き止めた時点で、恐喝グループを一網打尽にできたのでは?……
 とは言え、ジャッキーの映画の大半は、《細かいことは考えずに、アクションを堪能する》べきモノであり、冗長なストーリーにイラついてはいけないのだろう。
 もちろん、ストーリーで感動したり、楽しめる映画もある。(『スパルタンX』(1984年公開)や『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004年公開)など)

 ストーリーにケチをつけたが、恋人のメイの苦悩・悲しみは良く表現されていた
 チュー一味の嫌がらせには屈しないが、ジャッキーが刑事の職務に燃えるあまり、自分が放ったらかしにされる寂しさに耐えられない。劇中では、その胸中を語る別れの手紙を、爆破犯一味に朗読され笑いものにされてしまったが、それでも、彼女の思い(悲しみ)はよく伝わってきた(チェンも改心)

 あと驚いたのは、ベニー・ライ氏の蹴りの速さ。
 登場した時は、爆薬・爆弾やリモート装置を開発するだけの奇人かと思ったが、蹴り技の達人だった。
 さすがのチェンも苦戦。残念だったのは、爆弾魔・蹴り技の達人が高所から落下して決着がついたこと。チェンが彼を倒したとは言い難い決着だった。

 ストーリーには若干?疑問を感じる点があるが、非常に堪能できる映画である。

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