英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「多いところで50センチ」という表現 2020年2月17日気象情報

2020-02-18 10:04:49 | 気象
「大雪」「北陸地方の多いところで50センチの雪」という表現が飛び交った昨日(2020年2月17日)。
……こういう表現を聞くと、《大変だ!》と思う人も多い。もちろん用心することに越したことはないが。

 いろいろ言う前に、今回の寒気の概要を述べると

・寒気は西日本から流入
・平地で雪が降る目安となる上空1500mでマイナス6℃にすっぽり覆われる
・昨日(2月17日)には上空1500mでマイナス12℃も西日本に南下(今日の画像↑ではマイナス12℃の部分は衰退、北上)
・大雪の目安の上空5500mでマイナス36度は昨夜から今朝にかけて北陸付近まで南下。その後、足早に北上(今日の画像↓)。


 つまり、今回の雪は西日本中心。ただ、上空5500mでマイナス36度の強い寒気も北陸に入るので、北陸も積雪の可能性は低くない。ただし、寒気の足が速いので、大量の積雪の可能性は低い。


「大雪」という表現
 「大雪」という表現の使用のされ方は、地域によって異なる。南国や太平洋側の地域では積雪10センチで大雪と言っても不適切ではない。
 雪国だと積雪10センチは日常的なので、タイヤ交換さえしていれば、別段困ることはない。(もちろん、雪道の運転は注意が必要)
 北陸の場合だと、積雪30センチで「たくさん降った」(ちょっと困る)、40~50センチで「大雪」という感覚。それ以上、積雪80センチを超えると生活がマヒ状態に近くなるので「ドカ雪」と表現することが多い。(個人的な感覚です)
 もちろん、積雪15センチを超えると、雪かきで汗をかくことになります。

 地域によって使用状況が違うのは構わないが、近年はむやみに多用されるように思う。
 ちょっとした雪(20~30センチ)で“ドカ雪”と言う気象予報士が多数いて、その表現を聞くたび、眉間にしわが寄っている。

「多いところで○○センチ」という表現
 今回、「北陸地方の多いところで50センチ」と報じられた。
 こう聞くと、《一般的なところ(平野部)では30センチ》は積もるのかなと思ってしまう。

 気象用語としては「平野部」…都市部、「山間部」…スキー場が近くにあるような通常雪が積もっている地域、を使う(この中間部として「山沿い」という地域もある)
 で、「多いところで」と言った場合、スキー場のあるような地域やもっと山奥、あるいは新潟県の豪雪地帯だと考えている(個人の感触、一度、気象庁に確認したい)。
 なので、おそらく今回も山奥では50センチの積雪があった可能性は高い。

 しかし、一般人が知りたいのは、《平野部(都市部)でどれだけ積もるか?》である。

「北陸地方」という表現
 “北陸地方”というのは富山県、石川県、福井県の3県を指すことが多い。“北信越”と言うと、富山県、石川県、福井県、新潟県、長野県と認識している。
 しかし、気象的に“北陸地方”と言うと、富山県、石川県、福井県、新潟県の4県。南北に非常に長いので、梅雨明け宣言の場合、新潟県まで梅雨が明けないと宣言されない。新潟以外は梅雨明け状態であっても宣言はされないのである。
 当然、これだけ南北に幅があると、雪の降り方も大いに異なる。全シーズンを通してデータを見た場合は、極端な差は生じないが、短期的な振り方では、地域によって大きく異なるので「北陸地方」という括りは大雑把すぎる

 午前7時現在の各地の積雪
 富山市14センチ、金沢市2センチ、福井市3センチ、新潟市0センチ(新潟市は海に近いので積雪は少ない)。
 その他、北陸の一般的な山間部では5~20センチの積雪。
 ちなみに、山陰の平野部で5~10センチ、山間部10~30センチぐらい、中国地方の山間部の“多いところ”で50センチの積雪があるようだ。

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