1月7日の記事「久々の詰将棋」の解答です。
この詰将棋、自分で取り上げておきながら変なのですが、思ったより奥が深い作品でした。
初手からいろいろ紛れがあるのですが、まず、この詰将棋のテーマを説明します。
まず▲3一角と打ってみます。普通は歩合いで、本作の場合も歩合いが最善です。
この図を見て、詰将棋に慣れた方は「はは~ん、〝打ち歩詰めの打開”がテーマか」とピンと来るはずです。
つまり、▲2二同角成△同銀と進むと
▲1四歩は「打ち歩詰めの禁」になってしまいます。
打ち歩詰めの打開の一策として、「守備の駒を利かせる」があり、
▲3三飛成△同歩と捨てれば4一の角の利きが通り、▲1四歩と打つことができ、
△同角に▲2四銀までの詰みが見えます。
しかし、参考図で▲3三飛成には△同歩ではなく△同銀と取られると失敗します。
正解は初手より▲3一角△2二歩の時、このタイミングで▲33飛成と捨てれば
△同歩とするよりなく(銀はまだ1一に居る)、それから▲2二角成△同銀と進めれば▲1四歩と参考図2に戻り、
△同角に▲2四銀までの詰みとなります。
詰手順、▲3一角△2二歩▲3三飛成△同歩▲2二角成△同銀▲1四歩△同角▲2四銀まで9手詰。
この作品、「▲3三飛成」の飛車捨てをいつ入れるか、そのタイミングも大きなポイントです。
初手に▲3三飛成とするのはどうでしょうか?以下△3三同歩に▲3一角と進み
ここで△2二歩と合駒をすると、作為手順に戻り、詰みます。
実は、この初手▲3三飛成はコメント欄でぴょん太さんとやり取りするまで1秒も考えませんでした。
なので、「初手に▲3三飛成としても作為手順と同様に詰み、手順前後が成立してしまうのではないか?」と作者の中田先生を疑ってしまいました。
しかし、初手▲3三飛成△3三同歩▲3一角には△2二桂が正解です。
…と、これ以後の手順を解説する前に、正解手順の初手▲3一角に△2二桂と桂合いをした時の変化を考えてみましょう。
歩合いの代わりに、桂合いをする狙いは、作為手順(▲3三飛成△同歩▲2二角成△同銀)のように進めた時、「1四に打つ歩がないぞ」です。
なので、△2二桂合には▲同角成と取り、△同銀に
以下、▲2四銀△1四玉▲2六桂で詰みます。
この手順を考えると、初手▲3三飛成△同歩▲3一飛に△2二桂合が最善手で不詰となるのが分かります。
そうです、上記の変化と同じように、、△2二桂▲同角成△同銀▲2四銀△1四玉▲2六桂
この時、2五の香が浮いているのです。
あと、初図で3五の飛が邪魔駒と考え、初手▲3三飛成と邪魔駒消去し、△同歩に▲3五角と打つのも詰キストとしては浮かびます。これには、△2四歩と中合いの手筋があり、詰みません。
さらに、初手▲2四角とし、△2二玉に▲4二角成とする手も有力です。これに△2三歩や中合い手筋の△2四歩とすると詰みます。
△2三歩も△2四歩もほぼ同じように詰むので、ここでは△2四歩と中合いした場合を説明します。
▲4二角成に△2四歩に▲同香に△1三玉▲2三香成とすれば、単に△2三歩の変化に戻ります。
以下△2三同玉▲2四銀△2二玉▲3三銀不成に△1三玉とする方が最善のようですが、持ち歩があるので▲1四歩と叩くことができ、結局△2三玉と逃げることになり、▲3二銀不成以下詰んでしまいます。
(詳しくは、「久々の詰将棋」のコメント欄をご覧ください)
初手▲2四角△2二玉▲4二角成には△2三桂が最善です。
△2三桂合に上記の手順、▲2三香成△同玉▲2四銀△2二玉▲3三銀不成に△1三玉の時
持ち駒が歩ではなく、桂馬なので詰みません。
単純に「打ち歩詰打開の作品」と思ってご紹介したのですが、とんでもない「深い作品」でした。
この詰将棋、自分で取り上げておきながら変なのですが、思ったより奥が深い作品でした。
初手からいろいろ紛れがあるのですが、まず、この詰将棋のテーマを説明します。
まず▲3一角と打ってみます。普通は歩合いで、本作の場合も歩合いが最善です。
この図を見て、詰将棋に慣れた方は「はは~ん、〝打ち歩詰めの打開”がテーマか」とピンと来るはずです。
つまり、▲2二同角成△同銀と進むと
▲1四歩は「打ち歩詰めの禁」になってしまいます。
打ち歩詰めの打開の一策として、「守備の駒を利かせる」があり、
▲3三飛成△同歩と捨てれば4一の角の利きが通り、▲1四歩と打つことができ、
△同角に▲2四銀までの詰みが見えます。
しかし、参考図で▲3三飛成には△同歩ではなく△同銀と取られると失敗します。
正解は初手より▲3一角△2二歩の時、このタイミングで▲33飛成と捨てれば
△同歩とするよりなく(銀はまだ1一に居る)、それから▲2二角成△同銀と進めれば▲1四歩と参考図2に戻り、
△同角に▲2四銀までの詰みとなります。
詰手順、▲3一角△2二歩▲3三飛成△同歩▲2二角成△同銀▲1四歩△同角▲2四銀まで9手詰。
この作品、「▲3三飛成」の飛車捨てをいつ入れるか、そのタイミングも大きなポイントです。
初手に▲3三飛成とするのはどうでしょうか?以下△3三同歩に▲3一角と進み
ここで△2二歩と合駒をすると、作為手順に戻り、詰みます。
実は、この初手▲3三飛成はコメント欄でぴょん太さんとやり取りするまで1秒も考えませんでした。
なので、「初手に▲3三飛成としても作為手順と同様に詰み、手順前後が成立してしまうのではないか?」と作者の中田先生を疑ってしまいました。
しかし、初手▲3三飛成△3三同歩▲3一角には△2二桂が正解です。
…と、これ以後の手順を解説する前に、正解手順の初手▲3一角に△2二桂と桂合いをした時の変化を考えてみましょう。
歩合いの代わりに、桂合いをする狙いは、作為手順(▲3三飛成△同歩▲2二角成△同銀)のように進めた時、「1四に打つ歩がないぞ」です。
なので、△2二桂合には▲同角成と取り、△同銀に
以下、▲2四銀△1四玉▲2六桂で詰みます。
この手順を考えると、初手▲3三飛成△同歩▲3一飛に△2二桂合が最善手で不詰となるのが分かります。
そうです、上記の変化と同じように、、△2二桂▲同角成△同銀▲2四銀△1四玉▲2六桂
この時、2五の香が浮いているのです。
あと、初図で3五の飛が邪魔駒と考え、初手▲3三飛成と邪魔駒消去し、△同歩に▲3五角と打つのも詰キストとしては浮かびます。これには、△2四歩と中合いの手筋があり、詰みません。
さらに、初手▲2四角とし、△2二玉に▲4二角成とする手も有力です。これに△2三歩や中合い手筋の△2四歩とすると詰みます。
△2三歩も△2四歩もほぼ同じように詰むので、ここでは△2四歩と中合いした場合を説明します。
▲4二角成に△2四歩に▲同香に△1三玉▲2三香成とすれば、単に△2三歩の変化に戻ります。
以下△2三同玉▲2四銀△2二玉▲3三銀不成に△1三玉とする方が最善のようですが、持ち歩があるので▲1四歩と叩くことができ、結局△2三玉と逃げることになり、▲3二銀不成以下詰んでしまいます。
(詳しくは、「久々の詰将棋」のコメント欄をご覧ください)
初手▲2四角△2二玉▲4二角成には△2三桂が最善です。
△2三桂合に上記の手順、▲2三香成△同玉▲2四銀△2二玉▲3三銀不成に△1三玉の時
持ち駒が歩ではなく、桂馬なので詰みません。
単純に「打ち歩詰打開の作品」と思ってご紹介したのですが、とんでもない「深い作品」でした。
参考図5は持ち駒が桂以外なら詰むというのも面白いです
よく登場する「頭が丸い」ではない、もう1つの桂の特性も活かした?逃れの変化でした
(飛車が桂の影となり△1五玉と逃げられる…ということです)
ところで私は、この△2三桂合の変化は、▲同香成 △同玉 ▲2四銀 △2二玉に、▲3三銀不成ではなく、
▲1四桂 △2一玉 ▲3二飛成 △同角 ▲2二歩 から守備駒の銀を取って並べ詰みだと思っていました
ただ、9手では詰まないので持ち駒余りの長手順変化なのかな?と多少不思議な気分でしたが…
しかし読み直してみると、▲2二歩 △同銀 ▲同桂成 △同玉 の局面でいくつか手があるものも、いずれも際どく逃れているので驚きました
▲3三銀打 なら△1一玉
▲3一銀 なら△2一玉
▲3三馬 なら△3一玉
…全て違う場所(限定)に逃げて不詰めでした
何と言うか、芸術的でさえありました笑
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話は変わりますが、関西奨励会で里見香奈三段に続いて、西山朋佳1級も好調で、次回の例会で初段になる可能性があります
というかかなり確率は高いです
現在6連勝中で、8-1、9-2、10-3という状況なので、残り3戦、ないし5戦で勝ち越せば女性奨励会員2人目の入品ということになります
ずっと女性の奨励会員の最高位は(実質)2級?という時代が続いていました
野茂が殿堂入りすることになりましたが、1人の先駆者が道をつけると、そこは以前よりずっと踏み入りやすくなる…というのはまさに普遍の真理なのでしょう
5年も経つと3~4人の(「女流」ではない)「女性」プロ棋士が誕生しているかも知れません
ぴょん太さんのおっしゃる変化もそうですし、解説しませんでしたが、初手▲2四銀など、俗筋でゴリゴリ行く変化はすべて逃れているのが、奇跡的です(「奇跡」という表現は、作者の中田先生には不本意だとは思いますが)
里見さんに引っ張られるように、女性奨励会員も力を付けてきています。西山さんも有力ですね。次の一局は勝っておきたいですね。