英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

北陸新幹線と民主党と道路工事

2009-10-17 17:07:11 | 時事
 先日、北陸新幹線の金沢-福井間の工事認可は下りず、先送りされる見込みと報道されました。
 北陸新幹線は、東京を起点として長野、上越、富山、金沢、福井を経由、大阪に至る延長約700kmの路線です。
 長野までは平成9年より営業運転されています。ただ、この区間は、世間一般的には「長野新幹線」として認知されているのではないでしょうか。
 今回の発表では、すでに着工されている長野~金沢間には1兆5660億円の工事計画を認可したと発表されています。
 以前から、このようなことになるのではないかという予想は立っていました。民主党政権になってからは、尚更です。また、北陸新幹線の必要性はあまり感じません(メリットよりデメリットのほうがおおきそう)ので、現実的、個人的には特に残念だとは感じていません。
 ただ、「北陸新幹線」なのに福井だけ置いてきぼりというのは、おもしろくありません。

 福井、特に越前市の地理的に考えると、金沢回りより米原回りのほうが東京に近いので、金沢福井間はいらないから、米原~福井間を伸ばしていただきましょう。この際、福井は北陸とは縁を切って、近畿(関西)の仲間に入れてもらいましょう。
 北陸に居ても最下位なので、どうせ最下位なら近畿の最下位のほうが、なんとなくいいですね。

 民主党は、マニフェストと財源不足の狭間で苦労しています。3兆円の補正予算の削減、2010年度予算の概算要求が90兆円オーバーしたということで、財政の緊縮は必須です。
 そのせいか、最近、道路工事が増えたように感じます。下水道工事などは計画に沿って行われていると考えられますが、単なる舗装工事は、「今のうちに使ってしまえ」ということなのでしょうか、それとも、道路工事の実績を作って、次年度の予算を確保しようというのでしょうか?
 公共事業は産業の振興という意義もありますが、長い目で見ると「いらないものはいらない」です。

 民主党の「予算の無駄遣いをなくす」という方針は大いに評価します。また、マニフェストを遵守するというのも当然だと思います。
 しかし、選挙で民主党が支持されたからと言って、マニフェストすべてが指示されたわけではありません。
 「子ども手当て」「高校授業料の実質無償化」「高速道路の無料化」「農家の戸別所得補償」などは、票集めの餌にしか思えません。
 特定の人が利益を享受する政策によって、財源が不足して、国債の発行や消費税率のアップという事態になるのなら、そんな政策はやめて欲しいです。
 機械的にマニフェストを遵守するのではなく、もっと、マニフェスト自体を精査して、本当に無駄のない有効な予算・政策を実行して欲しいです。
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5手詰【道草編3】 合駒Xはお前だ!

2009-10-16 23:08:12 | 詰将棋


 ▲2九香と打って簡単に詰みそうなのですが、2三に中合されると詰みません。ただ、持ち駒に歩が何枚かあれば詰むのですが、何枚あれば詰ますことができるのでしょうか?
 というのが、現在のテーマです。前回は桂合いまで検証し、今のところ最有力容疑者は歩です。
 その手順は、△2三歩に▲2二歩△1一玉▲1二歩△同玉▲2三香成(▲2三とでもよい)△1一玉▲2一歩成△同玉▲2二成香(▲2二と)で詰み、歩は2枚必要でした。

 さて、銀合ですが、途中まで歩合と同様に進みます。
 そこで、歩合図4をご覧ください。(△2三歩に▲2二歩△1一玉▲1二歩となった局面です)



 2三の駒が歩なので△1二同玉と取る一手ですが、初手の合駒が銀だと△1二銀不成と取ることができます。
 初手からの手順は、△2三銀▲2二歩△1一玉▲1二歩△同銀(銀合図1)。



 1二の歩を銀で取られて、玉を引っ張り出すのに失敗した銀合図1。
 ここから継続する手段は▲2一歩成しかありません。この時、1二の駒が金だったら▲2一歩成までの詰みですが、銀なのでしぶとく2一に利いています。
 それでも、王手は▲2一歩成しかないので(持ち駒は歩しか認められません)、とにかく成ってみます。
 それに対しては△2一同銀(銀合図2)の一手。



 ここで目に付くのは、▲2一香成△同玉▲2二銀(銀合図3)ですが、



 しかし、△1二玉と逃げられ、▲1三歩(銀合図4)が打ち歩詰めとなってしまい失敗です。



 もう一度、銀合図2に戻りましょう。



 銀の特性によって、しぶとくしのがれてきたのですが、逆に銀の弱点を突く手があるのです。


 それが、▲1二歩(銀合図5)です。



 これに対し、△1二同銀ですと2二の地点に銀が利かなくなるので、▲2二香成(銀合図6)で詰みます(▲2二とでもよい)。


(「杏」は成香)

 そこで、銀合図5の▲1二歩には△1二同玉と取ります。これに対して▲2三香成△1一玉(銀合図7)と玉を追い詰めます。


(「杏」は成香)

 そこで再度、▲1二歩と銀の弱点を突きます。今度は成香が利いていますから、玉では取れず、△1二同銀とするしかありません。
 そしてついに、▲2二と(銀合図8)で詰みです(▲2二成香でもよい)



 歩は最初に2二に打った歩と、1二に叩いたのが3回ありましたので、計4枚使いました。
 これで、銀が最有力の容疑者となりました。

 さて、残る容疑者は角。(ごめんなさい。飛車と金は省略させてください)
 角も、銀と同様に斜め後ろに利く駒です。

 初図(合駒X図)より、△2三角▲2二歩△1一玉▲1二歩(角合図1)と進みます。



 これに対し、銀と同じように△1二同角と取ると、やはり銀合のときと同様の攻めで▲2一歩成△同角(角合図2)



となった時、角の頭が丸い(前に利かない)ので、▲2二とで詰んでしまいます(2二香成でもよい)。

 また、角合図1に戻って、



 角でなく、△1二玉と玉で取ると、▲2三香成(▲2三とでもよい)△1一玉▲2一歩成(角合図3)


(「杏」は成香です)

 △同玉▲2二とで詰みます(▲2二成香でもよい)。
 角合図1で同角と取った時より2手延命できますが、攻め方(詰め方)の持ち駒に角が余ります。

 角合の場合も歩は2枚しか要りませんでした。

 よって、「合駒Xは銀で、歩は4枚必要」が正解でした。


 おまけ問題です。



 片方は詰んで、もう一方は詰みません。どちらが詰むでしょうか?
 わかりますよね。
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竜王戦第1局 難解な将棋

2009-10-15 21:07:06 | 将棋
 森内九段の新手から未知の局面になり、4筋を巡る虚々実々の攻防あたりから、私のような凡人の感覚では、ついていけない将棋になりました。
 封じ手直前の渡辺竜王の△5二銀は自陣を引き締める竜王らしい手だと思いましたが、4筋の嫌みが残っているので、今後の模様の取り方が難しいのではないかと思っていました。
 その後、△4四歩と無難に指す手は指さず(実際、△4四歩としても先手の攻めを受け止めるのは大変らしかった)、▲4四歩に△4二金と引き拠点を作らせる強気な対応。
 渡辺竜王の主張は、1日目に果たした飛車先交換の利と、△8五飛の揺さぶりからの1歩得。△8五飛にしても、先手の切り返しがいろいろ見え、それらを見切っての強気な指し手。
 
 この後、森内九段の銀捨ての強攻、また、渡辺竜王も銀を見限っての抑え込みを図る△5五銀の強防手を放つ。
 この△5五銀から渡辺有利説の声が上がり始めたが、終盤、ややもつれはしたものの、瀬戸際の強さを発揮して、渡辺竜王が先勝した。

 森内九段の意欲的な指し回し、渡辺竜王の読みの裏付けのある強気な対応と、両者の充実ぶりを感じた。特に、渡辺竜王の竜王戦での強さを改めて認識した。
 一か所疑問に思ったことは、69手目の▲1五歩に△同歩と応じた点。中継の解説によると「▲1五歩は緩手で、それに手抜きして△7五歩▲同銀△7六歩▲6八金△5五角の筋があったとのこと。なぜなのか?


 さて、羽生ファンにとって「3連勝4連敗」「初代永世竜王の名を成さしめてしまった」痛恨の7番勝負から、はや一年(決着してからだと10か月)。
 雪辱戦を挑めない状況も悔しい思いがありますが、永世竜王対永世名人、5年ぶりの対決と、そして、何よりその将棋そのものの内容も期待できる大変楽しみな7番勝負です。
 羽生名人にとって、渡辺竜王、森内九段共に、自身より先に「永世」の称号を冠せられてしまった二人の対決です。「羽生名人に先んじた二人の最強者決定戦」という向きもありますが、熱狂的な羽生ファンに言わせると、

「羽生名人の挑戦を受ける権利獲得決定戦」
なのです。

 今日の記事は、これが言いたいがために書きました。
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5手詰【道草編2】 合駒Xを追え!

2009-10-13 23:34:30 | 詰将棋
 道草の続きです。



 ▲2九香と打って簡単に詰みそうなのですが、2三に中合されると詰みません。ただ、持ち駒に歩が何枚かあれば詰むのですが、何枚あれば詰ますことができるのでしょうか?
 というのが、前回の宿題でした。

 ここで、問題になるのは、2三に中合する駒は何がいいのか?ということです。

 一般に、中合する駒は、取られること(攻め駒として使われる)が前提なので、性能の低い歩が使われることが多いです。それから、桂や角のように頭の丸い駒(前に利かない)も使われる頻度が高いです。

 では、この図の場合、何が最強(最善)の合駒なのでしょう?
 2三に中合する駒を「X」とします。はたして、「X」の正体は?

 先述しましたように、中合の駒は取られる事が多いので、強力な駒の飛車や金が使われることは、まずありません。
 しかし、本問の場合、△2三合駒の後、▲2二歩と打たれることが目に見えているので、後ろの2二に利く△2三飛(金)も考えられなくはないです。
 けれども、▲2二歩に対し△同飛(金)と応じると、▲2二同香成(と)で詰んでしまうので、飛車や金を中合するメリットはなさそうです。

 ここはやはり第1容疑者の歩を検証してみましょう。
 △2三歩には先日述べましたように、▲同香不成では△1二玉するりとかわされてしまうので、▲2二歩と打つ一手です。それには、2三の地点から遠い1一に玉が逃げるのが最善です。(歩合図1)



 なので攻め方は、もう1歩使って▲1二歩と捨て△同玉と1二に引っ張り出します。(歩合図2)



 あとは、▲2三香成(▲2三“と”でもよい)△1一玉(歩合図3)と進み、


(「杏」は成香です)

 ここで▲1二歩は打ち歩詰めの禁じ手となるので、▲2一歩成△同玉▲2二と(成香)と詰ませます。

 というわけで、合駒が歩の場合、2二、1二に打つ歩が2枚必要になります。玉方が2三に合駒した歩が手に入りますが、これは後から手に入るので、合駒X図の時点では歩が2枚必要と言うことになります。

 次の容疑者は香ということになりますが、香は歩の性能を強力にしたものなので、中合の駒としては歩と同じか劣ります。
 本問の場合、歩と同じように攻め、歩合図3になった時、今度は▲1二香と打てるので、歩合のときより早く詰んでしまいます。
 さらに最初の△2三香に▲同香不成(香合図1)としても詰んでしまいます。



以下、△1二玉▲1四香(香合図2)△1三歩▲2二香成(と)で詰みます。



香合図2の▲1四香に対して、2二に利かせて△1三銀と合駒しても、1四の香が間接的に玉をにらんでいるので、同じです。


 次に桂合ですが、これは歩合の時とまったく同じです。

 以下、次回に続きます。

 ああ、終わらんなあ~。
 夕焼けさん、ついて来てる?
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『20世紀少年』(漫画)

2009-10-13 20:31:53 | ドラマ・映画
 ようやく、最後まで読みました。(1巻だけ未読です)

 面白かったです。
 が、不満や疑問が少々。

 私が今思い浮かぶこういうジャンルの漫画の最高峰は『寄生獣』(岩明均)だと思っています。
 比較して比べることは無意味かと思いますし、得点をつけること自体傲慢だと思いますが、『寄生獣』の評価を100点とすると、『20世紀少年』は84点ぐらいでしょうか。
 ちなみに、『うしおととら』(藤田和日郎)98点、『からくりサーカス』(藤田和日郎)95点、『手天童子』(永井豪)92点が思い浮かびます。

 『20世紀少年』はフィクションと言っても、現実世界にリンクした設定で、他の3作品のようなSFや伝奇ものに比べて、自由度が少ない面もあることを考慮しないといけませんが、私の評価はそのくらいです。


 面白さとしては、昭和の自由な子ども時代を原点にして、そのころの純粋な気持ちを取り戻そうという生き方に共感します。
 さらに、それよりも増して、少年時代に遊びで書いた予言の書の通り、悪事が進んでいくという奇想天外なストーリーで、これからどうなっていくんだというワクワク感、そして、なんと言っても「ともだちの正体は誰だ?」という興味で、ぐんぐん先が読みたくなりました。
 また、作品にいい意味でのこだわりを感じました。初期の『ウルトラマンシリーズ』の中で異彩を放つ『ウルトラセブン』と同じにおいがしました。

 不満な点は
【以下は、多少のネタバレを含みます】


①長編にはいくつかのヤマ場があります。その例に漏れず、『20世紀少年』もいくつかのヤマ場があります。
 映画で3部作になっているように、大きく分けるとクライマックスを含めるとヤマ場が3つです。
 ヤマ場が複数あることには異論はありませんが、そのヤマ場の消化の仕方に納得がいかないのです。
 「さあ、どうなるんだ?」というところで、場面も時間も飛ぶのです。「えっ、どうなったの?」という思いを抱かせながら、少しずつ回想させて、明らかにさせていきます。読み手としては、非常に消化不良に陥ります。

②ケンヂの同級生や知り合いが、ほとんどすべて優秀な技能を持ち合わせ、いろんな分野である程度の地位などを確立したこと。ちょっと、できすぎかなあと。

③脇役ひとりひとりの行く末も決着をつけている点は、丁寧だと思うが、かえって、クライマックスが間延びしてしまった感がある。

④悪役だと思われていた人が、わりと普通だったり、改心したりしてしまった点。これは作者のポリシーかもしれないので、ケチをつけるところではないのかもしれないが、盛り上がりを欠いてしまった。


【さらに、細部までイチャモンをつけるので、かなりのネタバレになります】

⑤名刑事チョーさんが「ともだち」を調べ上げ、ほとんどすべてを予見していたのは凄過ぎ。
 それにしても「ゴリさん」でなく、なぜ「チョ-さん」なのか?
 作者は竜雷太氏でなく、下川辰平氏を意識していたのかもしれない。

⑥「血のおおみそか」で死んだはずのケンヂが、実は助かっていて(記憶喪失)、終盤、活躍するのは、お約束かもしれないが、「ちょっとなあ」と思った。
 ケンヂの歌が、人々の心を動かす力を持っているというのも、しっくりこない。

⑦ケンヂの姉(カンナの母)のキリコが、どういういきさつでフクベエの子どもを身ごもったのかが不明。フクベエと愛情で結ばれたのかどうかが、よくわからない。
 キリコは聡明で優しく芯の強い女性であったように思えたが、それがどんな経緯で殺人ウィルスにかかわるようになったのか、また、フクベエのどういうところに惹かれたのか、あるいはだまされたのかが、想像できない。

⑧高須は尻すぼみだった。身ごもったからか?

⑨「ともだち」、「新ともだち」の動機は理解できても、目的が理解できない。当人から語られないのも、欲求不満の感がある。

⑩「ともだち」は自分が殺されることを予見していたのだろうか?その時点まで、新ともだちは何をしていたのだろうか?
 二人一役?しかし、ヤマさんは「旧ともだち」と、生き返った後の「ともだち」は別人だと断言している。
 「旧ともだち」は、自分が殺され、そして復活することで、「キリスト」と同じような存在になれると思い、自分の死後を「新ともだち」に託したのだろうか?
 私としては、二人一役で、殺された「ともだち」が本当は「新ともだち」だったという方が、納得できる。しかし、チョーさんの調査では私の説では、ないらしい。

⑪過去の自分の過ちを、バーチャルワールドでの少年時代の自分に落とし前をつけさせると言うのも、筋が通らない。


かなり、独断と偏見が入っています。
「それは違うよ」と思ったら、ご指摘願います。
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5手詰 【道草編】

2009-10-12 10:01:04 | 詰将棋
【まず、前回の復習です】



 答は▲2四香△同角▲3二馬△1三玉▲2五桂までの5手詰です。

 初手の▲2四香(妙手図)は逃げ道封鎖のタダ捨ての妙手なのですが、
 「香は下段から」と▲2九香(疑問図)としたほうが得なのではないかという疑問が生じました。



もし、△2四歩と合い駒すれば、パクリと▲2四同香と取って、単に▲2四香と打つより1歩得だというのです。



妙手図と比べると、攻め方の持ち駒が1歩増えていますね。ところが、初手▲2九香(▲2八香や2七香も同様)だと、詰まないのです。

 その理由は?
 ここまでが、前回の復習です。


と、この疑問を解決する前に、詰将棋の考え方と玉方の抵抗例を語らせていただきます。

★詰将棋のルール 玉方(受け方)の考え方

 詰将棋の玉方は最善の頑張り(しのぎ)をするのが決まりです。
①手数が伸びるように
②攻め方の駒を使わせるように
 最善を尽くすのです。
 詰めた時、駒が余ってしまう場合、玉方の頑張りが足りない(最善ではない)とお考えください。
 ここで問題になるのは、①手数が伸びるようにと言って、無駄な合駒をすることです。

 たとえば、


 ▲7二飛と王手されたとき、△6二歩と合駒する手が考えられます。しかし、これは▲同飛成とされると、まったく効果がなく攻め方の持ち駒を増やすだけになります。詰将棋の場合、こういう無意味な合駒は無効と考えます。
 つまり上図の場合、▲7二飛△6二歩▲同飛成△5二歩▲同龍△4二歩▲同龍△3二歩▲同龍の9手詰めではなく、▲7二飛の1手詰と考えます。


★玉方の抵抗例
 無駄合の話が出ましたので、本題に入る前に、玉方の抵抗のひとつの「中合」を取り上げます。

 

 ▲2九香と王手を掛けたところです。
 2二に合駒をしても▲同香成(▲同と)で詰み。また、△1二玉とかわしても、▲2三香成(▲2三とでも詰みます)△1一玉▲2二成香(▲2二と)で詰んでしまい、図の玉は詰んでいるように見えます。
 ところが、ポンと△2三歩(中合図)と打たれると詰まないのです。



 王手を続けるには、▲2三同香不成(渋々図)ですが、



 そこで△1二玉(サイドステップ図)とかわされると



 ▲2二香成△1三玉▲2三と△1四玉(するり図)と


(2二の駒の「杏」は成香です)

 逃げられてしまいます。ラグビーのタックルをサイドステップでかわす俊足バックスのようですね。
 ちなみに、最初の▲2九香に2四~2八に合駒するのは、先ほど説明しましたように、「無駄合」となります。


 こういう玉方の中合の抵抗は、将棋の奥深さで、魅力でもありますが、初級者には難関のひとつとなっています。私が詰将棋を取り上げる場合、合駒の絡む問題は避けようと思っています。
 今回は、5手詰めなのに、あまりにも見事に合駒の妙が出てくるので(しかも裏に潜んでいるだけ)取り上げてしまいました。


 さて、

 

 この局面は詰まないのですが、持ち駒に歩が何枚かあれば詰みます。何歩あれば、詰むのでしょうか?
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5手詰 【発展編】

2009-10-10 15:57:58 | 詰将棋


 昨日の詰将棋です。
 答は、Nonさんが解答された通り、▲2四香と捨てて、△同角と相手の駒で逃げ道を塞いでしまうのがミソです。



 こうしておいて、▲3二馬とせまり、△1三玉に▲2五桂で詰みます。



 2四に誘われた受け方の角が玉の逃げ道を塞いでいますね。
 おまけに、角の頭は丸い(前に利かない)ので、詰め方の桂を取ることもできません。まったくの「でくのぼう」状態です。
 ちなみに、初手▲2四香に1一に逃げると▲2一金(2一香成)で詰みます。
 また、▲2四香に△1三玉と逃げても、▲2三馬で詰みです。
(うっかり、▲2三香成とすると1四に逃げられてしまいます)


 さて、初手の▲2四香は逃げ道封鎖のタダ捨ての妙手



だったのですが、実戦派なら「香は下段から」という格言通り、
▲2九香(疑問図)と打ちたくなるところでしょう。



もし、△2四歩と合い駒すれば、パクリと▲2四同香と取れば(1歩儲け図)、



単に▲2四香と打った時よりも、1歩得していることになります。(2八香、2七香なども同様)


 ならば、初手▲2四香より▲2九香(2八香、2七香など)の方が優れているのではないでしょうか?
 ところが、初手▲2九香(2八香、2七香など)だと、詰まないのです。

 その理由を考えてみてください。
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『誰かが嘘をついている』

2009-10-09 21:11:38 | ドラマ・映画
 見ごたえのあるドラマでした。

①現代の痴漢逮捕、起訴、裁判の現状に対する問題提起
②痴漢の冤罪に陥った主人公とその家族の葛藤と絆、さらに、人としての尊厳

 このふたつが大きなテーマと言える。

①-Ⅰ 痴漢逮捕時の歪んだ取り調べ、扱い

 裁判員制度発足により、裁判の基本的姿勢を知ったが、それとはかけ離れた現状。「刑が確定するまでは無罪、被告側は無実を立証する必要がなく、検察側に立証責任がある。疑わしきは罰せず」などの精神は、痴漢に関しては、存在しない。
 被害者の女性の証言があれば逮捕され、痴漢をしていないという証明をしないと有罪になるそうだ。

 ドラマでの警察は、被害者には事情聴取はしていたが、主人公に対しては自供を求めるだけで、主人公の言い分を精査するのは勿論、聞こうともしない。
 留置所では、番号で呼ばれ、検察への移動時には、手錠で拘束される。囚人扱いだ。

①-Ⅱ 自供のみを強要する理由(私の推測なので、間違っているかもしれません)

 無実を立証するのも、痴漢行為を立証するのも、相当困難だとかっが得られる。現場を再現しようにも、ビデオでもない限り、その車両にいた不特定多数の乗客を集め、証言を取るなんてほとんど不可能である。
 また、裁判において、被害者にその状況の証言を求めるのも、残酷である。
 つまり、裁判になるのは相当面倒。しかも、日本においては、裁判官、検事、弁護士は不足しているという状況が、ずさんな捜査・裁判を後押ししている。




①-Ⅲ 自供するか、否認するかで、身柄拘束の期間に雲泥の差がある

 (やっていなくても)罪を認めれば、示談の可能性もあるし、早期保釈もされるが、主人公は否認した。そのため、逮捕時から起訴されるまでは勿論、裁判になっても、被害者への証言が終わるまでは保釈がみとめられず、半年後にようやく保釈された。
 そのため、会社には半ば強制的に依願退職を強いられ、裁判費用もかかる。さらに、裁判でその99%が有罪になるという現状。

 一方、自供さえすれば、ほとんど拘束されることなく、うまく立ち回れば、被疑者の社会的損害は軽度で済む。

 それにしても、逮捕から初公判まで、実に3か月を要し、その初公判もたった15分で終わってしまったのは、ひどいとしか言いようがない。


②尊厳ある生き方と、家族の絆

 主人公の無実が立証されることを願ったのはもちろん、主人公が苦しい状況に屈せずに、「私はやっていない」と言い続けてほしく、言い続けた主人公、そして、それを支えた家族にジーンとした。
 特に、1審で有罪となり、控訴するかどうかで悩んだ末、「控訴する」と子供たちに告げた時、娘から「そうだよね、だって、やってないんだもんね」と、また、息子から「お前は好きに生きろって、父さんが言ったんだよ。だったら、見本見せてよ」と励まされるシーンには、胸が熱くなった。


 さて、例によって、疑問に感じた点がいくつかあったが…

①無実の決定的な証拠となったのが、痴漢行為を撮る盗撮マニアが偶然主人公の事件を撮っていて、その盗撮マニアが捕まり起訴された証拠品を、主人公の友人の弁護士がたまたま関わっていて、映っていた被害者と思われる女子高生のカバンに提げられていたぬいぐるみが、姉が作った世界に1つしかないものであったという、奇跡だった。
 ちょっと、出来すぎだろうと思ったが、そんな奇跡が起こらない限り、無罪の立証はできないという意図だろう。


②『誰かが嘘をついている』というタイトルだが、実際、間違い(逮捕ミス)はあっても、嘘をついた者はいないように思え、このタイトルには違和感を覚えた。

 しかし、「誰も嘘をついていないのに主人公はこんなに苦しんでいる」=「何かがおかしい」=「誰かが嘘をついている」=「痴漢などの犯罪が多く、それに追われる警察・検察・裁判所・弁護士の現状がおかしい(嘘)」と解釈すればいいのかな。


③無実が立証され、無罪が確定し、喜ぶ被告たちの傍らで、被害者の女子高生がが「じゃあ、いったい誰がやったっていうのよ」とつぶやいた。
 確かに、痴漢行為をされ、すごく嫌で悲しかったと思う。痴漢は絶対許せない。しかし、彼女自身が現行犯逮捕し、主人公やその家族は、人生崩壊、家族崩壊の危機に陥った。その罪の大きさを実感し、謝るべきだろう。彼女には、非常に大きな憤りを感じた。
 そう呟いた彼女に、主人公は何かを言いかけたが、弁護士に制された。制されなかったら、どういう言葉を彼女に掛けたのだろうか?


 それにしても、痴漢冤罪の怖さを、まざまざと実感し、恐ろしく感じた。
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2009-10-09 15:49:57 | 歳時
ちょっと、面白い雲だったので、撮りました。
携帯電話のなので、画像が荒いです。



小さくてわかりにくいので、四角で囲んだ部分を



拡大します。



 雲は、刻々と姿を変えるので、油断できません(笑)。
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5手詰 【出題編】

2009-10-09 11:39:03 | 詰将棋
 『将棋世界』10月号(先月号です)
 「実戦に役立つ5手7手詰」中田章道七段 より


 まずは、ノーヒントで考えてみてください。




 ……解けましたでしょうか?
 (詰め将棋に慣れた方なら人目かもしれませんが)初手は意外と広いですね。
 大きく分けると、▲3二馬か、桂打ちか、香打ちが見えますが、普通に詰にいくと、たとえば、▲3二馬ですと



△1三玉と逃げられ、



2四の地点が開いているので、捕まりません。

 同様に▲3四桂も△1三玉で、▲1九香と迫っても



2四の地点が開いているので、△2四玉とするりと逃げられ、▲1四馬と追いすがっても、



3五(または3四)に逃げられると、捕まりません。


 初手に戻り、▲2三香と打っても、同様に2四の地点が開いているので、捕まりません。



 というわけで、ポイントは2四の地点です。ここを、埋めてしまう工夫が必要なのです。

 解けなかった方は、再チャレンジしてみてください。
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