ミタさん泣く
ミタ(松嶋菜々子)の心を覆う氷が、阿須田家の面々の温かい心などによって徐々に融かされていく。
しかし、今回、急ぎ過ぎというか、強引というか……ミタの心の変化を描くために、阿須田家の面々がその道具になってしまっていた。
もちろん、海斗(綾部守人)の宿題の母親への感謝状のエピソードは秀逸で、毎回、核がしっかりしていて、感動してしまう。
けれども、「一緒に食事しよう」とか希衣(本田望結)のランドセル購入につき合あってとか、「授業参観に来て」とか、「入学式に来て」とか、「耳かきして」とか、「勉強教えて」とか、ミタのダウンジャケットやキャップや腕時計について尋ねたりとか、ミタの心情にお構いなく、ズカズカ踏み入るような事ばかりする。前回、ミタが念を押したこと(食事する、出かける)さえ、お願いする。しかも、「念を押したはずです」とミタが言い、「念を押すって何?」と希衣が訊ねて、「約束すること」と結(忽那汐里)が説明したのにである。恵一(長谷川博己)も、「約束は守らないとダメだぞ」ぐらい諭さないと。
それに、ミタが渋ると呪文「業務命令(でいいから)」を唱える阿須田一家。「業務命令」というと柔らかい響きだが、結局「命令」だよね。
それでなくとも、家政婦として阿須田家の世話をしたり、阿須田一家の団欒を見ることは、ミタが封印していた亡き夫と息子との思い出を呼び起こすことになるというのに。阿須田家の面々はまったく無頓着。
ここまで先送りしてきた「自殺した母」「うららの恋心」のピースをここではめ込んできたか!
母への感謝状
自分たちを残して自殺した母に、子どもたちは「捨てられた」という思いを抱えていたが、海斗に「母への感謝状」が出たことで、真正面から向き合うことになった。
そういう気持ちから、素直に感謝状を書けないでいる海斗や他の兄弟に、「あれは事故です。母は後悔したはずです」と諭す。自殺した理由にするには苦しい説明で、自殺しようとした事実は変わらないが、母親の後悔したという気持ちを信じ、「事故」だと思うということでいいんじゃないかと思った。
海斗の作文は素晴らし過ぎ!次に読む子がかわいそうかも。
こっそり、花丸と「大変よくできたと思います」と書いておいたミタさん、なかなか乙である。私も嬉しくなってしまった。それに、こっそり廊下に来ていたし。
ヤケになるうらら
恵一を諦めるために見合いをするが、やけくそ状態で見合いの席で悪態を突く。
義之もうららの恵一への思いを察するが、複雑だろうねえ。
「あたしなんかいない方がいいんだって、みんなのために」
「あなた(見合い相手)の言うとおりにします。自分から何かやると、ろくなことないし」
以前、結がミタとうららが入れ替わっている夢を見たが、上の台詞のうららの心境はまさにミタ状態。
そんな中でも、うらららしさを発揮!……見合いの席のグラスには口紅がついていて、コースターがグラスから離れないし、結に見つからないよう柔道部のランニングに紛れ込んで身を隠そうとするが、なぜか突然、彼らが屈伸運動(笑)。
自分をコースターに例え「いつも踏みつけにされて、必要じゃない時は付いてくる」……うまい!
そんなうららも、恵一に自分の気持ちを告白(どこが良いんだろう?)
★融かされていくミタの心
思い出の遊園地で、いつものようにランチをテーブルに並べ…呟く
「ごめんね。二人とも責めてるでしょ、わたしひとりだけが幸せになるなんて。
あの人たちを愛してしまいそうで怖いの。
私が愛したことで、あの人たちが不幸になるのが怖いの。
だから、早くそっちに連れてって!」
涙をこぼすミタ。
そこへ突然、阿須田家の子どもたちの姿が!(さすが、忍者(義之)の孫)
「自分を責めるのはやめて!」
「これからは、俺たちがこれ、全部食べるから」
と、みんなで無理やり食べ尽くす。
なくならないランチをずっと見続けてきたミタの呪縛を解く様に、ランチが消えていく……
涙をぽろぽろ流しながら
「お願いですから、これ以上優しくしないでください(1オクターブ高い声)。
わたくしは、主人と息子が死ぬ前の私には戻れないんです。戻ってはいけないんです」
「私たちは、ミタさんに愛されても、絶対死なない。どんなに辛いことがあっても、絶対幸せになる。だから、一緒に帰ろう、ミタさん」
泣けますね……
一段落して、阿須田家の一幕
業務命令で「笑って」とお願いするが、やはり、拒否されるが、
「笑う以外なら、何でも聞いてくれるんだよね」と切り出す。
「私にできることなら」とミタ。
なかなか交渉上手だ。
そこで、希衣の奥の手、「ミタさんの石」を出し
「私のお母さんになって」と。
「承知しました」………え?
その他、突っ込みなど
①「母の死は事故だった」と気持ちに決着をつけた子どもたち、しかし、恵一も「もう、過去の事をぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ後悔するのは止めます。……これから、子どもたちと一緒に今と未来だけを見つめて生きていきたいんです。……」
あんたは過去を背負って生きなきゃいかんだろ!
②隣のおばさんは、最後までひどい奴だった。少しは反省するかと思ったが。人に「死ね」と言ったのに、自分は全く悪くなく、全部人のせいにする、ある意味「幸せな人」である。
③海斗の担任は教師を辞めるべき。母親を亡くしたばかりの児童がいるのに、あんな宿題、しかも授業参観の日に発表させるなんて。書くのはもちろん辛いし、皆の発表を聞くのも辛いだろう。
今週のミタさん
・人間だった……ぼんやりしたり、赤い血を流した
・ゴルゴでもなかった
今週のミタえもんのカバン
しょうが湯、ばんそうこう、ライター
【ストーリー】(番組サイトより)
再び阿須田家で働くことになった三田(松嶋菜々子)は、亡くなった夫と息子の幻覚をたびたび見るようになる。三田は激しく動揺する。
海斗(綾部守人)は、授業参観で母親への感謝状を読むことになった。自殺した母への思いを書くのをためらう海斗に三田は声をかけそうになるが・・・
一方、恵一(長谷川博己)への思いを断ち切りたいうらら(相武紗季)は、やけになって見合いをする。阿須田家の人々は不思議に思う。うららの真意を知っている三田は、思わず自分から口を開こうとする。三田の中で何かが変わり始めていた。晴海(白川由美)は「言いたいことがあったらあれすれば?人間らしさを取り戻そうとしているのよ」と、三田を励ます。
海斗は、納得できないながらも父親への感謝状を書き始めていた。三田は、海斗から書きかけの作文を取り上げて破り捨て、「お母様への感謝状を書くべきだ」と初めて自分の意見を言う。
阿須田家の人々への愛情が深まる三田。海斗は母への思いを作文に書いた。恵一は三田に「授業参観に行ってほしい」と頼むが・・・
そんな矢先、夕食の準備をする三田を手伝おうとした希衣(本田望結)が火傷を負ってしまう。やはり自分が周りの人を不幸にするという呪縛から逃れられない三田は遊園地へ赴く。
死んだ夫と息子の幻覚と向き合うために…。
ミタ(松嶋菜々子)の心を覆う氷が、阿須田家の面々の温かい心などによって徐々に融かされていく。
しかし、今回、急ぎ過ぎというか、強引というか……ミタの心の変化を描くために、阿須田家の面々がその道具になってしまっていた。
もちろん、海斗(綾部守人)の宿題の母親への感謝状のエピソードは秀逸で、毎回、核がしっかりしていて、感動してしまう。
けれども、「一緒に食事しよう」とか希衣(本田望結)のランドセル購入につき合あってとか、「授業参観に来て」とか、「入学式に来て」とか、「耳かきして」とか、「勉強教えて」とか、ミタのダウンジャケットやキャップや腕時計について尋ねたりとか、ミタの心情にお構いなく、ズカズカ踏み入るような事ばかりする。前回、ミタが念を押したこと(食事する、出かける)さえ、お願いする。しかも、「念を押したはずです」とミタが言い、「念を押すって何?」と希衣が訊ねて、「約束すること」と結(忽那汐里)が説明したのにである。恵一(長谷川博己)も、「約束は守らないとダメだぞ」ぐらい諭さないと。
それに、ミタが渋ると呪文「業務命令(でいいから)」を唱える阿須田一家。「業務命令」というと柔らかい響きだが、結局「命令」だよね。
それでなくとも、家政婦として阿須田家の世話をしたり、阿須田一家の団欒を見ることは、ミタが封印していた亡き夫と息子との思い出を呼び起こすことになるというのに。阿須田家の面々はまったく無頓着。
ここまで先送りしてきた「自殺した母」「うららの恋心」のピースをここではめ込んできたか!
母への感謝状
自分たちを残して自殺した母に、子どもたちは「捨てられた」という思いを抱えていたが、海斗に「母への感謝状」が出たことで、真正面から向き合うことになった。
そういう気持ちから、素直に感謝状を書けないでいる海斗や他の兄弟に、「あれは事故です。母は後悔したはずです」と諭す。自殺した理由にするには苦しい説明で、自殺しようとした事実は変わらないが、母親の後悔したという気持ちを信じ、「事故」だと思うということでいいんじゃないかと思った。
海斗の作文は素晴らし過ぎ!次に読む子がかわいそうかも。
こっそり、花丸と「大変よくできたと思います」と書いておいたミタさん、なかなか乙である。私も嬉しくなってしまった。それに、こっそり廊下に来ていたし。
ヤケになるうらら
恵一を諦めるために見合いをするが、やけくそ状態で見合いの席で悪態を突く。
義之もうららの恵一への思いを察するが、複雑だろうねえ。
「あたしなんかいない方がいいんだって、みんなのために」
「あなた(見合い相手)の言うとおりにします。自分から何かやると、ろくなことないし」
以前、結がミタとうららが入れ替わっている夢を見たが、上の台詞のうららの心境はまさにミタ状態。
そんな中でも、うらららしさを発揮!……見合いの席のグラスには口紅がついていて、コースターがグラスから離れないし、結に見つからないよう柔道部のランニングに紛れ込んで身を隠そうとするが、なぜか突然、彼らが屈伸運動(笑)。
自分をコースターに例え「いつも踏みつけにされて、必要じゃない時は付いてくる」……うまい!
そんなうららも、恵一に自分の気持ちを告白(どこが良いんだろう?)
★融かされていくミタの心
思い出の遊園地で、いつものようにランチをテーブルに並べ…呟く
「ごめんね。二人とも責めてるでしょ、わたしひとりだけが幸せになるなんて。
あの人たちを愛してしまいそうで怖いの。
私が愛したことで、あの人たちが不幸になるのが怖いの。
だから、早くそっちに連れてって!」
涙をこぼすミタ。
そこへ突然、阿須田家の子どもたちの姿が!(さすが、忍者(義之)の孫)
「自分を責めるのはやめて!」
「これからは、俺たちがこれ、全部食べるから」
と、みんなで無理やり食べ尽くす。
なくならないランチをずっと見続けてきたミタの呪縛を解く様に、ランチが消えていく……
涙をぽろぽろ流しながら
「お願いですから、これ以上優しくしないでください(1オクターブ高い声)。
わたくしは、主人と息子が死ぬ前の私には戻れないんです。戻ってはいけないんです」
「私たちは、ミタさんに愛されても、絶対死なない。どんなに辛いことがあっても、絶対幸せになる。だから、一緒に帰ろう、ミタさん」
泣けますね……
一段落して、阿須田家の一幕
業務命令で「笑って」とお願いするが、やはり、拒否されるが、
「笑う以外なら、何でも聞いてくれるんだよね」と切り出す。
「私にできることなら」とミタ。
なかなか交渉上手だ。
そこで、希衣の奥の手、「ミタさんの石」を出し
「私のお母さんになって」と。
「承知しました」………え?
その他、突っ込みなど
①「母の死は事故だった」と気持ちに決着をつけた子どもたち、しかし、恵一も「もう、過去の事をぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ後悔するのは止めます。……これから、子どもたちと一緒に今と未来だけを見つめて生きていきたいんです。……」
あんたは過去を背負って生きなきゃいかんだろ!
②隣のおばさんは、最後までひどい奴だった。少しは反省するかと思ったが。人に「死ね」と言ったのに、自分は全く悪くなく、全部人のせいにする、ある意味「幸せな人」である。
③海斗の担任は教師を辞めるべき。母親を亡くしたばかりの児童がいるのに、あんな宿題、しかも授業参観の日に発表させるなんて。書くのはもちろん辛いし、皆の発表を聞くのも辛いだろう。
今週のミタさん
・人間だった……ぼんやりしたり、赤い血を流した
・ゴルゴでもなかった
今週のミタえもんのカバン
しょうが湯、ばんそうこう、ライター
【ストーリー】(番組サイトより)
再び阿須田家で働くことになった三田(松嶋菜々子)は、亡くなった夫と息子の幻覚をたびたび見るようになる。三田は激しく動揺する。
海斗(綾部守人)は、授業参観で母親への感謝状を読むことになった。自殺した母への思いを書くのをためらう海斗に三田は声をかけそうになるが・・・
一方、恵一(長谷川博己)への思いを断ち切りたいうらら(相武紗季)は、やけになって見合いをする。阿須田家の人々は不思議に思う。うららの真意を知っている三田は、思わず自分から口を開こうとする。三田の中で何かが変わり始めていた。晴海(白川由美)は「言いたいことがあったらあれすれば?人間らしさを取り戻そうとしているのよ」と、三田を励ます。
海斗は、納得できないながらも父親への感謝状を書き始めていた。三田は、海斗から書きかけの作文を取り上げて破り捨て、「お母様への感謝状を書くべきだ」と初めて自分の意見を言う。
阿須田家の人々への愛情が深まる三田。海斗は母への思いを作文に書いた。恵一は三田に「授業参観に行ってほしい」と頼むが・・・
そんな矢先、夕食の準備をする三田を手伝おうとした希衣(本田望結)が火傷を負ってしまう。やはり自分が周りの人を不幸にするという呪縛から逃れられない三田は遊園地へ赴く。
死んだ夫と息子の幻覚と向き合うために…。