漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 431

2024-06-20 04:42:03 | 貫之集

はるすぎて うづきになれば さかきばの ときはのみこそ いろまさりけれ

春すぎて 四月になれば 榊葉の 常盤のみこそ 色まさりけれ

 

春が過ぎて四月になると、榊葉の常緑の色が一層濃くなってゆくよ。

 

 詞書は 430 の「神祭る」が共通。
 そもそも「常盤」つまり常緑なのに、春になるとさらにその緑の色が濃くなるとの発想は、古今集 0024 などにも見られます。

 

ときはなる まつのみどりも はるくれば いまひとしほの いろまさりけり

ときはなる 松の緑も 春来れば いまひとしほの 色まさりけり


源宗于