漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 440

2024-06-29 06:12:51 | 貫之集

神の社に詣でたる

いがきにも まだいらぬほどは ひとしれず わがおもふことを かみやしらなむ

斎垣にも まだ入らぬほどは 人しれず わが思ふことを 神や知らなむ

 

神の社に詣でる

斎垣の中にまだ入らないうちは、人知れず思っている私の胸中を、神には察してほしいものだ。

 

 斎垣に入ったらではなく「入らぬほどは」神に知ってほしいというのは、神域では色恋沙汰は許されないからということのようです。感覚的には「神社にお詣りに来たときくらいは神様に知ってほしい」という方がしっくりきますが、現代人との感覚の違いなのかもしれませんね。