六月祓え
みそぎする かはのせみれば からころも ひもゆふぐれに なみぞたちける
みそぎする 川の瀬見れば 唐衣 ひもゆふぐれに 波ぞ立ちける
六月の祓え
禊をする川の瀬を、衣の紐を結いながら眺めていると、夕暮れになって川面には波が立っているよ。
「六月祓え(みなづきばらえ)」とは「夏越祓え(なごしの祓え)」ともいい、1年の折り返しとなる六月末日に行われる、半年の穢れを祓い、残り半年の厄除けを行う神事のこと。「唐衣」は「紐」にかかる枕詞で、第四句は「紐結う」と「日も夕暮れ」の掛詞になっています。
この歌は新古今和歌集(巻第三「夏歌」 第284番)採録です。