漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 011

2023-04-27 06:04:14 | 貫之集

六月祓え

みそぎする かはのせみれば からころも ひもゆふぐれに なみぞたちける

みそぎする 川の瀬見れば 唐衣 ひもゆふぐれに 波ぞ立ちける

 

六月の祓え

禊をする川の瀬を、衣の紐を結いながら眺めていると、夕暮れになって川面には波が立っているよ。

 

 「六月祓え(みなづきばらえ)」とは「夏越祓え(なごしの祓え)」ともいい、1年の折り返しとなる六月末日に行われる、半年の穢れを祓い、残り半年の厄除けを行う神事のこと。「唐衣」は「紐」にかかる枕詞で、第四句は「紐結う」と「日も夕暮れ」の掛詞になっています。
 この歌は新古今和歌集(巻第三「夏歌」 第284番)採録です。

 

 



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