漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 529

2024-09-26 06:44:31 | 貫之集

小鷹狩り

かりにくる われとはしらで あきののに なくまつむしの こゑをきくかな

かりに来る われとは知らで 秋の野に 鳴くまつ虫の 声を聞くかな

 

小鷹狩り

狩りに来たことを私自身すっかり忘れてしまい、そして私がかりそめにやって来たとも知らずに、秋の野に松虫の声が聞こえていたことであるよ。

 

 「かり」が「狩り」と「仮」、「まつ」が「まつ(虫)」と「待つ」の掛詞になっています。「まつ虫」が、自分の来訪を待っている恋人の象徴と考えると、さらに「なく」は「鳴く」に「泣く」が掛かっているとも言えるでしょう。



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