漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0809

2022-01-16 19:31:37 | 古今和歌集

つれなきを いまはこひじと おもへども こころよわくも おつるなみだか

つれなきを 今は恋ひじと 思へども 心弱くも 落つる涙か

 

菅野忠臣

 

 つれない人を、今は恋するまいと思うけれども、心弱いことにこぼれる涙であるよ。

 最後の「か」は詠嘆を表す終助詞。とてもわかりやすい歌ですね。
 作者の菅野忠臣(すがの ただおん)はどんな人物かは不詳で良く分かっていません。この歌が889年頃に行われたとされる寛平御時后宮歌合の中にありますので、9世紀を生きた人物ということになるでしょうか。古今集への入集はこの一首のみです。

 



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