秋の風、荻の葉を吹く
いつもきく かぜをばきけど をぎのはの そよぐおとにぞ あきはきにける
いつも聞く 風をば聞けど 荻の葉の そよぐ音にぞ 秋は来にける
秋の風が荻の葉に吹きかかっている
いつも聞くのと同じ風の音であるけれども、荻の葉のそよぐ音に、秋が来たのだとわかる。
風そのものはいつもと同じだけれども、その風に荻の葉がそよぐ音が混じることで秋の到来を実感するという歌。風情を感じますね。
この歌は続後撰和歌集(巻第五「秋上」 第244番)に入集しており、そちらでは初句が「いつもふく」とされています。