漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 543

2024-10-10 06:43:25 | 貫之集

もえもあへぬ こなたかなたの おもひかな なみだのかはの なかにゆけばか

燃えもあへぬ こなたかなたの 思ひかな 涙の川の なかに行けばか

 

こちらとあちら双方の思いは燃えることもできずにいる。仲を分かつ涙の川が間を流れているからであろうか。

 

 「こなたかなた」の語が印象的な一首。和泉式部の詠んだ次のような類歌もあります。

 

みをわけて なみだのかはの ながるれば こなたかなたの きしとこそなれ

身を分けて 涙の川の 流るれば こなたかなたの 岸とこそなれ



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