漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 544

2024-10-11 06:28:03 | 貫之集

くれなゐの ふりでつつなく なみだには たもとのみこそ いろまさりけれ

紅の ふり出つつ泣く 涙には 袂のみこそ 色まさりけれ

 

衣を振って紅を色濃く染めるように、声を振り絞って泣く血の涙で、袂だけが色濃く染まっていることよ。

 

 「ふりで」は、振って紅の色を染め出すことで、ここでは声を振り絞る意を掛けていますね。
 この歌は古今和歌集(巻第十二「恋歌二」 第598番)に入集しています。



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