五月照射
さつきやま このしたやみに ともすひは しかのたちどの しるべなりけり
五月山 木の下闇に ともす火は 鹿の立ちどの しるべなりけり
五月照射
五月の山の木の下の闇にともす火は、鹿が立っているところを知るしるしなのであるよ。
Weblio古語辞典 によれば、「照射(ともし)」とは、「夏の夜の山中で、狩人が鹿をおびき出すために篝火をたいたり、松明をともしたりすること。また、その火。」のこと。歌意そのものはわかりやすいですが、詠み手の感情はよくわからない歌のように私には思えます。(「だから何?」と言いたくなる ^^;;;)
古典和歌は詠み手の「こころ」が明確な「ことば」として結実している点が特徴と言われます。それに対してこの歌は目にした情景をそのまま描写しただけにように見えるのは、私がまだまだ勉強不足なのかな??
この歌は拾遺和歌集(巻第二「夏」 第127番)採録です。