月に琴弾きたるを聞きて、女
ひくことの ねのうちつけに つきかげを あきのゆきかと おどろかれつつ
弾く琴の 音のうちつけに 月影を 秋の雪かと おどろかれつつ
月夜に琴を弾く音を聞いて、女
弾く琴の音に誘われて、おもわず白い月の光を秋に雪が降っているのかと、驚いて聞きほれています。
「うちつけに」は本来「あっという間」「ぶしつけ」といった意味ですが、ここでは思いがけずと解釈してみました。
月に琴弾きたるを聞きて、女
ひくことの ねのうちつけに つきかげを あきのゆきかと おどろかれつつ
弾く琴の 音のうちつけに 月影を 秋の雪かと おどろかれつつ
月夜に琴を弾く音を聞いて、女
弾く琴の音に誘われて、おもわず白い月の光を秋に雪が降っているのかと、驚いて聞きほれています。
「うちつけに」は本来「あっという間」「ぶしつけ」といった意味ですが、ここでは思いがけずと解釈してみました。
とまり
とまりてふ このところには くるひとの やがてすぐべき たびならなくに
とまりてふ このところには 来る人の やがてすぐべき 旅ならなくに
とまり
「泊まり」というこの場所は、やって来てはすぐに旅立ってゆく人々が通り過ぎるが、「留まり」というのだから通り過ぎずに旅をここで終えても良いのになあ。
「とまり」を「泊まり(=宿泊地)」と「留まり(=果て)」の両義に用いての詠歌。人生を旅に喩える思いが入っているのかなとも思いますが、よくわかりませんでした ^^;;
つもりぬる としはおほかれど あまのがは きみがわたれる かずぞすくなき
つもりぬる 年はおほかれど 天の川 君が渡れる 数ぞすくなき
積もり積もった年の数は多いけれど、年に一度だけ天の川を渡って来るあなたとの逢瀬の数はとても少なく感じられるよ。
433 と詞書「たなばた」を共有する一首。こちらも織姫を思う彦星の気持ちに準えた詠歌ですね。
たなばた
ゆふづくよ ひさしからぬを あまのがは はやくたなばた こぎわたらなむ
夕月夜 久しからぬを 天の川 はやくたなばた 漕ぎわたらなむ
たなばた
夕月が出ている時間は長くないのだから、織姫は早く天の川を渡ってきてほしい。
彦星の気持ちに準えての詠歌。「夕月夜」は、夕暮れに出ている月または夕月の見られる夜を指します。