初梅や 旧街道の 庭に咲き
中村 梅士 Baishi
福岡教育大は、JRの停車駅になっているが、唐津街道
の宿場街、旧赤間宿にある。
合宿場はそこからさらに直方に通じる唐津街道を上る。
街道の早春を楽しみながら、ぷらぷらと小一時間ほど
歩いて行くのが自分流である。
幹線道路の裏道として旧家が細い路地を挟んでいる。
参勤交代で賑わったであろう街道だが、今はただ鄙び
た農道のようになっている。
それでも古い家並みの庭に蝋梅や梅が咲いているのを
見ると、古い時代の気分になる。
そんな味わいのある旧街道の大半が幹線道路に併合さ
れて歩きづらい車道になっているのは残念である。
歩くことを極端に軽視した社会だと思う。
帰りは唐津街道を下ってJR赤間駅を目指した。
ところが、道筋が寸断されていたので、路頭に迷って
しまった。
かつての街道や宿場が賑わうような歩く道を再整備し
てほしいものである。
2017年度のスポーツ庁の運動普及率調査によると、週
三日以上のスポーツ実施率は26%と低いが、それでも
前年度比で6.3ポイント上昇している。
健康運動の実施種目の57%がウォーキングであり、
前年度比で20ポイントも上昇している。
番組の影響があるのかもしれない。
因みにランニングないしジョギングは12%、前年度
比で2ポイントの上昇にとどまっている。
69%が歩く、走るという運動に支えられているとい
う事でもある。
如何に歩く環境が求められているかという事を意味し
ているのである。
ところが、国も自治体も、歩く、走るインフラ投資に
は無関心である。
当然予算もない。
結果、川沿いの道も、海岸線も、旧街道も、車道に呑
みこまれ、運動環境としては失われているのが現状なの
である。
それでいて、スポーツ立国論だ、国民総スポーツだと
かスローガンを掲げながら、雀の涙の予算を振りかざす
官僚の厚かましさには怒りを覚える。
統計も週一日運動実施率という、運動習慣ともいえな
い数字を50%超えたと吹聴するのである。
まやかしもよい所だ。
確かに、経済のためには車のための道路整備は必要で
あろう。
しかし、国民健康のための道路もそれ以上に必要なの
である。
健康インフラ整備のメインは医療にあるのではない。
医療は病気をした後の手段に過ぎないからである。
その医療に40兆円もつぎ込んでいるのなら、健康道路
インフラ整備にはせめて10兆円の予算を組んでしかるべ
きである。
その分、医療予算は半分ですみ、国民は健康と言う幸
福を手にするのだ。
ウォーキング道路には、清潔なトイレ、給水施設、宿
場代わりの風呂屋、食事処、いずれは宿場も整備したい
ものである。
スポーツ・ツーリズムの目玉というべきであろう。
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