函館市内を流れる「亀田川」。
函館市北部の袴腰山を源流とし、新中野ダムや笹流ダムなど、観光スポットにもなっているダムを経て津軽海峡に繋がる、全長約20.1kmの二級河川。
今日は、その流れの途中にあるスポットをご紹介。
面白い名前がありますでしょ。
「スッポンカッポン」って一体・・・?
北海道内によくある、アイヌ語由来の地名ではありません。
場所は、亀田川に架かる「五稜郭橋」と「白鳥橋」という二つの橋の中間付近とされており、現在は撤去されているのだけど、かつてそこに歩行者専用橋が架けられていて、そこから下流に10mほどと、函館の歴史に関する書物には書かれています。
この二つの橋の間には、もう一つ「田家橋」という橋があり、「スッポンカッポン」とは、この写真で言うと、奥側の方と言われています。
下へ降りてみて一枚。
現在はご覧の通り直線で流れているけれど、かつて、亀田川はこの付近で大きく蛇行しており、大正初期に、蛇行した中心部に堰(せき)を設けて防火用の水道を市内に引いていたそうなのですが、「スッポンカッポン」というのはその辺りの通称だったそうです。
由来については、「ぬかるんだところを歩く際にドロに足元をとられ、それを無理に引き抜くと空気と水の作用でスッポーン、カッポーンと音を立てるところからきている」という説や、「堰(せき)の開閉時にスッポンカッポンと音がするので名付けられた」とする説、「工事によって川の流れがせき止められて深くなり水死者が多く、水死者が浮かんでくる際の音の様子を表現して『スッポンカッポン』と呼んでいた」という説など色々あるようです。
「スッポンカッポン」があったのは昭和30年ごろまでとされており、私ぐらいの世代ともなると、函館の歴史に関する書物で偶然見つけたとかでないと知りようがないのかもしれないけど、先に紹介した諸説のどれが正しいにせよ、函館の歴史の一ページに残る地名ということで、ずっと語り継がれていって然るべき地名だなと思いました。