いきなり舞台は札幌へ。
北区新琴似エリアをぶらり歩きしていると、住宅街を流れる川の案内表示板が目に留まりました。
「安春川(やすはるがわ)」という、住宅街を流れる川。
明治23年(1890年)、新琴似地区に入植した屯田兵によって、周辺の湿地帯を農地として開墾するために開削された水路が起源とされています。
この小さな滝のような施設が、「安春川」の流れの始まりになっています。
この場所の位置はこちらですが、リンクした地図でお分かりのとおり、住宅街を流れている川の流れが、線路と交差する辺りで止まっています。
その場所が上の写真なのですが、地図を見ると、もしかしてこの先は(「ブラタモリ」でもおなじみの)暗渠なのではと思ってしまうかもしれませんが、実はそうではなく、ここから少し離れたところにある「創成川水再生プラザ」という下水処理施設で浄化処理された水をこの場に導いて地上へ出すことによって、この水路を、川として機能させているということなのです。
滝の上から。
ここから、住宅街を流れる、延長4.7kmの水の旅が始まります。
水路の脇には遊歩道が整備されています。
行けるところまで行ってみましょう。
雪国らしいデザインの絵が描かれています。
夏はもう終わりですが、あっという間にこの季節がやってくるのでしょうね。
歩いていくと、ブロンズ像が設置されていました。
「ささ舟」というタイトルで、小川に舟を浮かべる姉弟の様子を題材にしているそうです。
平成4年(1992年)5月30日、安春川の通水式が行われた際に除幕されたもので、当時の地元の機関誌によると、三木勝氏という、岡山出身の彫刻家さんの作だそうです。
その「ささ舟」の向かいにあるブロンズ像。
「夏の日」というタイトルで、当時の地元の機関誌によると、手製の釣り竿と小さなバケツを持つ男の子と、植物採集用の小さな胴乱を持った女の子が題材になっているとのことですが、色々調べてみると、男の子が持っているのは、釣り竿ではなく補虫網だという資料もあるようです。どちらが真相なのか気になるところですね。
また、その機関誌によると、この彫刻は、土田副正氏という、福島県出身の彫刻家さんの作品だそうです。
右の男の子をよく見ると、持っている物(釣り竿?捕虫網?)の先っぽが取れてしまっています。
何かあったのでしょうか?悪質な悪戯などではないことを願いたいものですが。
遊歩道を歩いていると、安春川の歴史について書かれた碑文がありました。
遊歩道の案内図。
「やすらぎのゾーン」と「遊びのゾーン」の間に、先ほどの二つのブロンズ像が設置されています。
川の中の石に止まっている二羽のカモ。
そして、綺麗な水面を優雅に進むカモ。
見ていて心が落ち着きます。
この「安春川」は、一見すると住宅街を流れる小川のようですが、実はれっきとした一級河川だそうです。
そういう事実を知ったうえで散策するというのも、色々と発見があって楽しいと思います。