散歩がてら「釧路市立博物館」に寄ってみたところ、このような企画展示が実施されていました。
アイヌ民族の織物、編物に関する展示です。
入口近くで、映像付きで紹介されていたのが、日高管内平取町二風谷の「アットゥシ」という織物。
平成25年(2013年)、経済産業省の「伝統的工芸品」に、北海道の工芸品で初めて指定され、着物や前掛けのほか、帯、コースター、巾着などの小物として織られています。
その歴史は古く、1621年、キリスト教宣教師だった「アンジェリス」という人物の「第二蝦夷国報告書」で紹介され、絵画記録としては、1799年、「秦檍丸(はたのあわきまろ)」という人物の「蝦夷島奇観」に記載があります。
主に日常着や労働着として着用されてきましたが、18世紀後半以降は交易品として本州にも流通して、海運業や漁業の仕事着となったほか、アイヌ民族の儀礼でも18世紀後半から着用されてきました。
道東地域でも、1781年頃の「松前随商録」という文献に、産地として「クスリ」、現在の釧路地方が紹介されており、現在、釧路市立博物館では16点が所蔵されています。
これは、アイヌ語で「~を織る」という意味だとか。
同じくアイヌ語で「袋などを編む」というそうです。
で、こちらは、「ゴザを編む」という意味とのこと。
これがその「ゴザ」で、床に敷いたり、日用道具を乗せたりのほか、祭壇や壁面を覆うなどの用途に用いられているそうです。
「タラ」という荷縄で、荷物を纏めて括り、運搬するほか、採集した食料や子供を背負うのにも用いられています。
釧路地方では、ヒグマの肉を背負う荷縄を。「カムイタラ」と呼んで、他と区別しているそうです。
「サラネプ」という編み袋で、採集、運搬、貯蔵に用いられています。
最後に、着物をもう1点。
アイヌ民族の文化も興味深いものが色々とあるので、釧路にいる間(いつまでだ?)、道東地方の文化についても触れる機会を作ってみたいです。