東京滞在最終日となった11月11日(月)。
飛行機が羽田発14時40分だったので、どこを散策して帰ろうかなあと色々考えていたら、昨日紹介した「武田竹塘先生紀功碑」のことを知ったので、碑のある「芝東照宮」にも初めて行ってみることにしました。
「東照宮」ということで、有名な「日光東照宮」と同様、かの徳川家康を祀る神社ということは想像がつきますが、この扁額には「家達」とあります。
徳川15代将軍の中にはない名前ですが、どういう歴史があるのでしょう・・・?
「芝東照宮」は、徳川家の菩提寺「増上寺」の境内に勧請され、当初は日比谷にあったのが、江戸城拡張工事に伴い、1598年に現在地に移転しました。
徳川家康は、還暦を迎えた1601年に、記念に自らの像を刻ませた「寿像」を駿府城において祭祀していましたが、1616年、家康は死去に際して「寿像」を祭祀する社殿を増上寺に建造するよう遺言したことから、同年10月に着工し翌年2月に社殿は竣工しました。
明治初期に「神仏分離令」が発出されたことから、増上寺から切り離されて「芝東照宮」となり、当時の本殿は、現在の重要文化財に相当する「特別保護建造物」に指定されましたが、1945年5月の東京大空襲により、「寿像」と神木のイチョウを残して全て焼失の憂き目に遭い、1969年社殿が再建されて現在に至っています。
扁額に刻まれている「家達(いえさと)」とは、徳川宗家第16代当主に当たる人物で、貴族院議長も務めた政治家の名前だそうです。
徳川家と言えばの「三つ葉葵」。ここでも神紋に用いられています。
社務所。
徳川家康を神格化した「東照大権現」が祀られていることから、勝負運や出世運のご利益があるとされているそうです。
東京都の天然記念物にも指定されているイチョウの木。
先述しましたが、1945年5月の東京大空襲にも耐え、燃えることなく現在まで残っています。
この狛犬は、1788年奉納で、石工名は不明だそうです。
240年近い歴史のある狛犬。長い間周囲の安寧を見守り続けてきただけあって、何とも穏やかな表情をしているなと思いました。