札幌の中心部にある「かでる2.7」という複合施設。
正式には「北海道立道民活動センター」で、「仲間に入れる」という意味の北海道弁である「かでる」(私は一度も使ったことがないです・・・)を愛称に用い、社会福祉活動、生涯学習活動、女性活動、アイヌ文化活動等の幅広い活動、学習、研修、交流等を行うことを目的として設置された複合施設です。
また、数字の「2.7」は、所在地である「中央区北2条西7丁目」から取ったものです。
1階にあるホール。
様々なイベントが開催されていて、以前一度、高校の美術部の展覧会を観たことがありました。
1階ロビー。
解放感があって明るい雰囲気です。
1階ロビーにある彫刻。
道内にも数多くの有名な作品を残している、佐藤忠良さんの作品です。
ちょっと光の加減で見にくくなっていますが、今回の訪問先は7階です。
7階の一角にあるのが、「北海道立アイヌ総合センター」。
その名のとおり、アイヌ民族の歴史、文化に関する様々な資料が展示されています。
まず目に留まったのが、こちらのクマ。
聞いたことがあるという方もいらっしゃると思いますが、アイヌ語で「山の神」を意味する「キムンカムイ」という名前を持っています。
これも見たことがある方も多いと思いますが、鮭を加えた木彫りの熊。
一時期は北海道土産の大定番となっていて、実際はそんなことはないのだけど、北海道の家庭には、一家に一つは木彫りの熊が置かれているというような話として有名になったこともあるようです。
木彫りの熊のことは、勿論道民ですからして、子供の頃から知っていましたが、発祥の地が、私が小学生の頃に住んでいた思い出の地である、道南の八雲町だったということは知りませんでした。
函館を離れてから六年、八雲にも長らく行っていませんが、書かれている「徳川農場」の跡地は、住んでいた頃割と近所だったので、また足を運んでみたいと思います。
アイヌ民族の儀式として有名な「カムイノミ」。
「神に祈る」という意味で、人々が生活する上で必要な様々なことを、神(カムイ)に祈る儀式のことを指しています。
この世の存在するあらゆるものに「魂」が宿っているとの考えのもと、動物や植物、火や水、暮らしの道具、あるいは天候や流行病など人間の力の及ばないものに至るまで「カムイ」として敬い、祈りを捧げています。
アイヌ民族の信仰では、「この世界は人間とカムイとが、お互いに関わりあい影響を及ぼしあって成り立っている」と考えられており、カムイへの頼みごとやお礼、伝えたいこと、伝えるべきことがあるときに「カムイノミ」が行われています。
映像や写真でしか見たことはありませんが、「この世の存在するあらゆるものに魂が宿っていて、互いに関わりあい、影響を及ぼしあっている」というのは、人が生きていくうえで決して忘れてはいけないことだなと、改めて感じさせられました。