「まちセン」こと「函館市地域交流まちづくりセンター」から、市電「函館どつく前」方面へ向かう道路。
「海峡通」という名前が付いています。
ん?「海峡通」の上に、「279」ってありますね。
そうなんです、「海峡通」というのは通称で、ここは「国道279号」なのです。
この看板によると、次の交差点から真っ直ぐは国道ではなく道道で(六角形の中に数字があるのは、北海道では道道の印)、国道は右に曲がっていくようですね。
ここが、国道と道道の分岐点の交差点。
道道は真っ直ぐで、国道は右に曲がっていきます。
この先には「函館漁港」という漁港がありますが、ここで道路の通称も変わっています。
ということで、右へ曲がってみましたが、あれっ?この先は・・・、海?
そうなんです、先は海なんですが、ということはここが国道279号の終点?
いえいえ、実はそうではないんです。
こちらをご覧ください。
実は、国道279号というのは、北海道から津軽海峡を挟んで、青森県の下北半島へと通じている国道で、青森県側の方が、圧倒的どころじゃないくらい延長が長いのです。
箱館川を少しアップしてみましたが、こういう変則的なルートを辿っています。
そして、これは聞いて驚かれる方も多いと思いますが、実は、陸上だけでなく、海の上に引かれている赤線もまた、正式な国道279号のルートなのです。
国土交通省の規定に、「地上に建設された道路、あるいは橋や海底トンネルなどの構造物が存在しなくても、フェリーボートなどによって道路と道路を結ぶ1本の交通系統として機能があると判断できれば国道に指定する」というのがあって、日本各地には、他にも、関門海峡や明石海峡、鳴門海峡を跨ぐ「海上国道」というのが存在するのです。
それは分かりましたが、ここで1つ疑問。
なぜ、函館側の陸と海の界は、先程の写真の場所なのでしょう?
函館側の279号は、赤線の区間のみなのですが、なぜこのような途切れ方をしているのか。
パッと思い浮かんだのは、上の地図の緑色の所に、かつての函館の海の玄関口であった「東浜桟橋」があったこととの関係。
Wikipediaによると、青森県側の279号は、江戸時代は「田名部街道」と呼ばれ、盛岡藩の巡察路、函館へ渡る経路、また恐山の参詣路として利用されていたそうなので、街道と函館へと通じる海路とが一体として見られていたという経緯から、海上国道を認定する際、かつての海の玄関口であった「東浜桟橋」の側までを区間としたのかな・・・ということが思い浮かびましたが、全くの(根拠に乏しい)推測なので、これはちょっと調べてみたいと思います。
それとも、先程触れた「函館漁港線」こと「道道459号」との分岐点が、何らかの理由で先程の交差点と決まったことから、国道の方は自然と、先程の交差点を右に曲げざるを得なくなったとか。
何となくだけど、そっちの方が現実的な気もしますが・・・。
陸と海の界側から見た279号。
この先は、西部地区で最も有名な坂である「八幡坂」です。