年末から読もう読もうと思っていた『十二国記』の新刊
『白銀の墟 玄の月』(全4冊)
にようやく手を着けた。
読み始めるための準備に1ヶ月余りかかった勘定になる。
だが、小野不由美の代表作であり、日本のファンタジーの代表作の一つでもある『十二国記』のシリーズは、短編を含めても16年以上前から新刊が出ていない。
だからシリーズ最新刊がでたからといって直ぐには読み始めることが出来ない。
個別のエピソードを描いた短編なら別だが、シリーズ本編、さかも最大の四冊ボリューム、となれば、この新刊を読むためにはまず既刊本10冊以上を復習しなければならない、ということになる。
これは古くからの『十二国記』ファンの多くが肯いてくれるはずだ。実際周りにいる多くの読者は本棚の奥を探しあるいは図書館に行き(あろうことか図書館では友人のひとりと鉢合わせまでした)、旧作の読み直しを「強いられた」のだ(笑)
私自身は20年も前に妻に渡したきりだったので、違う家に住む今となっては改めて調達するしかない。退職後の身にとって一度読んだ本を買うのはしんどい。図書館を探し回ってようゆく一セット発見し、読み始めた。
一旦巻を開けばグイグイ読者を引き込む力はスゴい。
前日譚の『魔性の子』を含めて1日1.5冊ぐらいのペースでシリーズ本編の長編は読み終えたのだが、不思議なことに残りの短編集二冊にたどり着いて、パタリと読む手が止まってしまった。
その理由はまだわからない。ただ既刊をコンプリートしてから次にいきたいと思うが故に、身動きがとれないまま年末年始を過ごしてしまった。
年の始めから別の本を数冊読んでいるうちにようやく「短編集2冊(『華胥の夢』と『丕緒の鳥』)は後回しでもいいか、と思い直し、今日の午後から読み出した。
今度は夜寝られるのかどうかが心配になる。
人騒がせだかうれしい限りの新刊四冊。ここまで来たからには読者である私の寿命が尽きぬうちになんとかシリーズ完結編まで読みたいものだが……。
というわけで、読みます!
万が一小野不由美の『十二国記』シリーズ未読の方がいらっしゃいましたら、とにかくぜひ、とオススメしておきます。
『空色勾玉』の荻原規子、『獣の奏者』の上橋菜穂子と並んで、お勧めできる日本のファンタジー作家です。
『稲荷山戦記』のたつみや章も大好きですけどね。
あとはやっぱり日本のファンタジーといえば『光車よ、まわれ!』天沢退二郎ですかねえ。