龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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読み差しになっていた『宗教的経験の諸相』上下を再開!

2020年01月18日 18時19分59秒 | メディア日記
年末年始、とりまぎれて途中になっていたW.ジェイムズの『宗教的経験の諸相』上下巻を、夕方から読み出す。

『プラグマティズム』
が主著なのかもしないし、「心理学」のフィールドの人なのかもしれないが、手に取ったこちらの本(講義録)が手になじんだのでまずはこれから。
多分手になじんだのは、特別に新しい知見がほしかったからではなく、むしろ今自分の求めているものが「常識」に近いものであり、この人の書き込みぶりが「常識」に近く心安く読めそうな気がしたからだろうと思う。とは言え「宗教的経験」である。興味はあるが信仰を持たない自分にどれだけ読めるのか。

あり得べき「常識」を読み解く、というほどのスタンスで再度挑戦。
宗教的経験を今常識の範囲内で考えることは、(少なくても私個人にとって)とても重要なことだ。

読了『千畝の記憶』

2020年01月18日 17時19分21秒 | メディア日記
エチカ福島に参加してくださっている方が杉原千畝と同僚だったことがある、と教えてもらい、エピソードをいろいろ伺っていた。
今度!その知人のインタビューを含む本が出版されたというので早速取り寄せて読んだ。

杉原千畝の生い立ちから仕事ぶり、ビザ発給のドラマチックな業績、地元の顕彰などが書かれていて興味深かった。

個人的にはその中でも、戦後の不遇な時期の杉原千畝の様子に胸が打たれた。

ある種の「善」あるいは「正義」は、必ずしもその実現を私たちに知らされないままになることがあり、そしてそれを為した人もまた、そのことを知られないままに生き、死んでいく、ということ。
心に染みる。

また、最終章、現代の難民の記述は、新聞社のお仕事としてありがたく読ませてもらった。

この本のメッセージを受け取って、さてどうするか?

『十二国記』の新作四冊、読了!

2020年01月18日 17時04分23秒 | メディア日記
『十二国記』の新作『白銀の墟 玄の月』四巻本を読了。
年末年始の仕事を終えた気分だ。
昨日夜中に読み終わったため、なかなか寝付けずに参った。

中身について言うと無論文句なしに面白いのだが、解説子も指摘していたとおり、十二国記の世界観そのものの物語、というに近い。
失われた「王」の探索にしては長すぎる。道を見失った「偽王」の物語というには物足りない。

むしろ失われた「王」とその「道」および「失道」をめぐる庶民、兵士、将校、宗教者、官僚etc.様々な国の人々の想いに焦点が当てられ、丁寧に描かれている。

だかや今回は王の物語、というより「麒麟と王」というシステムの物語、という感じもする。
麒麟のシステムに馴染んでいる十二国記ファンには泣ける話です。
初心者は、これを、読む前にぜひシリーズを読破してほしいと思うなあ。

ここに描かれているもっとも特徴的なことの一つは、限りある「天命」のただ中で懸命に生きる者たちを時には愛おしく時には冷酷に描く小野不由美の筆致。それが主題の一つなんだろうという印象。
よくもまあ20年近い時を経て続編を書いてくれたものだ。
作者に感謝すると同時に、オレの人生が終わるまでには完結しないんだろうな、とも思うと、ちと切ない(笑)