風月庵だより

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隣人

2007-11-27 21:16:26 | Weblog
11月27日(火)曇り【隣人】

これほどに殺人事件が昔はなかったですよね。情報が今ほど飛び交わなかったというだけではなく、たしかにこれほど殺人事件はありませんでした。昔といってもほんの30年前もこれほどではなかったのでは。どうしてしまったのでしょうか、人間は、日本人は。他国の事はさておき。

でもこんな隣人がいたらなんと心強いことか、という素敵な話もありましたね。あの火事の話ですが、逃げ場を失った若夫婦と赤ちゃんが助けられた話です。なんとか赤ちゃんには煙を吸わせないようにと、窓からなるべく外に出して助けを求めていたのでしょうか。下からそれを見ていた向かいのおじさんが、「俺が受けとめてやるから下に投げろ」と言ったそうですね。3階から下までは約7メートル。少し躊躇したようですが、火の手は迫ってくるし、それしか方法はありません。思いきってお父さんは赤ちゃんを手放しました。その赤ちゃんを、向かいのおじさんは無事にキャッチしてくださったのです。

その上、布団を下に敷きまして、赤ちゃんの両親に飛び降りるように指示してくれたそうです。7メートル上からのジャンプ、恐かったでしょうね。でもお母さんは軽傷、お父さんは足を折ったそうですが、命は助かりました。赤ちゃんの家族は、向かいのおじさんのお陰で無事に命が助けられたのです。このニュースは先週だったでしょうか。このニュースを聞いたとき、機転の効く、頼もしい隣人は有り難い存在だと思いました。今でもこのニュースのことを思うと、救われる思いがします。

私もこんな隣人でありたいとも思います。そんなことを思いながらフォームで電車を待っていました。その駅から始発なので、整列して待っていました。すると2列ほど離れた先に、青年がフォームの端から頭一つ線路の方に出してしゃがんでいます。その先には電車が入ってくるのが見えます。

「危ないですよ!電車が入ってきますよ!」私は叫びました。なんといってもお経で鍛えている声ですからね。2列ぐらい離れていても十分届きました。青年はハッとしたように身を引き、後ろを振り向きました。悪い遊びを見つかった子どものように、青年は背中を見せて歩き去りました。事故にならないでよかったです。でもできれば近くの人に注意して貰いたかったですね。

ちょとした隣人の一言が助けになるときもあるのではないでしょうか。ある少年が横道にそれていたそうですが、顔見知りの近所のおばちゃんがいつも声をかけてくれたそうです。このおばちゃんのためにひとつ真面目になってやろうか、と思って更正した、という人もいるそうです。

昨今は一言注意したばっかりに、グサリということもありますから、相手を読みながらも必要でしょうが、あきらかに人の助けになることは助け合っていきたいですね。そして皆さんもトラブルには巻き込まれませぬようにと願っています。