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韓国の旅(1)金寺の潅仏会

2008-05-14 22:22:48 | Weblog
【5月12日(月)晴れー韓国の旅(1)金寺の潅仏会】

5日から12日の日程で韓国の潅仏会(燃灯祝祭)に、旧友に招かれて行ってきました。母は韓国式には92歳になりますが、まだ元気で歩けそうなので、是非いらっしゃいと招待されたので、私も後顧の憂い無いように思い切って出かけてきた旅です。

 旧友の陳本覺法尼(スニム)はソウルの西大門区にある金寺(クンザンサ)というお寺の住職でもあり、中央僧伽大学の教授ですから、いつも多 忙の日々を送っているようです。しかし、花祭りの期間は大学は休みになります。お弟子さんたちも、10人のうち7人がお寺に戻っていました。どのお寺も僧 堂や大学から戻ってきているお坊さんたちで賑やかになる時期です。

 今日は、旅の順番からいうと最後の日からの紹介になりますが、金寺(クンザンサ)の潅仏会から旅の報告をいたしましょう。韓国は旧暦で潅仏会をしますので、今年は5月12日が旧暦の4月8日になります。

 潅仏会の朝も4時からの朝課は毎朝同じです(後述)。潅仏会の法要は10時から始まりました。信者さんたちも本堂(大雄殿)に入りきれないほど集まってき て、本堂の外にも敷物を敷いて参集しています。400人ほどいつも集まるそうです。

 始まりは美しい旋律の仏教賛歌を、参拝者全員で歌って始まりました。おそらくお釈迦様を讃える仏歌だろうと思います。それから僧侶だけではなく信者さんも 共にお拝をします。韓国の法要は僧侶だけではなく、信者さんたちも一緒にお経を読み、お拝をします。「釋迦牟尼佛」の称号をお唱えするのも一緒です。朝課 のときは108×3回ですが、おそらく108回くらいお唱えしていたでしょう。本当にお釈迦様のお誕生を祝っている法要であると実感します。

韓国の読誦法や、阿弥陀仏や釈迦牟尼仏のお唱えは美しい旋律がつけられます。聞いていても心洗われ、唱えても心洗われる感じがあります。日本のように、た だお坊さんだけ行う法要ではなく、韓国では信者さんも自ら加わって誦経し、お拝をします。このような参加型の法要は、信仰の心を養ってくれると思います。

そ して、住職の法話が一時間ほどありました。韓国語はわかりませんが、住職が一生懸命仏教について説いているのであろうということが、伝わってくるような一 時間でした。母も後で同じような感想を述べていました。どのようなお話であったかと、あとからおたずねしましたら、一人一人の信仰について、話されたよう です。僧侶だけが理解していればよいような仏教ではなく、それぞれの信仰、自身の信仰を強く持つことについてお話されたのでしょう。現在のような混迷する 世界の動きのなかで、仏教徒としての自覚を持ち、しっかりと生きていくことの大事さを話されたようです。住職の問いかけに対して、信者さんたちは力強く答 えていました。

法話の後もしばらく誦経があり、また僧俗共にお釈迦様のお誕生を讃えました。ここまで2時間はたっぷりかけて、丁寧な灌仏法要です。

最後に皆順番にお釈迦様の誕生佛に甘茶をかけました。その間中お坊さんの誦経は続きます。もしかしたら名号のお唱えだったかもしれません。

この後、別棟のお薬師様を祀ってある大ホールで昼食になりました。誰でもお食事を食べられます。信者さんたちは家族中でお参りにきているよう です。小さな子どもから、お年寄りまで年齢層の幅が広いです。




食事の後からは子供たちの太鼓の演奏があっったり、夜には蝋燭に火をともすのだそうです。日本の万灯供養と同じのようです。 私は父と兄のご供養を申し込みましたが、帰国の飛行場に向かわなくてはならないので、この後の行事についての報告は、残念ながらできませんが、夜まで花祭 りの催しは続くのだそうです。

金寺における、心のこもった潅仏会の紹介を致しました。


*ジュリーは美容院のお二人の介護のお陰で、前よりも元気になっています。