5月14日(金)晴【福岡龍國寺 その3 邪馬台国論争】
ここ糸島には、偉大なる考古学者原田大六氏(1917年1月1日 - 1985年5月27日)がいらっしゃいます。原田氏には『邪馬台国論争』(三一書房)『万葉革命』(歴史新報社)『天皇の故郷』(歴史新報社)『実在した神話』(学生社)などの著述があります。)『万葉革命』)『天皇の故郷』などは先生亡き後、奥様のイトノさんの尽力で出版されています。
糸島には「平原(ひらばる)弥生古墳」があり、先生によって発掘されました。ある時、ミカン畑を掘り返したところ、多くの出土品が出てきたのですが、すぐにその情報が、原田氏には届かなかったのだそうです。一週間ほどたってから、そのことが耳に入り、すぐにその農家に駆けつけたところ、農家の土間の肥料袋の上に置かれたバラバラのかけらが目に入りました。それこそ、まだその当たりにあるはずだと、先生が予測していた弥生時代の出土品にちがいありません。先生は、それらを細心の注意をはらって復元しました。そのうちの一つが、直径46.5センチの世界最大の大鏡だったのです。これは先生亡き後、やはり奥様のイトノさんがまとめられた『平原古墳調査報告書』によって、その価値が改めて見直され、平成18年に、大鏡だけではなく一緒に発掘された出土品なども含め、全て国宝に指定されました。
邪馬台国は3世紀頃の古代国家ですが、糸島にはそれよりも古い、古代国家伊都国が存在したことを、原田氏は研究なさいました。先生によりますと邪馬台国九州説は、ことごとく論破されているようですが、上記の本はチラッとだけ見ましたので、詳しくはご紹介できません。
2年前、吉永小百合さんが主演された「まぼろしの邪馬台国」という映画がありました。それは長崎島原に邪馬台国があったと主張した宮崎康平氏とその奥様和子さんを描いた映画でした。原田氏によりますと、宮崎康平説も否定されているようですが、あえて上記の本の中では論破なさる対象には選んでないようです。興味のある方は『邪馬台国論争』をお読み下さい。もうすでに読了されている方も多いかもしれません。
古代の人びとが眠る地にはロマンがあります。また何千年前のことを知ることは、誰でもロマンを感じるのではないでしょうか。ただそれに一生をかけるとなると、並大抵のご苦労ではないでしょう。理解ある奥様あってこそ、原田氏もこのロマンに一生をかけられたのではないでしょうか。
宮崎康平氏も奥様の和子さんあってこそ、晩年目が見えなくなりましたが、邪馬台国を追いかけて一生を送ることができたのではないでしょうか。和子さんの言葉ですが「(夫婦は)価値観が同じであることが大切。それと、夫に従うとか、尽くすとか、そういうことではなくて、妻も対等の立場で一緒にものを考えた方がいい。」と言われています。
原田イトノさんの講演も、龍國寺の「おとなの寺子屋」で時々開催されるそうです。イトノさんは「100歳まで生きて、未だねむっている数多くの遺稿を刊行しつづけたい」とおっしゃっているそうです。
*『万葉革命』は原田氏が当時の万葉学者の説がことごとくマチガイであることを歯にもの着せぬ論調で序文が書かれていたので、当時は出版できなかったそうです。氏の古代を見つめる目から枕詞など、意味のない語ではなく、かえって深い意味ある語なのだということが、古代史研究の裏付けをもって解説されている書です。これも私は、全部読んだわけではありませんが、興味のある方は是非お読み下さい。
*記事に誤りがある場合は、是非コメントを宜しくお願い致します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/78/408152fb7baf635fc83e47379459e161.jpg)
(古代より 変わらぬ空の ここにあり)
ここ糸島には、偉大なる考古学者原田大六氏(1917年1月1日 - 1985年5月27日)がいらっしゃいます。原田氏には『邪馬台国論争』(三一書房)『万葉革命』(歴史新報社)『天皇の故郷』(歴史新報社)『実在した神話』(学生社)などの著述があります。)『万葉革命』)『天皇の故郷』などは先生亡き後、奥様のイトノさんの尽力で出版されています。
糸島には「平原(ひらばる)弥生古墳」があり、先生によって発掘されました。ある時、ミカン畑を掘り返したところ、多くの出土品が出てきたのですが、すぐにその情報が、原田氏には届かなかったのだそうです。一週間ほどたってから、そのことが耳に入り、すぐにその農家に駆けつけたところ、農家の土間の肥料袋の上に置かれたバラバラのかけらが目に入りました。それこそ、まだその当たりにあるはずだと、先生が予測していた弥生時代の出土品にちがいありません。先生は、それらを細心の注意をはらって復元しました。そのうちの一つが、直径46.5センチの世界最大の大鏡だったのです。これは先生亡き後、やはり奥様のイトノさんがまとめられた『平原古墳調査報告書』によって、その価値が改めて見直され、平成18年に、大鏡だけではなく一緒に発掘された出土品なども含め、全て国宝に指定されました。
邪馬台国は3世紀頃の古代国家ですが、糸島にはそれよりも古い、古代国家伊都国が存在したことを、原田氏は研究なさいました。先生によりますと邪馬台国九州説は、ことごとく論破されているようですが、上記の本はチラッとだけ見ましたので、詳しくはご紹介できません。
2年前、吉永小百合さんが主演された「まぼろしの邪馬台国」という映画がありました。それは長崎島原に邪馬台国があったと主張した宮崎康平氏とその奥様和子さんを描いた映画でした。原田氏によりますと、宮崎康平説も否定されているようですが、あえて上記の本の中では論破なさる対象には選んでないようです。興味のある方は『邪馬台国論争』をお読み下さい。もうすでに読了されている方も多いかもしれません。
古代の人びとが眠る地にはロマンがあります。また何千年前のことを知ることは、誰でもロマンを感じるのではないでしょうか。ただそれに一生をかけるとなると、並大抵のご苦労ではないでしょう。理解ある奥様あってこそ、原田氏もこのロマンに一生をかけられたのではないでしょうか。
宮崎康平氏も奥様の和子さんあってこそ、晩年目が見えなくなりましたが、邪馬台国を追いかけて一生を送ることができたのではないでしょうか。和子さんの言葉ですが「(夫婦は)価値観が同じであることが大切。それと、夫に従うとか、尽くすとか、そういうことではなくて、妻も対等の立場で一緒にものを考えた方がいい。」と言われています。
原田イトノさんの講演も、龍國寺の「おとなの寺子屋」で時々開催されるそうです。イトノさんは「100歳まで生きて、未だねむっている数多くの遺稿を刊行しつづけたい」とおっしゃっているそうです。
*『万葉革命』は原田氏が当時の万葉学者の説がことごとくマチガイであることを歯にもの着せぬ論調で序文が書かれていたので、当時は出版できなかったそうです。氏の古代を見つめる目から枕詞など、意味のない語ではなく、かえって深い意味ある語なのだということが、古代史研究の裏付けをもって解説されている書です。これも私は、全部読んだわけではありませんが、興味のある方は是非お読み下さい。
*記事に誤りがある場合は、是非コメントを宜しくお願い致します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/78/408152fb7baf635fc83e47379459e161.jpg)
(古代より 変わらぬ空の ここにあり)