Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

硫黄岳(八ヶ岳)登山

2014年04月17日 | 山歩き

4月15日(火)                天気=晴れ

09:20美濃戸口駐車場→ 10:20~32美濃戸山荘→ 11:38~50堰堤広場→ 13:08赤岳鉱泉(宿泊)

 妻と本格的な雪山へ行くのは平成22年5月連休の北ア、涸沢岳以来だから実に4年ぶりだ。今日は標高2200mの赤岳鉱泉泊りだから、ゆったり出発する。

 登山口の美濃戸口にはAM9時過ぎに着いた。駐車場の管理人さんに2日分の駐車料金1000円を払い出発する。柳川に架かる橋を渡って林道をテクテク歩く。道路に雪は無く爽やかに吹く早春の風が心地よい。

 美濃戸口登山口

 約1時間歩いて山小屋が数軒建つ美濃戸に着いた。何処もまだ戸を閉ざし営業していない。此処まで一般車が通行できるので、登山者の車が3~4台駐車していた。

 私も車で来るのは可能だが、道は悪く駐車料金も一日1000円するからその気になれない。第一、山歩きに来てるのに少しでも歩く距離を減らそうという魂胆が気にいらない。

 一番上に建つ美濃戸山荘の所で、行者小屋に向かう南沢コースが分岐する。この辺りから雪道に変わってきたのでスパッツを装着する。我々は北沢沿いの林道を進む。林道は所々凍結しており、注意しないと転倒しそうだ。

 美濃戸山荘の南沢コース分岐

 赤岳鉱泉の白いジムニーが我々を追い越して行った。流石に四駆は強く悪路を平気で登って行く。妻は身体が山慣れしていないのか、辛そうな表情で歩いている。それでもほぼコースタイム通りに、林道終点の堰堤広場に着いた。

 北沢コースの林道

 一息ついていると、爽やかな青年が重そうなザックを背負って下から登って来た。今日は行者小屋まで行ってテントを張ると言い、軽い足取りで我々を追い越して行った。「俺にもあんな時代があったなあ。」と羨ましい後姿だった。

 堰堤広場に架かる橋

 堰堤広場から北沢沿いに登山道が始まる。徐々に高度を上げて行くと、前面に「大洞心」岩峰を中心に八ヶ岳主稜が姿を現した。八ヶ岳に来たゾという実感が湧いて嬉しくなる。

 八の主稜線が見えてきた。

 北沢に架かる架橋を幾度か渡り樹林帯の雪道を緩やかに登って行くと、突然のように青白い氷塔が見えた。赤岳鉱泉に併設されている、アイスクライミングの人口氷壁「アイスキャンディ」だ。高さは10mくらい、既に一部解け始めており使用&立入禁止になっていた。

 アイスキャンディと奥に赤岳鉱泉の建物

 赤岳鉱泉から眺める大洞心の岩峰

 赤岳鉱泉にはPM13時過ぎ到着、疲れた表情の妻にやっと笑顔が戻った。昨年3月単独で来た時はテント泊だったので、この小屋に泊るのは久し振りの事だ。一泊二食で9000円と料金は高めだが、設備はペンションと見間違える程立派で快適な環境に驚かされる。

 赤岳鉱泉の真上に赤岳山頂

 料理も夕食は何とビフテキ、普段でも食った事が無い豪華な食事にビールも美味い。今宵の同宿者は10名程、室内も一晩中暖かくグッスリ眠る事が出来た。赤岳鉱泉の設備とサービスの良さは、全国の山小屋でもトップクラスだろう。

 

 

 

4月16日(水)  天気=晴れ

 

07:26赤岳鉱泉→ 09:03~14赤岩ノ頭→ 09:35~10:10硫黄岳→ 10:25~29赤岩ノ頭→ 11:24~40赤岳鉱泉→ 12:30~40堰堤広場→ 13:20~30美濃戸山荘→ 14:15美濃戸口駐車場

 

 朝食の時間が山小屋にしては遅く6時半なので、大部分の人は既に出発しており、食事をとったのは我々夫婦と単独男性の3人だけだった。小屋の前でアイゼンを装着し7時半前に硫黄岳目指して出発する。

 樹林帯にしっかりトレイルがついているので道に迷う心配は無い。風は殆ど無く絶好の登山日和、黙々と高度を上げて行く。突然上の方から軽装の若者が降りて来た。昨日堰堤広場で会った爽やかな青年だった。

 てっきり硫黄岳往復登山と思ったら、何と赤岳から横岳を経由し縦走して来たと言う。普通に歩けば半日コース、何という健脚だろう。思わず「凄いねぇー」と声が出た。もう私にはマネの出来ない登山だ。「稜線は風が強いですよ。」と言い残し、青年は風のように去っていった。

 赤岩ノ頭直下の登り

 辛抱強く登っていると、樹間越しに赤岳や阿弥陀岳のピークがだんだん低くなってくる。樹木が疎らになると稜線も近く、最後の急登を頑張ると赤岩ノ頭(2656m)に着いた。

 赤岩ノ頭から硫黄岳山頂

 平坦な山頂からは硫黄岳~横岳~赤岳~阿弥陀岳の主稜線が全て見渡せ絶景の眺めだ。北風が時折強く吹くものの行動に支障ない。去年3月登った時には、吹き飛ばされそうな強風で必死の思いで登ったのだが。

 赤岩ノ頭から八最高峰、赤岳

 赤岩ノ頭から硫黄岳への登り

 気持ちの良い尾根道を伝って11時半前に硫黄岳(2760m)へ着いた。真っ平らな山頂は所々雪も溶け春山の装いだ。食事を取りながら二人だけの山頂を楽しむ。

 硫黄岳山頂

 硫黄岳の火口壁

 硫黄岳から横岳(左)と赤岳(右)

 硫黄岳から阿弥陀岳

 30分余の滞在の後、山頂を後にする。来た道を忠実に降って行くと、若い男性に引率された山ガール3人のパーティが登ってきた。皆元気で若さが溢れており、こちらも微笑ましくなってくる。

 下山道から赤岳鉱泉が小さく見えた。

 苦しい登りとは裏腹に降りは脚も軽く、山頂から1時間余で赤岳鉱泉に戻ってきた。ちょうど従業員の人達が給水施設の設置をしており、パイプの先から清水が溢れ出ていた。

 凍結した路面に注意しながら昨日登った道を約2時間半掛けて降り、PM2時過ぎ、美濃戸口の駐車場に戻った。乗車すると茅野市内の田園地帯にある「玉宮温泉望岳の湯」へ向かう。

 此処は茅野市営の日帰り温泉で、大人400円とリーズナブルな料金、設備も綺麗で何より眺望が素晴らしい。「望岳の湯」と謳うだけあって北端の蓼科山から南端の編笠山まで八ヶ岳全山が一望の元、今朝登ったばかりの山々を眺めながら湯船に浸かるのは極楽の一言で、八ヶ岳登山の汗を流すには絶対お勧めの温泉と言える。

コメント
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