monologue
夜明けに向けて
 



 
昨年12月のボリビア大統領選で先住民出身として初めて当選したエボ・モラレス大統領の就任式が1月22日、主都ラパスで行われた。
ラパスのメディアの調査ではモラレス大統領の当選時の得票率は53.74%だったが
現在、国民の支持率は74%という。期待値が高い。

 ボリビアは豊かな資源国であるが人々は貧しい。
、銀の丘セロ・リコがスペインによって略奪されそれから
先住民の奴隷労働により採掘された銀が3世紀の間スペイン帝国の財政をまかなった。
そして銀が底をついたとき、錫が採掘された。
そして現代は、天然ガスやリチウムの採掘へと移行してゆく。


 ボリビアは、先住民が人口の約6割と、南米各国の中でも先住民の割合が高い。その多くが貧困層で、識字率も低い。政治経済は一貫して十数%の白人層が握っていた。
「新自由主義グローバリズム」の名の下に資源搾取を目的とするトタル・ロキュラ・カピタリスタ(全く愚かな資本主義)と人々が呼ぶ中南米全土における先住民族に対するあからさまな人種差別傀儡政権政府と多国籍企業とついに決別した。
2003年にゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダ大統領を追い出し、後任の大統領カルロス・メサも辞任を余儀なくされた。

 エボ・モラレス大統領の経歴はオルーロ県でアイマラ族の農家に生まれ最終学歴は中学卒。
17歳で兵役に就き、様々な職を転々とした後、コチャバンバ県チャパラに移住し、コカの栽培農家となる。
1997年に上院議員に当選、2002年に暴動を扇動したとして、上院議員を除名。
同年6月に大統領選挙に出馬、2位で落選。
2005年の大統領選挙で、1回目の投票で得票率5割を越えて当選。

 モラレス氏は貧困層対策に力を入れ、先住民の代表や女性を内閣に多く登用する方針、白人のガルシア氏を副大統領に起用して白人との融和も進めるという。

 コカ栽培農家の出身というからコカイン製造でもするのかと疑ったが、不明を羞じることになった。
あくまでも先住民の伝統的な生活必需品としてのコカの栽培促進である。高地での労働に耐えるためコカの葉を噛む習慣があるのだ。
新政府もコカインの精製、密輸は取り締まる方針なのである。
いよいよ南米の先住民も欧米の搾取から自立するときが来た。
立派な果実を実らせてほしい。
fumio









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