monologue
夜明けに向けて
 



    1995年四月十三日の時点で、開かずの扉は残るは三つであったのだが
それから11年経った2006年現在、どうなったのだろうか。
時代は進み人々は様々に変化している。見えなかったものが見えわからなかったことがわかってきた。
十種神宝も開かずの扉のひとつなのだろう。前々回大まかなことを述べたが
実際にどんなものか具体的には不明であったと思うので、開かずの扉を開けるつもりで
十種神宝の内で最も重要な上図の品物比礼(クサグサノモノノヒレ)を採り上げてみたい。

 富士市、五十綱大神宮所伝、「飯綱本」、高野山所伝、「山本本」、京都二条家所伝、「都本」などのさまざまな文献にアヒルクサ文字のような古代文字によってその十種神宝の説明が附されている。
それを現代人の目で読めば十種神宝とは現在われわれの知っている機器で表せば「携帯電話、電磁波兵器、テレビ、DVD、送信機、医療器具、治療器具、地上防衛兵器、空中防衛兵器、工具類」などと
それらの機器を集中的に管理操作する未来型コンピューターとしての「品物比礼」との十種類のハイテク機器で構成されるというのだ。

 品物比礼のヒレは領巾(ひれ)という文字も使うのだがこれはひらひらするものの総称という。
古代には領巾を振れば、邪を払い願いがかなうと信じられていた。
それでこれまでは布きれや魚の鰭(ひれ)のような形状のものという先入観で読まれてきたのでなかなか真実にたどり着けなかった。
 その先入観を捨てたとき、ヒレということばは「振る」の枕詞のように使用されてそのヒレを振ることによって使用する機器を示していたことに気づくのである。つまりヒレとは装置、あるいは機器を意味する普通名詞であった。別にヒレのような形をしていなくともよいのだ。現代人はパソコンを使用しているので「品物比礼」の図を見たときそれが自分のパソコンの形状とそっくりであることに気づく。
よく見ると上に三本のアンテナがあり、モニターがあり、スピーカーがあり、キーボードがある。パソコンのない時代にはこれがなになのかイメージしにくかったはずだ。
それでこれが未来型コンピューターであるとわかることになった。今の時代だからこそそれがわかったのだ。時の封印が解けたのである。
他の機器も現在われわれのまわりを見渡せばわかるものが多い。わからないものはこれから開発される機器なのである。

 ところで品物比礼の使用方法であるが将来十種神宝が発見されても操作法がわからないとまさに宝の持ち腐れになってしまう。
その時のためにニギハヤヒはさまざまな文献の最後にかならずマニュアルとして次のことばを用意していた。

「謂一二三四五六七八九十
 而布留部由良由良止布留部、如此為之者、死人代生矣、
即是布留之言本矣」

 このままではなんのことかわからないが
一二三四五六七八九十という数列のあとに
 「而布留部由良由良止布留部、如此為之者、死人代生矣、即是布留之言本矣(しこうして、フルべユラユラとフルべ、このごとくにこれを為した者は死ぬ人も生まれ代わる、すなわち、それが本当に布留=饒速日尊の言という)」とあるのだ。

 以前の人々にはまだ見えなかったが現代を生きるわたしたちにはこれが暗証番号であることは明白である。
この品物比礼コンピューターのアクセスコードとして
一二三四五六七八九十すなわち、12345678910と打ち込み最後にゆらゆらと振ることで動作することになるというのだ。それがこのコンピューターのスタート法なのである。
ニギハヤヒ大王はわたしたちがこの十種神宝という未来型ハイテク機器類を発見し使用する日を楽しみに待っている。
早く目覚めて十種神宝を使用するにふさわしい人類になりたいものである。
fumio







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