monologue
夜明けに向けて
 

青丹  


 
95/05/01 傀儡の傀儡たる由縁、鬼の鬼たる由を食うて何世紀‥離断せよ


奈良の枕詞「あをによし」を『青丹よし』と書く場合の青丹は奈良坂で産した顔料の土の染め色のことで濃い青に黄の加わった色をいう。青と黄は闇の世界の三原色を構成していて、隔り世全体の色、赤に青が混じると桃色に近いマゼンダ(フクシン)ができ、それに黄色が加わって三原色(シアン、マゼンダ、イエロー)の混ざった黒となる。それゆえ青黄は闇の世界に属する色といえる。光の三原色、赤緑青は混ぜると白くなる。闇の世界では混ぜると無彩色の鼠色になるものを補色という。神職の服装には禁色(きんじき)や忌色(きしょく)があって、禁色は高貴な色で一般には禁止となっていて、天皇陛下の「黄櫨染」(こうろぜん)と皇太子殿下の「黄丹」(おうに)を指す。忌色は凶時に用いる色で「鼠色」や「青鈍(あおにび)色」などが、神社本庁によって忌色に指定されている。
 そして『青丹よし』のヨシの語源は不明で、ヨ、とシはともに間投詞であろうとされている。そうであれば、「あをによし」は「あをによ…、」ということになる。ところがこの「あをに」がなんのことかわからないことが問題である。「青丹」でよいのだろうか。
fumio

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